不動産登記・・・居住用住宅の税金の減額

【数十万円の差】住宅用家屋証明書で登記の税金はここまで安くなる

マイホームを取得する際の手続きで確認しておきたい費用の一つが、「登記」にかかる税金である登録免許税です。実はこの税金、決して安くはありません。

例えば、建物の評価額が3,000万円で、売買による所有権移転登記をする場合を考えてみましょう。原則の税率2.0%で計算すると、登録免許税は60万円になります。この金額を知って、少し不安に感じた方もいらっしゃるかもしれません。

でも、ご自身で住むための住宅を取得した場合には、この税金を劇的に安くできる「住宅用家屋証明書」という制度があります。

この証明書を使うことで、税率が大幅に引き下げられます。先ほどの3,000万円の売買による所有権移転登記の例で言えば、60万円だった税金が9万円まで軽減される可能性があります。なお、所有権保存登記や抵当権設定登記では税率が異なるため、軽減額も変わります。軽減額が大きくなる場合には、住宅取得時の資金計画にも影響します。

「でも、手続きが複雑そう…」「自分は対象になるの?」そんな疑問や不安を解消するために、この記事はあります。この記事を最後までお読みいただければ、

  • ご自身が減税の対象になるか
  • そのために何をすればよいか

を整理して確認できます。知っているか知らないかで数十万円の差がつく、大切な登記の税金の減額制度について、専門家が分かりやすく解説していきます。

あなたは対象?簡単2ステップでわかる減税診断チャート

「自分の場合は、減税の対象になるのかな?」そう思われた方のために、簡単な診断チャートをご用意しました。複雑な要件を一つひとつ確認する前に、まずはこのチャートでご自身の状況をチェックしてみてください。

住宅用家屋証明書の減税対象かどうかがわかる2ステップの診断フローチャート。ステップ1で住宅タイプ、ステップ2で基本要件を確認する。

いかがでしたでしょうか?「可能性大!」と出た方は、ぜひ次の章で詳しい要件を確認していきましょう。「要件がネックかも?」と出た方も、該当しないと判断する前に、追加要件を確認する必要があります。特定の条件をクリアすれば対象となるケースもありますので、ご自身の状況に近い部分をじっくり読み進めてみてください。

【ケース別】住宅用家屋証明書の適用要件を完全解説

ここからは、住宅用家屋証明書を取得するための具体的な要件を、住宅のタイプ別に詳しく見ていきましょう。ご自身の状況に合わせて、必要な部分をご確認ください。

①新築住宅・建売住宅を購入した場合の要件

注文住宅を新築した場合や、誰も住んだことのない新築の建売住宅・分譲マンションを購入した場合の要件です。一番のポイントは「家を取得してから1年以内に登記をすること」です。

要件解説
取得後1年以内の登記個人が住宅を新築した日、または建売住宅や分譲マンションを取得した日から1年以内に登記をする必要があります。
自己の居住用であること投資用やセカンドハウスではなく、ご自身が主に住むための家であることが必要です。
床面積が50㎡以上であること登記簿に記載されている床面積が50平方メートル以上である必要があります。
店舗等との併用住宅の場合家の一部を店舗や事務所として使う場合は、居住部分の割合が全体の90%を超えている必要があります。
新築住宅・建売住宅の主な要件

②中古住宅(戸建て・マンション)を購入した場合の要件

中古の戸建てやマンションを購入した場合、新築の要件に加えて、昭和57年1月1日以後に建築された住宅であること、または一定の耐震基準等に適合する住宅であることなどの要件が加わります。しかし、この築年数をオーバーしていても、減税を受けられる救済策がありますので、しっかり確認していきましょう。

【中古住宅の耐震要件】

  • 登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の場合:原則として新耐震基準に適合している住宅用家屋とみなされます。
  • 登記簿上の建築日付が昭和56年12月31日以前の場合:耐震基準適合証明書、住宅性能評価書の写し、既存住宅売買瑕疵保険の保険付保証明書などにより、一定の耐震基準に適合することを証明する必要があります。

【昭和56年12月31日以前に建築された中古住宅の場合】
登記簿上の建築日付が昭和56年12月31日以前の中古住宅でも、以下のいずれかの書類により一定の耐震基準に適合することを証明できれば、減税の対象となる可能性があります。

  • 耐震基準適合証明書:建築士などが発行する、現行の耐震基準を満たしていることを証明する書類です。
  • 既存住宅売買瑕疵(かし)保険の付保証明書:住宅の欠陥を保証する保険に加入していることを証明する書類です。
  • 住宅性能評価書の写し:耐震等級が1、2または3であることを証明できるもの。

古い物件だからと諦めずに、不動産会社にこれらの書類が取得可能か確認してみる価値は十分にあります。

③全てのケースに共通する基本要件

最後に、新築・中古を問わず、すべての住宅で満たす必要がある基本的な要件をまとめます。これらの要件は、登記手続きの基本となる部分です。

  • 自己の居住用であること:
    この制度は、あくまでご自身が住むための家を対象としています。そのため、登記手続きの後、速やかに対象の家屋に住民票を移すことが「居住用」であることの証明になります。別荘や賃貸用の物件は対象外です。
  • 床面積が50㎡以上であること:
    登記簿に記載される床面積が50平方メートル以上必要です。マンションの場合、パンフレットなどに記載されている壁心面積ではなく、登記簿上の内法(うちのり)面積で判断される点に注意が必要です。この面積の確認は、土地家屋調査士や司法書士といった専門家が正確に行います。
  • 店舗等との併用住宅の要件:
    自宅兼事務所や店舗の場合、建物の総床面積のうち、居住用スペースが90%を超えている必要があります。

住宅用家屋証明書の取得方法と必要書類【3ステップ】

ご自身が減税の対象になることがわかったら、次はいよいよ証明書を取得する手続きです。ここでは、具体的な流れを3つのステップに分けて解説します。

住宅用家屋証明書の取得方法を3ステップで解説した図解。ステップ1は書類準備、ステップ2は役所で申請、ステップ3は証明書取得と登記添付。

ステップ1:状況に応じた必要書類を準備する

申請には、まず必要書類を揃えることから始めます。書類は「どの住宅でも共通で必要なもの」と「住宅の状況によって追加で必要になるもの」があります。

【全ケース共通で必要な書類】

  • 住宅用家屋証明申請書:市区町村の役所の窓口やウェブサイトから入手できます。
  • 住民票の写し:新住所に住民票を移した後に取得します。もし登記の時点でまだ転居していない場合は、現在の住民票に加え「申立書」などの追加書類が必要になることがあります。
  • 本人確認書類:運転免許証やマイナンバーカードなど。

【住宅の状況別に追加で必要になる主な書類】

  • 新築(注文住宅)の場合:建築確認済証、建物の登記事項証明書(または登記完了証)など
  • 新築(建売・分譲マンション)の場合:建築確認済証、売買契約書または譲渡証明書、家屋未使用証明書など
  • 中古住宅の場合:売買契約書または譲渡証明書、建物の登記事項証明書など

必要書類は自治体によって若干異なる場合がありますので、申請前に必ず役所のウェブサイトで確認するか、電話で問い合わせておくと安心です。

参考情報として、自治体のウェブサイトの例を掲載します。
参照:いわき市の住宅用家屋証明書に関する案内

ステップ2:市区町村の役所窓口で申請手続きを行う

書類の準備ができたら、建物の所在地を管轄する市区町村役場の窓口で申請します。多くの自治体では、資産税課や建築指導課といった部署が担当していますが、名称は様々ですので、総合案内で「住宅用家屋証明書の申請をしたい」と伝えれば、適切な窓口を案内してもらえます。

申請時には、1通あたり1,300円程度の手数料が必要です。窓口の混雑状況にもよりますが、書類に不備がなければ、通常は即日〜数日で証明書が発行されます。

ステップ3:証明書を受け取り、登記申請時に添付する

無事に住宅用家屋証明書を受け取ったら、いよいよ最終段階です。この証明書を、所有権の保存登記や移転登記、住宅ローンの抵当権設定登記といった不動産の登記手続きの申請書と一緒に法務局へ提出します。

この証明書を登記申請時に添付して、はじめて登録免許税の軽減が適用されます。もし忘れてしまうと、原則通りの高い税金を支払うことになってしまうため、非常に重要な書類です。登記手続きを司法書士に依頼する場合は、この住宅用家屋証明書の取得も併せて代行してもらうのが一般的です。

手続きは自分でできる?司法書士に依頼するメリット

ここまで読んで、「意外とやることが多いな…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。住宅用家屋証明書の取得から登記申請まで、ご自身で行うことも不可能ではありません。しかし、平日に何度も役所や法務局に足を運んだり、専門的な書類を不備なく準備したりするのは、時間も手間もかかります。

特に、お仕事で忙しい方や、書類の準備に不安がある方にとっては、大きな負担になりかねません。

私たち司法書士は、不動産登記の専門家です。ご依頼いただければ、住宅用家屋証明書の取得に必要な書類確認から、登記申請まで、司法書士の業務範囲内で一括してサポートいたします。床面積や耐震要件などの確認、市区町村役場での証明書申請、法務局への登記申請まで、必要な確認を行いながら、減税措置の適用を受けられるよう手続きを進めます。

新生活の準備で忙しい時期だからこそ、面倒で専門的な手続きはプロに任せて、心に余裕を持つという選択も一つです。当事務所では、お客様一人ひとりの状況を丁寧にお伺いし、最適な手続きをご提案することを大切にしています。

手続きに関するご不安やご質問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
住宅用家屋証明書と登記手続きの無料相談

当事務所の無料相談では、お客様が気になっていることを第一に、丁寧にお話を伺います。まずはお気軽にお問い合わせください。

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

0368055496電話番号リンク 問い合わせバナー