遺言書の検認

遺言書があるときはどうするか?司法書士に任せるメリット

遺言書はいきなり開けてはいけません。両親から聞いていた内容が果たしてちゃんと書いてあるのか気になり、すぐに内容を確認したいところです。

ところが、民法の1004条1項には「遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。」と書いてあります。

「検認」という手続きを経なければ開けてはいけないのです。遺言書が見つかってもそのまま手続きでは使えず、その遺言書をどう扱えばいいのか。その部分を熟知している司法書士に遺言の「検認」を任せるとスムーズに遺言書の内容が実現され、早い段階で亡くなられた方の預貯金や不動産がお客様に引き継がれ、更にお客様のかかる手間は必要最小限ですみます。しかも段取りを司法書士が組むためみなさまのお時間の節約になり、慣れない家庭裁判所とのやりとりも必要最低限で済みます。

 

検認とは何か?

検認とは家庭裁判所で遺言書を「調べる」手続きです。では何を調べるのでしょうか。検認は遺言書が法律的に有効か無効かを調べるのではありません。検認では遺言書が偽造されてないかを調べます。亡くなった方(被相続人)の本当に書いたものなのか、偽物でないかを調べるのです。本物だとしても遺言書に書いてある内容が無効なので実現できない可能性もあり「本物か偽物か」と「有効か無効か」は別問題です。

この検認の手続きは時代が進むにすれ遺言の重要性が一般に知れ渡った影響からか手続きがとられる件数は少しずつ増えています

検認の申し立て件数は平成17年の時点では12,347件でしたが、平成29年が17,394件、平成30年は17,487件でした。平成31年1月13日に施行された遺言書に関する新しい民法を受けて、更に増えることが予想されます。

 

自筆証書遺言だけが検認が必要

自筆証書遺言とは何でしょうか。「自筆」とありますので読んで字のごとく自分で手書きした遺言書のことです。私は司法書士になる為の受験勉強中、むしろ手書きじゃない遺言書があることがピンと来ませんでした。ドラマなどでサラサラと手書きで遺言書を書くようなシーンに目が慣れていたためです。遺言書にはこの自筆証書遺言の他に公証役場が作成した「公正証書遺言」もあります。こちらは法律文書のプロである公証人が関与しているため、偽物を疑う必要はないということで検認は不要です。

 

検認はどの期間にやるのか

検認はいつからいつまでの期間にやればいいのでしょうか。民法には「相続の開始を知った後、遅滞なく」とあります。「相続の開始を知った後」は言い換えると「遺言書を書いた方が亡くなったことを知ってから」ですので、少なくとも遺言者が亡くなった後でないと検認の期間はスタートしません。検認の期間がスタートすると「遅滞なく」やらなければなりませんが「遅滞なく」は「なるべく早いうちに」という意味なのでできるだけ早く準備し、整った段階でやれば大丈夫です。実際には、49日を過ぎるまでは待つことが多いです。

 

検認をしないで遺言書を開封してしまったらどうなるのか

ではうっかり遺言書の検認をせずに開封してしまったらどうなるのでしょうか。また開封してしまった遺言書を銀行に持っていき、預貯金の引継ぎの手続きが通ってしまったら?

遺言書を検認せずに開封してしまってもその遺言書は無効とはなりません。また検認せずに開封してしまった遺言書を使って銀行の手続きが通ったらその手続きは有効です。もっとも検認手続きをしない遺言書で各種の手続きが通ることはあまりありません。

不動産の名義変更(相続登記)は検認をしている遺言書を提出することがルールとして定められていますし、銀行も検認をしていないと手続きを通してくれないのが一般的です。銀行に遺言書をもっていって「検認してください」と言われはじめて検認手続きの存在に気付く方も多いようです。遺言書としては無効にならないのでその点はご安心いただきたいのですが、検認をせずに開封すると裁判所から5万円以下の過料(罰金)に科せられる規定がありますので注意が必要です。

 

検認は具体的に何をするのか

検認の申し立てをすると、家庭裁判所から事前に相続人の通知がなされ、検認当日に立ち会うことが認められています。

検認では、家庭裁判所が紙の質や形状、文字の配列や色、訂正の有無などを確認し本物かどうかを確認します。

確認が終わると検認が終わったことを証明する「検認済証」を作ります。作った検認済証と遺言書を割り印などで一体化させて相続人の方に返却されます。

 

検認の流れ

検認するまでの流れをご説明致します。

 

①戸籍の収集

※相続人が誰なのがを証明するために、亡くなった方の出生から亡くなるまでの戸籍や相続人の方の戸籍を提出します。当事務所の遺産承継サービスでは戸籍の取得も代行するため、当事務所で取得した戸籍を添付します。

検認の流れ

②家庭裁判所に検認の申立書を提出

戸籍と共に、司法書士が検認の申立書を作成し家庭裁判所に提出します。裁判所に支払う手数料は相続人への通知にかかる郵送料にもよりますが1,500円~2,000円前後になることが多いです。

検認の流れ

③家庭裁判所から相続人への通知

家庭裁判所から相続人へ検認する日を通知します。検認には相続人や代理人が立ち会うことができます。

検認の流れ

④検認

検認の申し立てから検認にかかる期間は1~2か月程度のことが多いです。検認の日に無事に家庭裁判所での検認が終わると、検認が終了したことの証明文をつけた遺言書が返されます。  

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