なぜ不動産登記をするのか?

住宅を購入すると発生する不動産登記。おそらく仲介業者や売り主さんから司法書士を紹介されて、そのままその人の言うとおりに何となく住民票や印鑑証明書など書類を揃えてサインをして・・・という感じで淡々と進むと思います。この淡々と進む手続きは何のためにするのか、私なりの言葉でまとめてみたいと思います。まず日常生活の中で絶対意識しませんが「自分の物である」ということと「自分のものだと他人に主張する」のは法律上別の概念です。「自分の物だと他人に主張する」ことを「対抗する」と言いますが、この対抗するためには自分名義で登記をすることが必要です※。不動産取引の際には「お金を払って自分のものになった。しかし、第三者に自分の不動産だと主張できない」空白の時間帯がどうしても生じてしまいます。お金を払ってから、登記の申請をするまでの間ですね。なので、不動産取引において良い司法書士は「不動産の購入者に信頼いただける」司法書士だと思います。もちろん、売り主さんに信頼されることも非常に大事です。しかし、売り主さんは「お金が振り込まれるまで司法書士を取引現場に待機させる」ことによって一応の安全は確保できますが、購入者はそこから司法書士がしっかり登記申請してくれるまではどうやっても権利の空白が生まれてしまいます。こうして、文章にまとめてみると不動産取引の際に「司法書士って何する人なの?」と皆さんが思われることは非常に良いことのような気がしてきました。日本で不動産取引が安全に行われるのは当たり前であるからこそ注目されないのだと思います。もしも、不動産取引に関する事件がしょっちゅう起きていれば「誰を担当司法書士にするか?」は取引上の重要なポイントになってしまう気がします。

※参考 民法177条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成16年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

 

今回は鼻息も荒く条文まで載せてみました。司法書士事務所のブログらしくなったでしょうか?

下北沢司法書士事務所 竹内友章

 

 

 

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