Archive for the ‘不動産’ Category

仮登記

2017-06-12

仮登記という不動産登記上の技術があります。仮登記には登記が本来持っている「対抗力」という力がありません。自分が不動産を所有していることを仮登記しておいても、他の方に「この不動産をもっているのは自分ですよ」と主張できません。仮登記の効力としては、通常の登記を将来しておくことを「予約」しておくことです。もしも仮登記をした後に、他の方が通常の登記をしても仮登記に基づいて本登記をすれば、優先順位が上にできます。条文上は、必要な書類が整わない場合に優先順位だけ早めに確保したい場合、あるいは将来、契約の効力が生じる予約がある場合などにこの制度が使えるとされています。万が一、自分が購入する不動産などにこの仮登記がされていたら対応が必要です。そのままにしておくと将来、不動産を失うことになりかねません。基本的には抹消することになると思いますが、仮登記される権利の内容も様々なので、状況にあわせた対応が必要です。

昨日は割と過ごしやすかったですね。今日もあまり暑くならないと助かります。

下北沢司法書士事務所 竹内友章

 

 

 

なぜ不動産登記をするのか?

2017-06-02

住宅を購入すると発生する不動産登記。おそらく仲介業者や売り主さんから司法書士を紹介されて、そのままその人の言うとおりに何となく住民票や印鑑証明書など書類を揃えてサインをして・・・という感じで淡々と進むと思います。この淡々と進む手続きは何のためにするのか、私なりの言葉でまとめてみたいと思います。まず日常生活の中で絶対意識しませんが「自分の物である」ということと「自分のものだと他人に主張する」のは法律上別の概念です。「自分の物だと他人に主張する」ことを「対抗する」と言いますが、この対抗するためには自分名義で登記をすることが必要です※。不動産取引の際には「お金を払って自分のものになった。しかし、第三者に自分の不動産だと主張できない」空白の時間帯がどうしても生じてしまいます。お金を払ってから、登記の申請をするまでの間ですね。なので、不動産取引において良い司法書士は「不動産の購入者に信頼いただける」司法書士だと思います。もちろん、売り主さんに信頼されることも非常に大事です。しかし、売り主さんは「お金が振り込まれるまで司法書士を取引現場に待機させる」ことによって一応の安全は確保できますが、購入者はそこから司法書士がしっかり登記申請してくれるまではどうやっても権利の空白が生まれてしまいます。こうして、文章にまとめてみると不動産取引の際に「司法書士って何する人なの?」と皆さんが思われることは非常に良いことのような気がしてきました。日本で不動産取引が安全に行われるのは当たり前であるからこそ注目されないのだと思います。もしも、不動産取引に関する事件がしょっちゅう起きていれば「誰を担当司法書士にするか?」は取引上の重要なポイントになってしまう気がします。

※参考 民法177条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成16年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

 

今回は鼻息も荒く条文まで載せてみました。司法書士事務所のブログらしくなったでしょうか?

下北沢司法書士事務所 竹内友章

 

 

 

遥か昔の抵当権

2017-05-27

時々、ずっと前の抵当権が登記簿に残ったままということがあります。昭和初期とかもしかしたら明治とかもあり得るかもしれません。登記簿の抵当権の欄には「この不動産はいくらの借金のために担保にとられているか?」ということが書かれます。普通は何千万とか何億になるのでしょうが、このずっと昔の抵当権(休眠抵当権)は数千円とかもありえます。遥か昔で貨幣価値が今と全然違うからです。たいした額じゃないので気にしない、別にそのままでも困らない、そもそも抵当権の存在に気が付かない・・・ということで大抵の方はそのままにしておくでしょう。ところが売却するときは商慣習上、抵当権を消さないと売却できないので、そういうときになって初めて困るのだと思います。普通、抵当権を消すときには「お金を貸した人」の協力がいりますが、どこにいるか分からないし、第一ご存命とも思えない・・・。解決方法としては裁判所を利用して判決をとってしまう、「休眠担保権の抹消」といって少し特殊な手続きを使うなどいくつかやりかたがあります。お金を返したことが証明ができるのかなど、状況によって適した制度を選んでいくことになりますがいずれにしても時間がかかります。「まずい、売買の日に間に合わない!」とならないようもしも気が付いたら早めにご相談ください。

昨日、早歩きで法務局まで歩いてたらほんの少し息があがった感じがしました。「リーサルウエポン」という映画でメル・ギブソンが体力の衰えを感じてショックうけるシーンを思い出しました・・・。メルさんは犯人と格闘してですけど、私歩いただけですからね・・・。

下北沢司法書士事務所 竹内友章

 

宅建業法の改正

2017-04-26

不動産売買などをプロとして行う「宅地建物取引業」。そのルールを定めた宅地建物取引業法の一部が改正されました。いくつか改正点がありますが、大きい点として「インスペクション」について一定の説明義務が定められたことです。インスペクションとは、建物の構造耐力上の重要な部分の状況を専門家により調査すること。宅建業者には調査者の紹介の可否、調査した場合の調査結果の説明や書面の交付が義務付けられます。中古住宅市場の活性化が狙いのようですね。施行は平成30年4月1日から。解説している記事を見つけましたので、リンクを貼っておきます。

http://suumo.jp/journal/2016/10/03/118804/

 

気が付いたらもうすぐゴールデンウィークですね。みなさんどこかお出かけしますか?私は子供と遊ぶか、お酒飲むくらいです。

下北沢司法書士事務所 竹内友章

 

 

会社使用の、社長名義の不動産

2017-04-23

社長さんがご高齢になってきて、社長名義の不動産を会社で使用している場合注意が必要です。もしも相続が発生してしまった場合、相続人の一人が会社での使用を反対する場合が考えられます。こうなると事業を継続する上で大きな問題ですし、遺言や信託などで対応しておかなくては相続人同士の話し合いで解決しなけれなばりません。こればかりは相続発生前の対策が胆だと思います。一番わかりやすいのは、会社の後継者である相続人に相続させる若しくは会社に譲渡することでしょう。しかしこれだけだと後継者以外の相続人から不満がでるかも知れません。解決方法として信託が考えられます。具体的には、少し複雑になるので次の回のブログに書きます。

 

今日、多分生まれてはじめてレンタルDVDを延滞してしまいました。自分じゃなくて、子供が見るのだったので油断してました(泣)

下北沢司法書士事務所 竹内友章

 

 

 

 

会社謄本と不動産登記

2017-04-19

以前は、株式会社などの法人が不動産登記をするとき「資格証明書」が必要でした。「資格証明書」に該当する書類はいくつかありますが、代表的なものは会社謄本です。そのためある程度、不動産売買になれている会社さんでは会社謄本をご用意くださる場合もありますが、平成27年11月から資格証明書はいらなくなっております。その代わりに「会社法人等番号」とよばれる、会社謄本に記載されている12桁の数字を記載するようになりました。以前は書類を1通、用意しなければならなかったのが今は数字を登記申請書に記載するだけでよくなったのですから、登記制度も皆様にとって使いやすい制度になるよう努力がなされていますね。

 

下北沢司法書士事務所 竹内友章

 

抵当権の抹消

2017-04-13

無事、住宅ローンを払い終えると抵当権を抹消するための書類が金融機関から届きます。これは、「今までご自宅を担保にとっていましたが、全額お金を返してもらいました。つきましては登記簿の担保の部分を消すための書類をお送りします」ということです。この時に注意しなければならないのは、住所移転の登記が必要になるケースが多いことですね。ご自宅を購入した時点では、住民票は引っ越し前のご自宅にあることが多いですが、その後購入された現在のお住いに住民票を移されていると思います。そのため、抵当権を消す登記の前に住所が移ったことの登記申請が必要になることがあります。抵当権の抹消登記は期間的な制限はありません。すっかり忘れてしまって長い間放置することも多いですが、万が一、相続が発生してしまったりすると抵当権の抹消もやや複雑な手続きになります。極力早めに抹消登記をした方がいいですね。

 

今日はかなりいい天気ですね。毎日こんな陽気だと嬉しいですけどね。

下北沢司法書士事務所 竹内友章

相続と信託

2017-04-11

本屋さんをのぞいたのですが、相続に関する本がたくさん並んでいました。一冊手に取ってパラパラとめくってみると「信託」について説明がされていました。信託とは「財産を持ってる人」が「財産の運営が上手な人」に、その財産の運営を任せて「財産からあがった利益をもらう人」に収益を分配する制度です。こう書くと最低3人必要に見えるかもしれませんが、別に「財産を持ってる人と利益をもらう人が一緒」だとか重複しても構いません。また信託には「オプション」と言ったらいいのか他にも色々と契約内容に盛り込むことが可能です。そのため「賃貸マンションの管理を長男にしてもらい、家賃は妻の生活費にあてる。妻も亡くなった後は、今度は長男のものにする。」だとか複雑な設計が可能になります。もちろん、個別のケースでは色々と検証することは出てくるとは思いますが・・・。まずは「実現したい状態」を明確にさせ、そのために信託がふさわしければ活用を検討してみるべきかと思います。

今日一日凄い雨ですね。外回りの営業の方や、小さいお子さんを連れて夕飯の買い出しにいく方など大変だと思います。寒いので風邪などひかないようにお気をつけください。

下北沢司法書士事務所 竹内友章

 

権利証を無くしたとき

2017-03-11

不動産売買の際に必要になる登記識別情報。売主様が対象不動産を手に入れた時期によっては登記済証(権利証)です。とても大事な書類とは分かっていながら、紛失してしまうことがあると思います。引っ越しのタイミングで紛失してしまう方が多いかもしれません。ではこの登記識別情報若しくは権利証が無い場合、どうしたらいいのか?いくつか方法がありますが、もっともよくつかわれるのが司法書士がご本人確認情報を作成し、それを登記識別情報に代用する方法です。司法書士が「この方は間違いなく不動産の名義人ご本人で、今回の取引で買主様に不動産を譲渡する意思があります」ということを司法書士が法務局に証明するようなイメージですね。このように登記識別情報、権利証を紛失しても対処法はありますが、やはり大切に保管したいものです。

 

下北沢司法書士事務所 竹内友章

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