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相続の感情的対立、司法書士が「中立」で解決する心のケア

2025-11-28

相続は手続きにあらず。感情が手続きを止めてしまう現実

「相続」と聞くと、多くの方は役所での書類集めや法務局への登記申請といった、いわゆる「手続き」を思い浮かべるかもしれません。しかし、当然のことですが実際に手続きを取る前に、どいいう手続きをとるかが決まらなくてはなりません。

「書類に実印を押してくれと頼んだだけなのに、昔の話を持ち出されて一方的に電話を切られてしまった」「疎遠だった親戚から、突然、強い口調でなにか叱責され、何を言ってるか分からないしどうしていいか分からない」

このように、法的な手続き以前に、相続人間の感情的なしこりが大きな壁となり、話し合いが一歩も進まなくなってしまうケースもあります。

この記事を読んでくださっているあなたも、今まさにそうした状況で、先の見えない不安や、やり場のない憤り、そして深い心の疲れを感じているかも知れません。

。この記事では、なぜ相続で感情的な対立が起きてしまうのか、その心のメカニズムを解き明かし、私たち司法書士が、特に「中立な立場」だからこそできる心のケアと、具体的な解決への道筋について、実例を交えながら丁寧にご説明します。一人で抱え込まず、まずは心を少し軽くするつもりで読み進めてみてください。

なぜ話し合いが進まない?感情的対立を生む心のメカニズム

相続の話し合いがこじれる原因は、単純な「欲」だけではありません。その根底には、もっと複雑で根深い、一人ひとりの人間らしい感情が渦巻いています。この見えない感情の正体を理解することが、解決への第一歩となります。

「お金」だけが問題ではない、相続に隠された本当の感情

遺産分割協議の場で、「1円でも多く欲しい」「この不動産は絶対に私がもらう」といった主張がぶつかり合うと、表面的には「お金」や「財産」の奪い合いに見えます。しかし、その言葉の裏には、しばしば次のような感情が隠されています。

  • 承認欲求:「親の介護を一番頑張ったのは私なのに、誰もその苦労を分かってくれない」
  • 不公平感:「兄だけ大学に進学させてもらった。自分は我慢してきたのだから、その分を考慮してほしい」
  • 愛情の確認:「生前、父は私のことをどう思っていたのだろうか。財産の分け方で、自分への愛情を測りたい」
  • 過去へのこだわり:「子供の頃、いつも姉ばかりが可愛がられていた。あの時の悔しさを晴らしたい」

これらの感情は、お金という分かりやすい指標に置き換えられて噴出します。つまり、相続人の方々は、お金が欲しいのではなく、お金を通じて「自分の存在を認めてほしい」「これまでの貢献を評価してほしい」「親からの愛情を確かめたい」と、心の奥底で叫んでいるのです。この「本当の気持ち」に気づかずに、法律論や正論だけで相手を説得しようとしても、火に油を注ぐだけになってしまいます。

疎遠な関係がさらに問題を複雑化させる

特に、相続人同士の関係が疎遠であった場合、そもそも相手と連絡が取れないことも問題になります。そして、何年も、あるいは何十年も会っていなかった兄弟姉妹や甥姪と、突然、亡くなった方の財産について話し合わなければならないのです。

普段からコミュニケーションが取れていないため、相手が今どんな生活をしていて、何を考えているのか全く分かりません。そのため、ささいな言動にも「何か裏があるのではないか」「自分を騙そうとしているのではないか」と疑心暗鬼に陥りやすくなります。

また、久しぶりの連絡が「相続」というお金の絡むデケートな話題であるため、相手も強い警戒心を抱きます。意外と多いケースが「借金を押し付けようとしているのではないか」と勘違いされること。共同相続人の方もほとんど知らない人は亡くなったからと言ってその相続財産を取得したと思う方ばかりでなく、むしろ突然の連絡にそのまま応じて、実は借金などを背負ってしまうのでは無いかと想像する方も多いように感じます。

感情的に対立する相続人と、中立な立場で間に入る司法書士のイメージ。

司法書士の「中立性」が、こじれた感情を解きほぐす鍵

「相続で揉めたら弁護士」と考える方が多いかもしれません。しかし、感情的な対立が根深いケースでは、私たち司法書士の「ある特性」が、問題解決の意外な鍵となることがあります。それは、法律上、弁護士さんは依頼者の「代理人」となって他の相続人と交渉することができますが、司法書士は交渉することができないこと。この交渉「できない」ことが実は司法書士の強みになります。

弁護士さんと司法書士の違い

弁護士さんと司法書士の最も大きな違いは、相続における立ち位置です。

もし、あなたが弁護士さんに依頼すれば、その弁護士さんはあなたの主張を代弁し、相手方と戦ってくれるでしょう。それが仕事ですし、戦わなければ依頼者であるあなたからお叱りを受けてしまうかも知れません。しかし、相手は弁護士さんから連絡がきたというだけで怖いですし構えます。もちろん司法書士とのやりとりも警戒感はあるでしょうが、弁護士さんと比較の上ではまだそこまで強い警戒ではないことが多いと思います。

話を聞く専門家が「心の安全地帯」を作る

人が心を閉ざしている時、最も必要なのは「反論せずに、ただ話を聞いてもらえる場」だと思います。です。私は、相手の話を話を聞くことを重要視しています。

ここが弁護士さんではやりにくい部分です。もちろん弁護士さんも話は聞きますが、それがあなたの意見と合わない場合、代理人なだけにあなたの立場にたって相手と交渉するのが仕事です。

しかし時として交渉よりも「傾聴」が効果を発揮することもあります。この「傾聴」は交渉ができない司法書士の方が実はやりやすいと考えております。

「これまで誰にも言えなかった親への想い」「他の兄弟に対する積年の不満」「自分の人生の辛かった出来事」…。そうした胸の内を第三者に吐き出すことで、ご自身の感情が整理され、心が少しずつ落ち着いていく「カタルシス効果」が生まれます。

私は、その方の主張を頭ごなしに否定したり、「法律ではこうなっています」と正論を強い言葉で押し付けたりはしません。まずは「そう思っていらっしゃったのですね」「お辛かったですね」と、その方の感情そのものを、ありのままに受け止めます。何を言っても否定されない、評価されない。そうした安心感が、硬直した心の扉をゆっくりと開いていくのです。

【解決事例】傾聴が心の壁を溶かし、協力へと導いたケース

ここで、私が実際に経験したある相続の事例を、当事者の書面による同意を得た上で、個人が特定されない形でご紹介します。まさに、司法書士の「中立性」と「傾聴」が、膠着した状況を打開するきっかけとなったケースです。

ご依頼は、配偶者を亡くされた奥様からでした。お二人の間にお子様はおらず、ご主人は遺言書も残していませんでした。そのため、法律上の相続人は、奥様と、ご主人のご兄弟、そして既に亡くなっているご兄弟のお子様(甥・姪)でした。その多くは、ご依頼者様とはほとんど面識のない方々でした。

戸籍を辿って相続人全員を確定し、私から皆様にお手紙と電話でご連絡を差し上げました。ほとんどの方はご協力いただけたのですが、相続人のうちのお一人から、強い拒絶の連絡が入りました。

「協力するつもりはない。私には言い分がある」

電話口で、その方は固く心を閉ざしておられました。そこで私は、まずはお会いしてお話を伺うことにしました。ご自宅を訪問した際、私は繰り返しこうお伝えしました。

「誰か特定の人の肩を持つこともありませんので、どうか、あなたのお気持ちをありのままに聞かせていただけませんか」

最初は警戒されていたその方も、私のスタンスを理解してくださったのか、少しずつ、ぽつり、ぽつりと胸の内を語り始めてくださいました。お話の内容は、相続財産が欲しいというものではありませんでした。それは、亡くなったご主人、つまりご自身の兄弟に対する、幼少期からの複雑な感情でした。

「親はいつも兄ばかりを可愛がり、自分はないがしろにされてきた。ずっと心に棘が刺さったままだった」

事実がどうであったかは、私には分かりません。しかし、重要なのは、その方が長年にわたってそう感じ、深く傷ついてこられたということです。私はただ、相槌を打ちながら、その方の言葉に静かに耳を傾け続けました。

お話が一段落したとき、私は一言だけお伝えしました。

「それは、本当にお辛かったと思います。今日はお話をお聞かせいただいて、本当にありがとうございました」

その日は、それだけでお話を終えました。すると数日後、その方からお電話があり、「先日はいろいろと聞いてくれてありがとう。相続手続き、協力します」とのお返事をいただくことができたのです。

心の負担を抱えるあなたへ。司法書士ができる最初の一歩

他の相続人とどのように話をしていくか迷っている時、いきなり相手と話そうとしない方が良いかも知れません。まずは、専門家という「壁打ち相手」を見つけ、ご自身の気持ちや段取りを整理することから始めるのです。

当事務所は不動産の相続登記をはじめ、銀行手続きや証券会社での手続きなど相続手続きのご相談を承っております。エリアも事務所のある世田谷区をはじめ、東京23区(墨田区、江東区、北区などでもご依頼実績があります。)、調布市や小平市、吉祥寺などの東京都下・横浜、相模原、川崎、柏など首都圏からのご依頼も承っております。どうぞお気軽に電話やお問合せフォームでご相談ください。


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外出困難な方の相続手続き代行|司法書士がご自宅で支援

2025-11-27

「体が思うように動かない…」相続手続き、諦めていませんか?

大切なご家族が亡くなられた悲しみの中、待ったなしで始まるのが相続の手続きです。
しかし、いざ手続きを進めようにも、「体が思うように動かず、銀行や役所の窓口まで行くのが難しい」「複雑な書類を前にすると、頭が痛くなってしまう」「何度も足を運ぶことを考えると、途方に暮れてしまう」…。
そうしたお悩みから、手続きを先延ばしにされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

お一人で抱え込む必要は、まったくありません。ご高齢であったり、お体の調子が悪かったりすると、煩雑な相続手続きをご自身で進めるのは、心身ともに大きなご負担となります。大切なのは、ご無理をなさらないことです。

この記事では、外出が難しい方でも、ご自宅にいながら専門家のサポートを受けて、安心して相続手続きを完了できる方法について、丁寧にご説明します。この記事を読み終える頃には、きっと目の前の霧が晴れ、次の一歩を踏み出すための道筋が見えてくるはずです。どうぞ、肩の力を抜いて読み進めてくださいね。

ご自宅で完結。司法書士による訪問サポートとは

スーツ姿の司法書士が依頼者の自宅玄関を訪問し、サポートを開始するシーン。

「専門家に頼みたいけれど、事務所まで出向くのが大変…」
そのようなご心配は無用です。私たち司法書士は、ご依頼者様のご自宅まで直接お伺いし、相続に関するあらゆる手続きを代行する「訪問サポート」を行っています。

原則としてご自宅で対応できる手続きが多く、預貯金の解約や不動産名義変更などを代行いたします。ご高齢の方や、お体の不自由な方、遠方にお住まいのご家族にとっても、心強い味方となれるサービスだと考えております。

ご相談から完了まで、ご自宅で。具体的なサポートの流れ

「自宅で完結する」と言っても、具体的にどのように進むのか、ご不安に思われるかもしれません。一般的なサポートの流れは以下のようになります。

  1. お電話やメールでの初回ヒアリング
    まずはお電話やお問い合わせフォームから、お困りの状況をお聞かせください。どのような手続きが必要か、現状を丁寧にお伺いします。
  2. 司法書士のご自宅訪問・お打ち合わせ
    お伺いした内容をもとに、司法書士が直接ご自宅へお伺いします。ご用意いただいた資料などを拝見しながら、手続きの全体像や今後の流れについて、分かりやすくご説明いたします。ご不明な点は、何でもお尋ねください。
  3. 必要書類へのご署名・ご捺印
    当事務所で収集・作成した委任状などの必要書類に、ご自宅でご署名とご捺印をいただきます。書類の準備はすべてこちらで行いますので、ご負担はありません。
  4. 金融機関等での手続き代行
    ご依頼者様からお預かりした書類をもとに、司法書士が金融機関や役所、法務局などに出向き、預貯金の払い戻しや相続登記を代行いたします。
  5. 完了報告と財産のお引き渡し
    すべての手続きが完了しましたら、改めてご自宅へお伺いし、解約した預貯金や手続き完了の証明書類などをお届けするとともに、詳細なご報告をいたします。

このように、ご相談から完了まで、すべてのステップをご自宅で進めることができますので、どうぞご安心ください。

遠方のご家族も安心。テレビ電話での進捗報告にも対応

「親のことは心配だけれど、遠くに住んでいるため、すぐには駆けつけられない」
ご依頼者様のお子様など、遠方にお住まいのご家族が、そのようにご心配されるケースも少なくありません。

遠方のご家族への報告は、ご希望に応じて、電話・メール・オンライン会議等で進捗をご共有します。もちろん、ご家族からのご質問や進め方に対するご要望などにも対応します。できる限り、ご家族の方の要望にも応えていきます。

このように関係者の皆様が納得し、安心して手続きをお任せていただけることを目指しています。

お体の悪い方の相続手続きエピソード「携帯電話の解約」

相続手続きというと、多くの方が銀行預金や不動産を思い浮かべるかもしれません。しかし、意外なところで手続きが難航し、面倒に思う方が多いのが「携帯電話の解約」です。

【実例】外出困難な方の携帯解約を粘り強くサポートした事例

以前、ご高齢の方からご相談を受けた時のことです。その方は、非常にお辛いことですが一人娘様に先立たれてしまいました。ご年齢から足腰にご不安があり、外出もままならず、もちろんインターネットを使った手続きなども難しい状況でした。

私はまずご自宅へお伺いし、銀行口座の解約や不動産の相続登記に必要な書類を整えるお手伝いをしました。しかし、この方にはもう一つ、大きな課題が残されていました。それが、亡き娘様が使っていたスマートフォンの解約手続きです。

携帯会社の対応は、想像以上に困難なものでした。法律的に正当で、銀行などでは何の問題もなく通用する委任状があっても、「本人でなければ手続きできない」の一点張り。銀行などは民法を分かっているし代理人手続きに慣れていますが、携帯会社には民法で正当な行為も通用しないのが現実でした。普段であれば、携帯会社の販売店にご本人に同行してポートするのですが、今回はご本人の体力的なご負担を考えると、それもためらわれました。

まずはコールセンターに電話をかけました。複雑な音声ガイダンスを何度も聞き、長時間待たされた末にようやく繋がったオペレーターに事情を説明すると、返ってくるのは「本人から連絡をもらうか、公証役場で作成した正式な任意代理契約書を提出してください」という機械的な回答でした。携帯電話の解約のためだけに、時間も費用もかかる書類を一から作成するのは、あまりにも現実的ではありません。委任状があることを説明しても取り合ってくれません。銀行や証券会社では通用する、民法で定められた委任契約に基づく委任状について、理解を得られませんでした。

私は困りながらも、「責任者の方とお話しさせてほしい」と粘り強く交渉しました。そして後日、責任者の方から折り返しのお電話をいただき、「司法書士であるあなたの隣に、相続人であるご本人がいらっしゃることが確認できれば、電話での手続きに応じます」という言質を得ることができたのです。

私はすぐにご依頼者様と日程を調整し、再びご自宅を訪問。ご依頼者様と一緒に電話口で担当者と話し、解約に必要な書類をご自宅へ郵送してもらう約束を取り付けました。さらに後日、書類が届いたタイミングで三度目の訪問をし、一緒に書類を記入して郵送。こうして、ようやく携帯電話の解約を無事に完了させることができたのです。

一件一件のご依頼に、ここまで時間をかけ、ご自宅に何度も足を運ぶのは、非効率かもしれません。しかし、目の前でお困りの方が心から安堵される姿を拝見すると、この仕事の意義を改めて感じます。法的手続きの代行・助言に加え、心理的な面にも配慮しながら業務を進めます。

不動産の相続登記もまとめてお任せください

司法書士が不動産の相続登記に必要な権利証を確認している専門的な場面。

相続財産に土地や建物といった不動産が含まれている場合、その名義を亡くなった方から相続人へ変更する「相続登記」という手続きが不可欠です。

2024年4月1日から法律が変わり、この不動産の名義変更(相続登記)が義務化されました。この改正により、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務付けられ、正当な理由なく手続きを怠ると、10万円以下の過料が科される可能性もあります。そのため、預貯金などの手続きとあわせて、忘れずに行わなければなりません。

預貯金の解約から不動産の名義変更まで、相続手続きの多くについてワンストップで対応します。

参考:【法務省/相続登記の義務化】不動産を相続したらかならず …

心に寄り添う司法書士が、あなたの不安を解消します

相続手続きは、法律や書類と向き合うだけの、冷たい作業ではありません。その背景には、大切な方を失った悲しみや、将来への不安など、様々な感情が渦巻いています。

当事務所代表は民間の上級心理カウンセラー資格を有しており、法律相談に加えて心理面での配慮を心がけています。当事務所が目指すのは、単なる手続きの代行業者ではありません。法律の専門家として最適な解決策をご提案するのはもちろんのこと、皆様が抱える不安や辛さにも真摯に耳を傾け、心に寄り添う「パートナー」でありたいと願っています。

手続きの煩わしさから解放されるだけでなく、心の平穏を取り戻し、新たな一歩を踏み出すためのお手伝いができれば幸いです。

「何から手をつけていいか分からない」「まずは話だけでも聞いてほしい」そういう方はぜひお気軽にご相談ください。初回のご相談は無料です。

どうぞ、お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください(無料相談)

相続の銀行手続きが辛い方へ。心の負担を軽くする専門家の代行

2025-11-26

大切な方を亡くされた今、銀行手続きは辛くありませんか?

大切なご家族を亡くされ、深い悲しみの中にいらっしゃる今、心からお悔み申し上げます。
まだ現実を受け止めきれず、心が追いつかない中で、相続という言葉が重くのしかかっているのではないでしょうか。

特に、銀行での相続手続きは、その一つひとつが心をえぐるような作業に感じられるかもしれません。故人様が大切にされていた通帳を手に、事務的な書類の山を前にする。淡々と進められる手続きの中で、何度も故人様の死を突きつけられる…。

大切な方を亡くされて間もない方であったら、酷な時間だと思います。

もし今、あなたが「とてもじゃないけど、そんな手続きはできない」と感じているのなら、それはあなただけが特別弱いわけではありません。そういう方はたくさんいらっしゃいます。
何よりもまず、ご自身の心を大切にしてください。

この記事は、単なる手続きの解説書ではありません。あなたのその辛いお気持ちに寄り添い、心の負担を少しでも軽くするためのお手伝いができれば、という想いで綴っています。どうか、お一人で抱え込まないでくださいね。

事務的な対応がさらに心を傷つける…実際にあったご相談

「自分では、もう無理だと思いました…」

あるご相談者様から、このようなお悩みが寄せられたことがありました。その方は、ご親族を亡くされた深い喪失感の中にいらっしゃいました。お話されるのも辛そうなご様子で、言葉を選ぶように、ゆっくりと経緯を教えてくださったのです。

相続について何か聞かなければと、勇気を振り絞って銀行に電話をされたそうです。返ってきたのは、事務的な、淡々とした声でした。

銀行員にとって、相続手続きは日常業務の一つなのかもしれません。ですが、深い悲しみの渦中にいる相談者にとって、その機械的な対応は、まるで自分の気持ちがないがしろにされたように感じられ、さらに深く心を傷つけました。

そして、追い打ちをかけるような出来事が起こります。電話口で「名義人が亡くなった」と伝えた、ただそれだけで、銀行は一方的に故人様の口座を凍結してしまったのです。

「クレジットカードの引き落としがあるので、待ってもらえませんか」

そう懇願しても、ルールだからと聞き入れられることはありませんでした。おそろしいことに銀行は、電話で名義人が亡くなったことを知っただけで口座を止めてしまいます。死亡届や戸籍など亡くなったことを確認できる書類の提出を待ちません。

もし平時であれば「仕方ない」と受け止められたかもしれません。しかし、ただでさえ張り詰めていた心の糸が、この一連の出来事でぷつりと切れてしまったのです。

ご自身の悲しみと、世の中の事務的な対応との大きなギャップ。その中で「もう自分一人では対応できない」と、当事務所の扉を叩いてくださいました。この経験は、私たちが手続きの代行だけでなく、相談者様の心に寄り添うことの重要性を再認識するきっかけとなった、忘れられないご相談の一つです。

なぜ銀行の相続手続きは、これほどまでに辛いのか

多くの方が銀行の相続手続きで感じる辛さは、単に「手続きが面倒」という言葉だけでは片付けられません。そこには、悲しみの中にいる方の心をさらに追い詰める、いくつかの心理的な要因が潜んでいます。

通帳やカードといった故人様に関わる品々が、ただの「相続財産」として扱われることへの違和感。悲しむ時間さえ奪われるような、手続きの期限に追われる焦り。そして、誰にもこの辛さを理解してもらえないという孤独感…。これらが複雑に絡み合い、大きな精神的負担となってしまうのです。

「凍結」というスタンプが押された銀行通帳。相続手続きにおける口座凍結が引き起こす不安を表現している。

突然の「口座凍結」が引き起こすパニックと不安

多くの方が最初に直面する大きな壁が「口座凍結」です。
一般に、金融機関は名義人の死亡が確認されると入出金を停止することがほとんどです。口座の入出金停止は、相続関係の確認や法的責務の履行、防止のために行われることが多く、口座凍結を行うことによってて相続人間のトラブル防止に繋がるというのが、銀行の考えだと思います。

しかし公共料金や家賃、クレジットカードの引き落としが突然止まってしまったら? 故人様の口座から生活費を得ていた場合、生活費も故人の口座から支出していた場合、当面の生活にも支障をきたすかも知れません。

こうした不安が、悲しみに暮れる心をさらにかき乱します。口座が凍結されると、それを解除するためには、一般的には戸籍や相続関係を確認する書類が必要であり、金融機関ごとに求められる書類が異なります。具体的な必要書類は事前に確認の上、ご案内します。

何度も同じ説明を…心がすり減る金融機関の「縦割り対応」

故人様が複数の金融機関に口座を持っていた場合、その苦労はさらに増します。
銀行A、銀行B、証券会社、保険会社…それぞれの窓口で、一から同じ手続きを繰り返さなければなりません。

そのたびに、あなたは「いつ、誰が、どのように亡くなったのか」という、思い出すのも辛い事実を何度も、何度も、見ず知らずの担当者に説明しなくてはならないのです。

毎回、気持ちを奮い立たせて窓口へ向かい、同じ書類を提出し、同じ説明をする。この繰り返しは、少しずつ、しかし確実に心をすり減らしていきます。「もう、誰かに全部任せてしまいたい」…そう思われるのは、ごく自然なことなのです。

ご安心ください。心のケアを最優先する司法書士がいます

手続きの一部を専門家に委任することで負担が軽くなることがあります。費用や対応範囲、期間については初回相談時にご説明します。

下北沢司法書士事務所は、単に手続きを代行するだけではありません。代表司法書士は司法書士のほか、特定非営利活動法人日本カウンセリング普及協会による上級心理カウンセラー資格を取得しています。だからこそ、法的なサポートと心のケアの両面から、あなたを支えることができるのです。

私たちの役目は、事務的負担を軽減することで、故人様を偲ぶ時間を確保できるよう努めること。そのために、私たちは傷つけない対応を心がけ、寄り添って支援いたします。

相談者の話に優しく耳を傾ける司法書士。心理カウンセラーとして心に寄り添う姿勢を象徴している。

お話中に泣き出しても大丈夫。まずは気持ちをお聞かせください

ご相談にいらっしゃる方の中には、お話の途中で言葉に詰まったり、涙が溢れてしまったりする方も少なくありません。また、あまりのショックに体が震えてしまう方もいらっしゃいます。
どうぞ、何も心配なさらないでください。多くのご相談を受けてきた経験から、そうした状況にも落ち着いて対応いたします。

急かしたり、無理にお話を聞き出そうとしたりはしません。あなたがご自身のペースで、安心して気持ちを吐き出せることを目標としています。今の辛いお気持ちから、ゆっくりとお聞かせいただけませんか。

口座凍結のタイミングも一緒に考えます

「一般に、名義人の死亡が金融機関に通知されると入出金が停止されることが多いですが、具体的な取扱いは金融機関によって異なります。状況に応じた対応方法をご相談のうえご案内します。」
一方的に手続きを進めることはありません。まずは、クレジットカードの引き落とし日や、家賃の支払いなど、生活に関わるお金の動きを見ながら一緒に考えましょう。

銀行・証券会社も。窓口でのやり取りはすべてお任せ

司法書士は、登記申請や戸籍収集、金融機関窓口での手続きのサポート等、当事務所が対応できる相続関連業務を代行します。
戸籍謄本の収集、遺産分割協議書の作成、金融機関との窓口対応など、当事務所で対応可能な範囲の手続きを代行します。対応範囲については事前に明示し、ご相談の上で進めます。

当事務所で対応可能な範囲の事務的手続きを代行し、負担軽減に努めます。残る手続きや必要書類については事前にご説明します。

手続きの負担から解放され、心穏やかな時間を取り戻すために

相続手続きは、故人様が遺してくれた大切な財産を、次の世代へと繋ぐための重要なプロセスです。しかし、それが、故人様を偲ぶあなたの大切な時間を奪い、心を傷つけるものであってはならないと、私たちは強く信じています。

専門家に任せることは、決して特別なことではありません。
それは、あなたが精神的な負担から解放され、ご自身の心と体を労り、そして、故人様との思い出に静かに向き合うための時間を確保するための、賢明な選択です。

もし、たったお一人でこの重荷を抱え、途方に暮れているのなら、どうか一度、私たちにお話をお聞かせください。法律の専門家として、そして心の専門家として、あなたの隣で、一緒にその課題と向き合うパートナーでありたいと願っています。

まずは無料相談(初回30分)でお話をお聞かせください

エリアも事務所のある世田谷区だけでなく城南エリアや北区や江東区などの23区全般、小平市などの東京都下や神奈川、埼玉、千葉など首都圏の方から多くご依頼をいただいております。遠いと感じられる方もお気軽に電話やメールでお問合せ下さい!

不動産なしの相続手続きも司法書士へ。遺産承継を解説

2025-11-25

「不動産がないから…」と、一人で悩んでいませんか?

「相続といえば、不動産の名義変更。うちは実家も不動産がないから、相談してもとりあってくれないな。」

大切なご家族が亡くなられた悲しみの中で、このように考え、一人で手続きを進めようとされている方はいらっしゃいませんか。確かに、司法書士の主な業務の一つに不動産の相続登記(名義変更)があるのは事実です。しかし、不動産がないからといって、相続手続きが簡単というわけでは決してありません。

故人様が遺された預貯金や株式などの金融資産。これらの手続きを進めようと金融機関の窓口へ行くと、「亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本一式と、相続人全員の戸籍謄本、それから遺産分割協議書をご用意ください」といった説明を受けることがほとんどです。

普段見慣れない戸籍謄本を何通も集め、複数の金融機関ごとに異なる書類に記入し、他の相続人にも署名や実印の押印をお願いする…。想像しただけでも、その道のりの長さに気が遠くなるかもしれません。

この記事では、不動産がない場合の相続手続き、特に預貯金や株式の解約・名義変更といった「遺産承継業務」について、司法書士がどのようにお役に立てるのかを、分かりやすく解説していきます。一人で抱え込まず、専門家の力を借りるという選択肢があることを知っていただけたら幸いです。

たくさんの銀行通帳や書類を前に、頭を抱える中年の人物。不動産がない相続でも手続きが煩雑であることを表している。

不動産がなくても相続手続きは大変。司法書士の出番です

「司法書士は不動産登記の専門家」というイメージから、不動産がない相続手続きのご相談をためらわれる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、そんなことは全くありません。むしろ、預貯金や株式といった金融資産の相続手続き(遺産承継業務)で、私たち司法書士を頼ってくださる方は非常に多いのです。

金融機関での手続きは、思いのほか骨が折れる作業です。銀行や証券会社ごとに独自の書式があり、相続人全員の署名と実印での押印を求められるケースも少なくありません。相続人の中に遠方にお住まいの方や、少し疎遠になっている方がいると、書類のやり取りだけでも大変なご負担になります。

当事務所は、戸籍収集や書類作成、金融機関への提出代行など、依頼を受けた範囲の手続きを代理して行うことができます。具体的には、以下のようなサポートが可能です。

  • 相続人を確定させるための戸籍謄本の収集
  • 相続財産の調査(残高証明書の取得など)
  • 相続人全員の合意内容をまとめた「遺産分割協議書」の作成
  • 金融機関所定の書類への記入・提出代行
  • 解約された預貯金の受け取りと、相続人様への分配

もし相続税の申告が必要で、税理士の先生から「残高証明書や取引履歴を取得してください」と依頼されたけれど、どうすればよいか分からない…という場合もご安心ください。必要書類の収集も私たちがお手伝いします。相続人様の代理人として、金融機関とのやり取りから実際の入金まで、責任をもってサポートいたします。

凍結された銀行口座の解除、どう進める?

ご家族が亡くなったことを金融機関が知ると、その方の名義の口座は不正な引き出しなどを防ぐために「凍結」されます。これにより、入出金はもちろん、公共料金の引き落としなども一切できなくなります。

この凍結を解除し、預貯金を受け取るための基本的な流れは以下の通りです。

  1. 金融機関への連絡と必要書類の確認: まずは取引のあった金融機関に連絡し、相続が発生した旨を伝えます。そこで、手続きに必要な書類のリストや、その金融機関専用の申請書類を受け取ります。
  2. 必要書類の収集: 故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本や、相続人全員の現在の戸籍謄本、印鑑証明書などを収集します。これが最も時間と手間のかかる部分です。
  3. 遺産分割協議書の作成: 相続人全員で遺産の分け方を話し合い、合意した内容を書面(遺産分割協議書)にします。全員が署名し、実印を押印します。
  4. 書類の提出と手続き: 収集した書類一式と遺産分割協議書、金融機関所定の申請書を窓口に提出します。書類に不備がなければ、後日、指定した口座に解約金が振り込まれます。

言葉にするとシンプルに見えるかもしれませんが、各ステップで専門的な知識が求められたり、何度も役所や金融機関に足を運んだりする必要があり、お仕事や家事で忙しい方にとっては大きな負担となり得ます。

銀行の窓口で手続きをしている様子。銀行口座の凍結解除には専門的な手続きが必要なことを示している。

株式や投資信託の手続きも忘れずに

故人様が株式や投資信託をお持ちだった場合、銀行預金とは別に、証券会社での手続きが必要になります。これもまた、専門的な知識が求められる手続きです。

手続きの基本的な流れは預貯金と似ていますが、以下のような特有の点があります。

  • 証券会社ごとのルール: 複数の証券会社に口座があった場合、それぞれで手続きが必要です。必要書類や書式も異なります。
  • 相続人名義の口座開設: 株式などを相続する場合、原則として、相続人自身がその証券会社に口座を開設する必要があります。
  • 銘柄の移管手続き: 故人の口座から、相続人の口座へ株式などを移す(移管する)ための手続きを行います。

特に、どんな株を持っているか分からなかったりどの証券会社に口座があるか分からなかったりするケースもあります。そういう場合は、郵便物を手掛かりに調べる・ほふり(証券保管振替機構)に問い合わせる・配当金などを管理している信託銀行に対して保有している銘柄の調査をするなどの手段で調べていきます。株の手続きは思いのほか仕組みが複雑で数社が関係することも多く、、辟易として途中で挫折してしまう方も少なくありません。

手続きを効率化する「法定相続情報証明制度」とは?

相続手続きでは、たくさんの戸籍謄本を集める必要があります。そして、銀行A、銀行B、証券会社C…と、手続き先ごとにその戸籍謄本の束を提出し、確認してもらい、返却してもらう、という作業を繰り返さなければなりません。これは非常に手間がかかり、時間も要します。

この煩わしさを解消してくれるのが、法定相続情報証明制度です。これは、法務局に戸籍謄本一式を提出し、「誰が相続人であるか」を証明する公的な書類(法定相続情報一覧図の写し)を発行してもらう制度です。

参考:「法定相続情報証明制度」について – 法務局 – 法務省

戸籍の束が1枚の証明書に。金融機関の手続きが楽になる

この制度の最大のメリットは、一度「法定相続情報一覧図の写し」を取得すれば、その後の金融機関での手続きでは、分厚い戸籍謄本の束の代わりに、そのA4用紙1枚を提出するだけで済む点です。

例えば、5つの金融機関で手続きが必要な場合を考えてみましょう。

  • 従来の方法: 5回、戸籍謄本の束を持ち歩き、提出・返却を繰り返す必要があります。待ち時間も長く、紛失のリスクも伴います。
  • 制度を利用した場合: 法定相続情報一覧図の写しを5通発行してもらえば、各金融機関に同時に提出でき、手続きを並行して進めることが可能です。これにより、手続きにかかる時間が大幅に短縮されます。

特に、相続財産の種類が多く、手続き先が複数にわたる場合に、この制度は絶大な効果を発揮します。

分厚い戸籍謄本の束と、1枚の法定相続情報一覧図の写しを比較した画像。法定相続情報証明制度の利便性を視覚的に伝えている。

司法書士が作成を代行。あなたは本来のやるべきことに集中

「法定相続情報一覧図」を作成するには、収集した戸籍謄本を正確に読み解き、家系図のような図にまとめる必要があります。古い戸籍は手書きで読みにくかったり、法律の知識がないと正しく相続関係を把握するのが難しかしいです。

私たち司法書士にご依頼いただければ、この専門的で煩雑な書類作成もすべて代行いたします。戸籍の収集から一覧図の作成、法務局への申請、そしてその後の金融機関での手続きまで、一貫してサポートが可能です。

面倒な手続きは専門家に任せることで、確実に法定相続情報などを完成させる。その上であなたは故人を偲ぶ時間を大切にしたり、ご家族と今後のことをゆっくり話し合ったりと、本来やるべきことに集中することができます。手続きのストレスから解放され、心穏やかに過ごすためのお手伝いをさせていただくこと。それも私たちの重要な役割だと考えています。

当事務所の遺産承継サポートの流れ

実際に当事務所にご依頼いただいた場合、どのような流れで進むのかご案内いたします。ご相談者様の不安を少しでも取り除けるよう、透明性のあるサービスを心がけています。

①ご相談から②業務完了までのステップ

ご依頼後の基本的な流れは以下の通りです。各ステップで丁寧にご説明し、ご納得いただきながら進めてまいりますので、ご安心ください。

  1. 無料相談: まずは、お電話またはお問い合わせフォームからご予約ください。ご状況を詳しくお伺いし、今後の流れや必要となる手続き、費用のお見積りについてご説明します。
  2. ご契約・業務開始: ご提案内容にご納得いただけましたら、委任契約を締結します。ここから、本格的に業務を開始いたします。
  3. 戸籍収集・相続人調査: 当事務所が、故人様や相続人様の戸籍謄本などを職権で収集し、相続人を確定させます。
  4. 財産調査・目録作成: 金融機関に照会をかけ、預貯金の残高証明書や株式の評価証明書などを取得し、財産目録を作成します。
  5. 遺産分割協議書の作成: 相続人の皆様で合意された内容に基づき、当事務所が遺産分割協議書を作成します。皆様にご署名・ご捺印をいただきます。
  6. 金融機関での手続き代行: 当事務所が代理人として、各金融機関で預貯金の解約や株式の名義変更手続きを行います。
  7. 財産のお引き渡し・業務完了報告: 手続き完了後、解約された預貯金などをご指定の口座にお振込みし、詳細な業務完了報告書をお渡しして、すべてのお手続きが完了となります。

まとめ:心に寄り添い、煩雑な手続きからあなたを解放します

今回は、不動産がない場合の相続手続き、特に預貯金や株式の承継について解説しました。

  • 不動産がなくても、金融資産の相続手続きは戸籍収集や書類作成で非常に煩雑です。
  • 司法書士は、こうした預貯金や株式の相続手続き(遺産承継業務)に注力しています
  • 「法定相続情報証明制度」を活用すれば、手続きの時間と手間を大幅に削減できます。

相続手続きは、単に書類を集めて提出するだけの事務作業ではありません。その過程には、ご家族を失った悲しみや、将来への不安、他の相続人様への気遣いなど、様々な感情が伴います。

当事務所では、単に手続きを代行するだけでなく、上級心理カウンセラーの資格を持つ司法書士が、大切な人をなくした皆様のお気持ちに優しく寄り添うことを大切にしています。法的な問題だけでなく、心の負担も軽くし、皆様が安心して次のステップに進めるよう、丁寧に対応いたします。

「何から手をつけていいか分からない」「手続きが面倒で困っている」
そんな時は、どうか一人で悩まず、私たちにご相談ください。あなたのパートナーとして、一緒に最善の解決策を見つけていきます。

エリアも東京23区だけでなく、調布や府中、吉祥寺などの東京都下や神奈川・千葉・埼玉・茨城など首都圏で依頼実績があります。遠いかなと思われる方もぜひご相談ください。当事務所にご依頼いただいたことそのものが嬉しいので、最大限対応します。

まずは無料相談からはじめませんか?

相続不動産の売却で顔を合わせたくない!円満解決の専門家

2025-11-21

「相続人と顔を合わせたくない…」相続不動産の売却、諦めていませんか?

「相続した実家を売りたいけれど、他の相続人とは顔を合わせたくない…」

ご兄弟姉妹との間に長年の確執があったり、過去の出来事がきっかけで疎遠になってしまったりと、ご事情は様々かと存じます。相続した不動産、特に空き家となってしまったご実家をこのままにはしておけないと頭では分かっていても、関係の良くない相手と話し合いをすることを考えると、つい気が重くて行動に移せない。

不動産の売却には、相続人全員の協力が不可欠です。しかし、そのためには無理に顔を合わせ、心をすり減らす必要は全くありません。

この記事では、司法書士という法律の専門家が間に入ることで、他の相続人と一度も顔を合わせることなく、相続した不動産を円満に売却するための具体的な方法を、順を追って詳しく解説します。

当事務所の代表は、司法書士であると宅地建物取引士でもあります。手続きの専門家としてだけでなく、ご相談者様のお気持ちに寄り添うパートナーとなるため、上級心理カウンセラーの資格も取得しました。この複雑でデリケートな問題を解決するお手伝いができれば幸いです。もう一人で悩まずに、解決への第一歩を一緒に踏み出しましょう。

少し古びて放置された日本の空き家。相続問題が解決せず、管理されていない様子がうかがえる。

【実例で解説】顔合わせなしで相続不動産を売却したケース

ここでは、当事務所が実際にサポートさせていただいた事例をご紹介します。(※当該事例は依頼者の書面による同意に基づき、個人が特定できないよう内容を一部変更して掲載しております。)ご相談者様が抱える問題が、どのように解決されていったのか、ご自身の状況と重ね合わせてご覧ください。

ご相談の背景:疎遠な妹との間で放置された実家

ご相談者は、5年以上も空き家になっていたご実家のことで頭を悩ませていました。原因は、相続人である妹様との深刻な不仲。「妹と顔を合わせるくらいなら…」と、問題を先送りにする日々が続いていたのです。

しかし、ニュースで空き家問題が社会問題化していることを知り、「このままではいけない」と一念発起。インターネットで当事務所を見つけ、ご相談にいらっしゃいました。

解決への道のり:司法書士が架け橋となる

私が「妹さんと一度も顔を合わせることなく、売却手続きを完了できますよ」とお伝えすると、ご依頼者は心から安堵されたご様子でした。

まず、私どもで妹様の現在の住所を調査し、私、司法書士竹内から一通のお手紙をお送りしました。内容は「お兄様がお実家を売却して、その代金を公平に分けることを望んでいます。もし妹さんも同じ考えなら、互いに顔を合わせずかつ公平にお2人に分かりやすい形で売却するお手伝いをします」。という趣旨です。後日、妹様から売却に同意するお返事が届きました。

その後、遺産分割協議書を作成しました。遺産分割協議書にも売却して現金で分けることを書き込み、協議書の解説文も作成しお2人に分かりやすいよう工夫しました。郵送にてご兄妹それぞれからご署名とご捺印をいただき、相続登記を申請。同時に、私どもで信頼できる不動産仲介会社を選定し、売却活動を開始しました。

売買交渉と契約

幸いにも複数の購入希望者が現れ、一番高い金額を提示してくださった方と交渉を進めることになりました。売買契約にあたり、当事務所が特にこだわったのは以下の2点です。

  1. 契約不適合責任の免除:売却後に建物の欠陥が見つかっても、売主であるご兄妹が責任を負わなくて済むようにする特約です。特に今回は売主のお2人が互いに連絡が取れないので、後からトラブルになっても対応が困難です。この懸念を払拭するために必要なことでした。
  2. 司法書士の売主指定:売買に伴う所有権移転登記も当事務所が担当することで、売主たるご依頼者と妹さんからの書類の取り付けがスムーズになり、売買の当事者全体に取ってストレスの無い手続きに貢献します。

これらの条件を不動産会社経由で買主様にご快諾いただき、契約書案が完成。契約の締結は、まず私が不動産会社の担当者と妹様のもとへ伺い、ご署名・ご捺印をいただきました。もちろん、その場にご依頼者であるお兄様はいらっしゃいません。後日、別の場所でお兄様と買主様にご署名・ご捺印をいただき、無事に契約は成立しました。

最後の瞬間まで、顔を合わせずに

最終の売買代金決済日までに、司法書士報酬や不動産仲介手数料などを差し引いた後の、ご兄妹それぞれの「最終的な手取り額」を明記した精算表を作成し、双方にご確認いただきました。決済当日、買主様から売買代金が振り込まれると、私はその足でご兄妹それぞれの口座へ送金手続きを行いました。妹様にはお電話で着金をご確認いただき、すべての手続きが完了。最後までご兄妹が顔を合わせることは一度もありませんでした。

長年の懸案事項だった空き家が、心の負担なく、そして公平な形で現金化できたことに、ご依頼者からは大変感謝のお言葉をいただくことができました。

司法書士が依頼者に書類の内容を丁寧に説明している手元のクローズアップ。専門家への信頼感を表している。

顔合わせ不要!相続不動産売却のワンストップ手続き 5ステップ

それでは、当事務所にご依頼いただいた場合の、ご相談から売却代金のお受け取りまでの具体的な流れを5つのステップでご紹介します。

ステップ1:ご相談と方針決定

まず、当事務所の無料相談をご利用ください。相続人の状況、不動産の詳細、そして何よりも「なぜ顔を合わせたくないのか」というお気持ちの背景を、時間をかけて丁寧にお伺いします。司法書士には守秘義務がありますので、どんなことでも安心してお話しください。お話を伺った上で、不動産を売却して現金で分ける「換価分割」という方法を軸に、顔合わせを完全に回避するための具体的な段取りとスケジュールをご提案します。

ステップ2:司法書士による他の相続人への連絡と調整

ご依頼者様が最もストレスを感じるであろう、他の相続人への連絡は、すべて司法書士が代行します。まずは中立的な立場から、専門家としてのご挨拶と、不動産売却のご提案を手紙でお送りします。感情的なやり取りを避け、あくまで事務的かつ公平に進めることで、相手方も冷静に検討しやすくなります。電話や手紙でのやり取りを重ね、全員の合意が得られるよう丁寧に調整を進め、遺産分割協議書を取りまとめます。

ステップ3:相続登記と売却活動の開始

相続人全員の合意が記された遺産分割協議書に基づき、まずは不動産の名義を相続人へ変更する「相続登記」の手続きを当事務所が代行します。この手続きは、相続人が多数・不明でも大丈夫!相続登記義務化の解決事例でも解説している通り、不動産を売却するための前提となる重要な手続きです。並行して、当事務所が提携する、空き家の売却を得意とする不動産会社と連携し、売却活動をスタートさせます。不動産会社から提示される査定価格や販売戦略についても、不動産実務経験者の視点から厳しくチェックし、ご依頼者様の利益を守ります。

ステップ4:売買契約の締結(持ち回り契約)

購入希望者が見つかり、条件がまとまれば売買契約を締結します。この際、相続人全員が一堂に会する必要はありません。「持ち回り契約」という方法を用います。これは、司法書士や不動産会社の担当者が、契約書を持って各相続人様のもとを個別に訪問し、ご説明の上で署名・押印をいただく方法です。これにより、契約という重要な場面でも、顔を合わせるストレスは一切ありません。

ステップ5:決済・代金分配と所有権移転登記

売却の最終ステップです。買主様から売買代金が支払われる「決済」も、司法書士が代理人として立ち会います。買主様からの入金を確認後、事前に皆様にご確認いただいた清算書に基づき、仲介手数料や税金などを差し引いた金額を、各相続人様の指定口座へ速やかに送金いたします。同時に、不動産の名義を買主様へ変更する「所有権移転登記」を申請し、すべての手続きが完了します。ご依頼者様は、ご自宅で完了の報告と入金をお待ちいただくだけです。

日本の住宅街にある家の前に「売却済」の看板が立っている。相続不動産の売却が無事に完了したことを示している。

司法書士に依頼する際の注意点

専門家への依頼をご検討される際に、知っておくべきポイントについてご説明します。

「不動産に強い」司法書士を選ぶべき理由

相続不動産の売却を依頼する場合、単に「司法書士」という資格だけで選ぶのは十分ではありません。ぜひ「不動産取引の実務に精通している司法書士」をお選びください。

なぜなら、売却プロセスには、登記の知識だけでは対応できない専門的な判断が数多く含まれるからです。

  • 売買契約書に、売主にとって不利な条項(例:過大な契約不適合責任)が含まれていないか?
  • 不動産会社が提示する売却価格や販売戦略は妥当か?
  • 解体や測量が必要な場合、その段取りはどう進めるか?相続手続きとどの程度平行させるか?

これらの点は、不動産業界の実務を経験していなければ、適切な判断が難しい領域です。当事務所の代表は、司法書士資格に加え、宅地建物取引士として不動産会社に勤務した経験があります。法律と不動産、両方の専門家の視点から、ご依頼者様の利益を最後まで守り抜くことに努めます。

不動産売却代金が入金された日本の銀行通帳。相続問題が解決し、金銭的な安心を得たことを象徴している。

まとめ:心の負担を軽くし、空き家問題を解決する第一歩を

「他の相続人と顔を合わせたくない」というお悩みは、決して特別なことではありません。そして、その感情的なストレスが原因で大切な資産である不動産を放置してしまうのは、非常にもったいないことです。空き家は時間と共に価値が下がるだけでなく、固定資産税や管理の負担、倒壊などのリスクも増大していきます。

下北沢司法書士事務所は、単に手続きを代行するだけではありません。不動産実務経験と心理カウンセラーの視点も活かし、ご依頼者様の心の負担を軽くすることを使命としています。法律、不動産、そして心の三つの側面から、あなたにとって最善の解決策を「一緒に考え、提案する」パートナーでありたいと願っています。

相続不動産の売却は都内だと世田谷区をはじめ、中野区・杉並区・葛飾区・北区など首都圏であれば千葉県八千代市や横浜市戸塚区などの取り扱い実績があります。

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長年の悩みから解放され、新たな一歩を踏み出すために、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。あなたからのお問い合わせを、心よりお待ちしております。

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相続登記でありがちなミス5選|司法書士が事例で解説

2025-11-20

相続登記のミスは「忘れた頃」に大きな問題になる

ご家族が亡くなられ、不動産の相続手続き(相続登記)を考え始めたとき、単純な名義変更と思われる方は少なくありません。しかし、相続登記には、すぐには表面化しない「隠れた落とし穴」がたくさん潜んでいます。

相続登記のミスが怖いのは、手続きを終えた直後には何も問題が起こらない点です。書類が受理され、名義が変わったことに安堵し、そのまま何年も、ときには何年も経過します。そして、忘れた頃に、その不動産を「売りたい」「担保に入れて融資を受けたい」と考えたとき、突如として「時限爆弾」が爆発するのです。

「共有持分が漏れていたため、会ったこともない親戚の同意が必要になった」
「昔の抵当権が残っていて、売却の決済日に間に合わないかもしれない」

このような事態に陥ると、売買契約が白紙になったり、急な対応で多額の費用がかかったりと、取り返しのつかない「取引事故」につながる可能性もゼロではありません。このすぐには問題が表面化しないところが、相続登記のミスの怖いところです。

この記事では、司法書士である私が、実務でよく目にする相続登記のありがちなミスを5つのケースに分けて、具体的な事例とともに解説します。ご自身の状況と照らし合わせながら、「あの時、ちゃんと確認しておけば…」と後悔しないための知識を身につけていきましょう。

司法書士が解説!相続登記でありがちなミス5つのケース

相続登記の手続きは、一見すると書類を集めて提出するだけの作業に見えるかもしれません。しかし、その裏には専門的な知識がなければ見落としてしまうポイントが数多く存在します。ここでは、特にご自身で手続きを進めようとする方が陥りやすい、代表的な5つのミスをご紹介します。

  1. 共有持分の放置・見落とし
    不動産の一部(共有持分)の登記を忘れてしまい、将来の売却や活用を困難にしてしまうケースです。
  2. 登録免許税の計算ミス・免税措置の見落とし
    税金の計算を間違えたり、使えるはずの免税制度を知らずに余分な税金を納めてしまうケースです。
  3. 住所変更登記の見落とし
    2026年から義務化される登記ですが、相続登記と併せて行うべきことを見落としてしまうケースです。
  4. 抵当権抹消忘れ
    完済したはずの住宅ローンなどの担保権(抵当権)が登記簿に残り続けているのを見過ごしてしまうケースです。
  5. 遺産分割協議書の不備
    相続人全員で合意したはずの内容が、法的に不正確な書類になっており、意図しない結果を招くケースです。

一つでも「気になる」と感じた方は、ぜひこの先を読み進めてみてください。それぞれのミスがなぜ起こり、どのような問題につながるのか、そしてどうすれば防げるのかを詳しく解説していきます。

ケース1:共有持分の放置・見落とし

「亡くなった父名義の土地だと思っていたら、実は祖父の兄弟の持分が少しだけ残っていた…」これは実務で頻繁に遭遇するケースです。不動産の権利の一部である「共有持分」の相続登記を見落としたり、手続きが面倒で放置してしまったりすると、将来的に深刻な問題を引き起こします。

【放置リスク】権利者が増え続け、不動産が塩漬け状態に

共有持分を放置することの最大のリスクは、「数次相続」の発生により、関係者がネズミ算式に増えていくことです。

例えば、Aさんが亡くなり、妻Bと子C・Dが相続した不動産(持分はBが1/2、C・Dが各1/4)があったとします。このとき、妻Bの持分について相続登記をしないまま、Bさんが亡くなってしまったらどうなるでしょうか。

Bさんの持分1/2は、さらにその相続人(例えばC・D)に引き継がれます。もしCさんが亡くなれば、その持分はCさんの配偶者や子へ…。このように相続が繰り返されるたびに、権利を持つ人がどんどん増えていきます。数十年後には、会ったこともない、何十人もの親族が不動産の共有者になっているという事態も珍しくありません。

不動産を売却したり、家を建て替えたりするには、原則として共有者全員の同意と実印が必要です。関係者が数十人に膨れ上がってしまっては、全員の同意を取り付けるのは事実上不可能となり、その不動産は誰も活用できない「塩漬け」の状態になってしまうのです。

複雑に絡み合った糸に囲まれた一軒家。共有持分を放置した結果、権利関係が複雑化するリスクを表現している。

【対策】遺産分割協議で単独所有を目指すのが最善策

このような事態を避けるための最も確実な対策は、相続が発生した際に遺産分割協議を行い、特定の相続人が一人で不動産を所有する「単独所有」の状態にしておくことです。

不動産を相続する人が他の相続人に対してお金を支払う「代償分割」や、不動産を売却してその代金を分ける「換価分割」など、様々な方法があります。どの方法がご家族にとって最適かは、それぞれの状況やご希望によって異なります。

当事務所では、不動産実務の経験を踏まえた観点から分割方法の選択肢を整理し、メリット・デメリットを説明したうえでご提案します。

ケース2:登録免許税の計算ミス・免税措置の見落とし

相続登記を申請する際には、法務局に「登録免許税」という税金を納める必要があります。この計算が意外と複雑で、ミスが起こりやすいポイントの一つです。特に、本来なら利用できるはずの「免税措置」を見落として、必要以上の税金を納めてしまうケースが後を絶ちません。

登録免許税の基本計算と間違いやすいポイント

登録免許税の基本的な計算式は以下の通りです。

登録免許税 = 固定資産税評価額 × 0.4% (1000分の4)

「固定資産税評価額」は、毎年春ごろに市区町村から送られてくる「固定資産税・都市計画税 納税通知書」に記載されている「価格」または「評価額」の欄で確認できます。

一見シンプルに見えますが、以下のような点で間違いが起こりがちです。

  • 評価額の1,000円未満を切り捨て忘れる
    課税標準となる評価額は、1,000円未満を切り捨てて計算する必要があります。
  • 計算後の税額の100円未満を切り捨て忘れる
    算出した税額に100円未満の端数がある場合は、その端数を切り捨てます。
  • 共有持分の場合の計算を間違える
    例えば、評価額2,000万円の不動産の1/4の持分を相続する場合、2,000万円 × 1/4 = 500万円を課税標準として税額を計算します。

これらの細かいルールを見落とすと、税額が不足して登記申請が受理されなかったり、逆に多く払い過ぎてしまったりする可能性があります。

意外と知らない?適用できるかもしれない2つの免税措置

さらに注意したいのが、特定の条件を満たす場合に登録免許税が免除される制度です。特に見落とされがちなのが、以下の2つのケースです。

  1. 相続人が登記前に亡くなった場合(数次相続の免税)
    例えば、祖父が亡くなり、その相続登記をしないうちに父も亡くなってしまった場合、最終的に孫が不動産を相続するケースです。この場合、本来なら「祖父→父」「父→孫」の2回分の登記が必要ですが、一定の要件を満たせば「祖父→父」の登記にかかる登録免許税が免除されます。
  2. 不動産の価額が100万円以下の土地の場合
    相続によって取得した土地の固定資産税評価額が100万円以下の場合、その土地の相続登記にかかる登録免許税が免除されます。これは市街化区域外の農地や山林などで適用されることが多いです。

免税措置の適用には要件がある(例:対象となるのは一定の相続ケースや土地に係る登記など)ため、当該登記が免税対象かは法務局の案内や税法上の要件を確認する必要がある。期限は令和9年(2027年)3月31日までに延長されている

参考:相続登記の登録免許税の免税措置について – 法務局

ケース3:住所変更登記の見落とし

登記簿には、不動産の所有者の「氏名」と「住所」が記録されています。引越しなどで住所が変わった場合、この登記簿上の住所を現在のものに変更する手続きが「住所変更登記」です。これまでは任意の手続きでしたが、法改正により状況が大きく変わりました。

2026年4月から義務化!怠ると5万円以下の過料も

所有者不明土地問題を解消するため、法務省の施行日は2026年4月1日であり、施行前に住所等を変更した場合でも2028年3月31日までに変更登記が必要となる(詳細は法務省の「住所等変更登記の義務化」案内を参照)

この日以降は、住所や氏名に変更があった日から2年以内に登記申請をしなければなりません。正当な理由なくこの義務を怠った場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。

重要なのは、この義務は「過去の住所変更」にも適用されるという点です。つまり、法律が施行される前に住所が変わっていた場合でも、施行日から2年以内に変更登記をしなければなりません。相続を機に、ご自身の登記簿上の住所が古いままでないか、必ず確認するようにしましょう。

「住所変更登記の義務化」と書かれた書類を指さしている様子。2026年からの法改正の重要性を伝えている。

被相続人と相続人、どちらの住所変更が必要?

相続登記の実務で混乱しやすいのが、「誰の住所変更登記が必要なのか?」という点です。

  • 亡くなった方(被相続人)の住所変更
    登記簿上の住所が亡くなった方の最後の住所と異なっていても、戸籍の附票などで住所のつながりが証明できれば、住所変更登記を省略して相続登記が可能です。
  • 相続する方(相続人)の住所変更
    相続する不動産を元々共有で持っていた場合など、ご自身の名前がすでに登記簿に載っているケースがあります。その登記簿上の住所が古いままの場合、相続登記と一緒に住所変更登記を行うのが一般的です。これを忘れると、将来不動産を売却する際に、改めて住所変更登記が必要になり、手続きが煩雑になります。また売買登記を担当する司法書士が見落とすと、1回で登記が通らず、取引事故の原因にもなります。

相続登記は、こうした関連する手続きをまとめて整理する絶好の機会です。義務化を待つのではなく、相続登記と同時に済ませておくことをお勧めします。

ケース4・5:抵当権抹消忘れと遺産分割協議書の不備

ここまでご紹介した3つのケースの他にも、実務上よく見かける重大なミスが2つあります。それは「抵当権の抹消忘れ」と「遺産分割協議書の不備」です。

ケース4:抵当権抹消忘れ
亡くなった方が住宅ローンなどを利用して不動産を購入していた場合、完済しても自動的に登記簿から担保権(抵当権)が消えるわけではありません。金融機関から発行された書類を使って、ご自身で「抵当権抹消登記」を申請する必要があります。

この手続きを忘れていると、登記簿上はまだローンが残っているように見えてしまいます。いざ不動産を売却しようとしても、抵当権が残ったままでは買主が見つからず、売却手続きを進めることができません。相続登記を行う際に登記簿を確認し、不要な抵当権が残っていれば、必ず一緒に抹消しておきましょう。

古い登記簿謄本に記載された「抵当権」の文字を虫眼鏡で拡大している様子。抵当権抹消忘れのリスクを示唆している。

ケース5:遺産分割協議書の不備
相続人が複数いる場合、誰がどの財産を相続するかを話し合って決めた内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめます。この書類の記載内容に不備があると、登記申請が受理されなかったり、相続人の意図とは全く違う内容で登記されてしまったりする危険があります。

特に、ご自身で作成されたり、法務局の相談員に言われるがままに作成したりした場合にミスが起こりがちです。「不動産の表示が登記簿と一致していない」「誰が相続するのか明確に書かれていない」といった単純なミスから、「法的に無効な分割方法が記載されている」といった専門的なミスまで様々です。一度作成して全員が実印を押してしまうと、後から修正するのは非常に困難です。作成段階で専門家のチェックを受けることが、トラブルを防ぐ最も確実な方法です。

相続登記のミスを防ぐには?法務局への相談と専門家の違い

ここまで読んで、「自分一人で完璧に手続きするのは難しいかもしれない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。では、ミスなく確実に相続登記を終えるには、どうすればよいのでしょうか。解決方法の1つに「法務局への相談」がありますが、その役割と限界を正しく理解しておく必要があります。

法務局の相談は「手続きの案内」が目的」

法務局では、登記に関する無料相談窓口を設けています。しかし、彼らの役割はあくまで、申請書の書き方や必要書類といった「形式的」な手続きを案内することにあります。立場上、個々の家庭の事情に踏み込んだアドバイスはできません。

例えば、「どのように遺産を分けるのが一番良いか」「この分け方で将来税金の問題は起きないか」「そもそも、この遺産分割協議書の内容で法的に問題はないか」といった、相続の「中身」に関する相談には乗ってくれないのです。

そのため、相談員のアドバイス通りに書類を作成しても、その内容自体がご家族にとって最適なものでないリスクがあります。法務局の相談は、あくまで手続きの流れを確認する場であり、問題解決の場ではないことを認識しておくことが重要です。質問の仕方や聞くことを間違えると、法務局の回答もあなたにとって適切なものにはなりません。

司法書士は「最適な解決」を一緒に考えるパートナー

一方で、私たち司法書士は、単なる手続きの代行者ではありません。ご依頼者様の状況を丁寧にお伺いし、法律や税務、そして不動産実務といった多角的な視点から、将来のリスクも視野に入れた複数の選択肢をご提示し、その中から依頼者様と協議して最適と思われる選択肢を検討します

特に当事務所では、不動産会社での勤務経験を活かし、将来の売却や活用まで見据えたご提案を得意としております。また、上級心理カウンセラーの資格を持つ司法書士が、司法書士業務の範囲内で、手続きの煩わしさやご家族間のデリケートな問題から生じるご不安やストレスに関するご相談に対応し、心穏やかに手続きを終えられるようサポートいたします(ご相談内容が心理療法等の専門領域にわたる場合は、適切な専門機関をご紹介することもあります)。

どの書類が必要か、どう分ければ良いか、といった一つひとつの疑問から、不動産の名義変更(相続登記)全体の流れまで、手続き全般について専門的な立場からサポートいたします。

もし、少しでもご不安な点があれば、一人で抱え込まずに、ぜひ一度当事務所の無料相談をご利用ください。
【事務所情報】
下北沢司法書士事務所
代表司法書士 竹内 友章(東京司法書士会所属)
東京都世田谷区北沢三丁目21番5号ユーワハイツ北沢201

相続登記に関する無料相談はこちら

下北沢司法書士事務所の相談風景。親身に話を聞く司法書士が、顧客の不安に寄り添う姿勢を表している。

まとめ

今回は、相続登記でありがちな5つのミスについて解説しました。

  • 共有持分の見落としは、将来の不動産活用を不可能にする可能性があります。
  • 登録免許税の計算ミスや免税措置の見落としは、金銭的な損失につながります。
  • 住所変更登記の見落としは、法改正により過料の対象となります。
  • 抵当権の抹消忘れは、売却手続きの大きな妨げになります。
  • 遺産分割協議書の不備は、意図しない相続トラブルの原因となります。

これらのミスに共通するのは、問題が発覚するのが「忘れた頃」であり、その時には手遅れになっているケースが多いという点です。大切な資産を守り、次の世代に安心して引き継ぐためにも、相続登記は正確に行うことが不可欠です。

相続手続きは、ご家族にとって精神的にも時間的にも負担が大きいものです。専門家である司法書士にご依頼いただくことで、そうした負担を軽減し、可能な限りミスを防ぎ、円滑に手続きを進めることを目指します。

東京23区、千葉・埼玉・神奈川などの首都圏の方に多くご相談いただいています。遠方だと感じる方も対応しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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疎遠な相続人とのやりとり。円滑に進める司法書士のコツ

2025-11-19

突然の相続…疎遠な親族とのやりとりに、お悩みではありませんか?

「長年連れ添った夫が亡くなった。私たちには子どもがおらず、夫の兄弟が相続人になるらしいけれど、もう何十年も会っていない…」
「亡くなった父には前妻との間に子どもがいると聞いている。全く面識がないのに、どうやって連絡を取ればいいのだろう…」

突然訪れる相続は、ただでさえ深い悲しみと多くの手続きで心身ともに大きな負担がかかります。それに加え、これまでほとんど、あるいは全く交流のなかった親族が相続人として現れるケースは、決して少なくありません。

「遺産分割の話なんて、どう切り出せばいいんだろう…」
「いきなり連絡して、お金の話だと思われたらどうしよう…」
「そもそも、手続きに協力してもらえるのだろうか…」

このような、法的な手続きそのものとは少し違う、人間関係やコミュニケーションに関する不安は、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまいがちです。

この記事では、そうしたお悩みを抱える方のために、疎遠な相続人とのやりとりを円滑に進めるための具体的な方法と、相手の心情に配慮した「気遣い」のコツを、司法書士の視点から解説します。法的な正しさだけでなく、円満な解決への道を一緒に探していきましょう。この記事を読み終える頃には、漠然とした不安が解消され、次の一歩を踏み出すための具体的な道筋が見えているはずです。

まず知っておきたい大原則:相続手続きは全員参加が必須です

疎遠な相続人とのやりとりを始める前に、まずご理解いただきたい非常に重要な原則があります。それは、「遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ成立しない」ということです。

たとえ何十年も音信不通であったとしても、法律上の相続人である限り、その方を除外して手続きを進めることはできません。もし、一部の相続人だけで作成した遺産分割協議書があっても、それは法的に無効です。その無効な協議書を使って預金の解約や不動産の名義変更(相続登記)を申請しても、金融機関や法務局は受け付けてくれません。

この大原則を無視してしまうと、後から手続きがすべてやり直しになるだけでなく、相続人間の不信感や感情的な対立を生む原因にもなりかねません。だからこそ、これからお話しするステップを踏んで、丁寧に関係者全員と連絡を取り、合意形成を目指すことが不可欠なのです。

連絡先がわからない…どうやって調べる?

多くの方が最初に直面する壁が、「そもそも連絡先がわからない」という問題です。しかし、ご安心ください。これは法的な手続きに則って調べることが可能です。

まず、亡くなられた方(被相続人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等を取得します。これにより、法律上の相続人が誰であるかを確定させます。次に、連絡を取りたい相続人の戸籍謄本を取得し、さらにその方の「戸籍の附票(こせきのふひょう)」という書類を取得します。この戸籍の附票には、その方のこれまでの住所履歴が記録されており、現在の住民票上の住所を確認することができます。

これらの戸籍関連書類は、本籍地や住所地の市区町村役場で取得しますが、複数の役所にまたがることも多く、時間と手間がかかる作業です。もちろん、ご自身で進めることも可能ですが、こうした戸籍謄本の取得・相続人調査の段階から、私たち司法書士にご依頼いただくこともできます。専門家が代行することで、皆様の負担を大きく軽減することが可能です。

円滑な協力関係を築く4つの「気遣い」のコツ

連絡先が判明し、いよいよ最初のアプローチを始めるにあたり、最も大切なのは「相手の心情への配慮」です。法的な手続きをただ進めるのではなく、相手への敬意と感謝の気持ちを伝える姿勢が、円満な解決への鍵となります。ここでは、私たちが実務で常に心がけている、円滑な協力関係を築くための4つの「気遣い」のコツをご紹介します。

【専門家の視点】なぜ「気遣い」が重要なのか

相続手続きは、法律論だけで割り切れるものではありません。特に、疎遠だった方へ協力を求める場面では、相手の感情を無視した事務的なアプローチは、かえって事態をこじらせる原因になり得ます。

例えば、夫を亡くされた奥様が、面識のない夫の兄弟(義理の兄弟)に連絡を取るケースを想像してみてください。義理の兄弟からすれば、突然の訃報とともに、遺産分割というデリケートな話が舞い込んできます。驚きや戸惑い、そして「何か要求されるのではないか」という警戒心を持つのは自然なことです。

ここで重要なのは、やはり相手型への配慮です。いきなり遺産分割協議書を送りつけるようなことは、相手への配慮を欠いた、ぶしつけな行為と言わざるを得ません。まずは丁寧な事情説明から始め、相手の負担を最小限に抑える工夫を重ねる。そうした一つひとつの「気遣い」が信頼関係の土台となり、結果的にスムーズな手続きへと繋がるのです。

コツ1:最初のご連絡は「丁寧なお手紙」で

たとえ電話番号がわかっていたとしても、普段お付き合いのない方への最初の連絡は、お手紙の方が無難です。手紙であれば、相手もご自身のペースで内容を読み、落ち着いて考える時間を持つことができます。会話の行き違いも防ぐことができます。

お手紙には、まずご自身の身元を明かし、誰が亡くなったのか、どのような関係でご連絡したのかを丁寧に説明します。そして、遺産分割協議を進めるにあたり、ご協力をお願いしたい旨を誠実に伝えます。この時、相手に手間をかけさせない工夫も大切です。例えば、今後の意向(協力できるか、相続放棄を考えているかなど)を簡単に回答できるようなアンケート形式の書面と、切手を貼った返信用封筒を同封すると、相手は心理的な負担なく返信しやすくなります。

コツ2:遺産分割協議書の「書き方」と「送り方」

協力の同意が得られ、遺産分割協議書をお送りする段階でも配慮が必要です。協議書には財産の内容を記載しますが、不動産や預貯金の具体的な評価額などを詳細に書きすぎると、金額を目にした相手の気持ちが揺らぐ可能性もゼロではありません。

「不動産及び預貯金を含む一切の遺産を、妻である〇〇が相続する」といったように、具体的な金額を避け、誰が何を相続するのかが分かるシンプルな表現に留める方が、スムーズに進む場合があります。もちろん、財産目録を別途添付して透明性を確保することも重要ですが、ケースバイケースでの判断が求められます。

また、書類をお送りする際は、署名・捺印していただく箇所に付箋を貼り、「こちらにご署名とご捺印をお願いいたします」といった手書きのメッセージを添えるだけでも、印象は大きく変わります。相手の立場に立った、ほんの少しの手間が、心を開いてもらうきっかけになるのです。

遺産分割協議書に、署名箇所を示す丁寧な手書きの付箋を貼っている様子。相手への気遣いを表現している。

コツ3:手続きにかかる費用は「相続する側」が負担する

遺産分割協議書には、実印での捺印と印鑑証明書の添付が必須です。印鑑証明書は、市区町村役場で取得する際に数百円の手数料がかかります。

金額としてはわずかですが、この費用を相手方に負担させるのではなく、「取得にかかる費用はこちらで負担いたしますので、お手数ですがご取得をお願いいたします」と申し出ることが重要です。費用の問題以上に、「あなたに余計な負担はかけません」という気遣いの姿勢が伝わることが、信頼関係の構築において大きな意味を持ちます。

コツ4:手続き完了後には必ず「お礼」を伝える

無事に遺産分割協議書がすべて集まったら、ご協力いただいた方へのお礼も考えましょう。

遺産分割協議書が全て集まったことを報告するお手紙に、商品券を添えるなどすると良いと思います。。疎遠であったとはいえ、ご夫婦やご家族の親族であることに変わりはありません。礼儀知らずと評判をたてられても困りますので、お礼は考えた方が良いでしょう。

当事務所が代行する「心に寄り添う」相続サポート

ここまでご紹介した4つのコツを実践するには、精神的・時間的・技術的に非常に大きな負担となることでしょう。「専門家に頼みたいけれど、どこまでサポートしてくれるのだろう?」とご不安に思われるかもしれません。

下北沢司法書士事務所では、単に書類を作成するだけでなく、これまでお話ししてきたような、ご依頼者様の「心」と「手間」の負担を軽くするためのお手伝いを最も大切にしています。高度な法技術だけでなく、「ちょっとした手間や気遣いを惜しまないこと」こそが、スムーズな相続の実現には不可欠であると私たちは考えています。

文面作成から送付まで:最初のご連絡を代行します

ご依頼者様から丁寧にお話を伺い、相続関係や財産状況を整理した上で、疎遠な相続人の方へお送りする最初のお手紙の文面を作成し、送付まで代行いたします。司法書士という法律の専門家が第三者としてご連絡することで、相手方も冷静に状況を受け止めやすく、安心して話を進めやすいという利点もあります。

ご依頼内容を丁寧に伺い、相手方への敬意を込めた、丁寧で分かりやすい文面の作成に努めます。

費用負担からお礼まで:円滑な関係を築くお手伝い

印鑑証明書の取得費用を相手方にお送りする手続き(例えば、定額小為替を同封や費用の振込先口座のお伺いなど)の代行や、手続き完了後のお礼の品の手配・送付まで、きめ細やかにサポートいたします。ご依頼者様が「こうしたい」というお気持ちを形にするためのお手伝いは、すべて私たちにお任せください。

お手紙や遺産分割協議書の作成・送付、先方への費用の振込手続き、そして最後のお礼に至るまで、一連のプロセス全体を当事務所が責任を持ってフォローいたします。ご依頼者様は、煩わしい手続きや精神的なストレスから解放され、穏やかな日常を取り戻すことに専念していただけます。

まとめ:法的技術と同じくらい、ちょっとした手間を惜しまないことが大事

疎遠な相続人との遺産分割協議は、法律の知識が求められるだけでなく、相手の気持ちを想像し、配慮する繊細なコミュニケーションが不可欠です。司法書士はとかく遺産分割協議書を詳細に作成したり、相続分の譲渡や家庭裁判所での相続放棄など、技術面にばかり着目してしまうことがあります。

もちろん、技術面は大事ですし私も相続分の譲渡や相続放棄手続きを活用することがあります。しかしそれと同じくらい、ちょっとした手間を惜しまないなど簡単なことを着々と実行していくことが大事です。

下北沢司法書士事務所はこの点を抑えています。また、民法に加え多角的に相続手続きをサポートするため、不動産知識は不動産営業マンの経験と宅地建物取引士の資格、相手の心理を考えるために上級心理カウンセラーの資格も取得しました。

「何から手をつけていいか分からない」「自分のケースではどうなるのか知りたい」など、どんな些細なことでも構いません。まずは当事務所の無料相談をご利用いただき、皆様のお話をお聞かせください。私たちが、円満な解決への第一歩を、責任をもってお手伝いいたします。

どうぞお気軽にお問い合わせはこちらからご連絡ください。

対応エリアも事務所のある世田谷近辺だけではありません。都内は葛飾区・北区・板橋区など全般からご依頼をいただいております。川崎・横浜・相模大野などの神奈川県や八千代市や船橋市などの千葉県、埼玉県などで対応実績があります。ズームなどテレビ電話での対応や出張も行っております。

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価値がない?相続した古いマンション・団地の売却を専門家が解説

2025-11-18

「価値がない」と思い込んでいませんか?相続した古い不動産

親御様が大切に暮らしてきた住まいを相続したものの、その物件が築年数の古いマンションや団地、あるいは都心の狭いワンルームだったとしたら、多くの方が途方に暮れてしまうのではないでしょうか。

「こんな古い物件、誰も買ってくれないだろう」
「管理費や税金ばかりがかかる、マイナスの財産かもしれない」
「どう処分していいのか、誰に相談すればいいのか全くわからない」

このような不安から、「価値がない」と思い込み、思考が停止してしまうお気持ちは、痛いほどよくわかります。しかし、その一歩を踏み出せないでいる間に、状況は少しずつ複雑になっていく可能性があります。

この記事では、相続した古い不動産の処分にお悩みの方へ、司法書士であり、不動産取引の現場も知る専門家として、具体的な解決策を丁寧にご説明します。読み終える頃には、「価値がない」という思い込みが、新たな可能性に変わっているはずです。

相続が放置される一番の理由と思い込み

相続問題が長年にわたって放置されてしまうケースには、共通点があります。それは、相続した不動産に対して「どうせ価値などない」と思い込んでしまうことです。

価値がないと感じることで、売却という選択肢が最初から頭に浮かばず、問題解決への意欲そのものが削がれてしまいます。日々の仕事や生活に追われる中で、いつしか相続問題は後回しになり、時間だけが過ぎていくのです。

「固定資産税」「管理費」と書かれた付箋が貼られた古いカレンダー。相続問題が長年放置されている様子を象徴しています。

しかし、ご存じでしょうか。時間が経てば経つほど、事態は複雑化する一方なのです。例えば、相続人の中に次なる相続が発生して関係者が増えてしまったり、空き家のまま放置したことで管理上の問題が発生したりと、解決のハードルはどんどん高くなっていきます。

【専門家コラム】「価値がない」という思い込みが招いた悲劇

以前、ご相談にいらっしゃったA様のケースがまさにそうでした。10年以上前に亡くなったお父様が遺した団地の一室。「どうせ売れない」と思い、何の手続きもしないまま放置していました。

しかし、固定資産税と管理費の請求書は毎年届きます。ある年の固定資産税の納税通知書を見た時、ついにこのまま費用を払い続けるのが馬鹿らしくなったA様は、当事務所にご相談いただきました。

しかし1つ、課題がありました。A様が放置している間に、相続人であったお兄様が亡くなっており、その相続人である甥と姪(A様とは疎遠)にも権利が移っていたのです。

売却するにも、甥と姪の協力が不可欠となりました。こういう場合、最初の連絡をできるだけ丁寧にすることが大事です。甥や姪からすると突然の連絡があり「実は裏に別の魂胆があるのではないか」と勘ぐってしまいがちなケースです。そういった疑いを持たれないためにも、丁寧な事情説明が必要です。幸いなことに当事務所にて住所調査を行いお手紙をお送りしたところ、快く手続きに応じていただきました。しかしもし相続直後にせめて名義変更(相続登記)だけでも済ませていたら、もう少し簡単になったはずです。

当事務所では、このような複雑な相続関係の調査から相続登記、そして提携不動産会社と連携した売却、最終的な売却代金の分配まで、一貫してサポートさせていただきました。

※本事例は、個人が特定されないよう内容を一般化して掲載しています。

最終的に無事売却が完了したとき、A様は「もっと早く相談すればよかったです」と、安堵の表情でおっしゃっていました。

この経験から私が学んだのは、「価値がない」という思い込みこそが、解決への最大の障壁になるという事実です。多くの場合、解決のための選択肢は存在します。諦めてしまう前に、ぜひ一度お話をお聞かせください。

古いマンションが「売れない」と言われる3つの理由

なぜ、古いマンションや団地、ワンルームは「売れない」「価値がない」と思われてしまうのでしょうか。その背景には、買主の視点から見た、明確な3つの理由が存在します。ご自身の状況を客観的に把握するためにも、まずはその理由を正しく理解しましょう。

理由1:建物の問題(旧耐震基準・老朽化)

大きな理由の一つが、建物の物理的な問題です。特に、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた「旧耐震基準」の建物は、現在の耐震基準を満たしていない可能性があり、買主から敬遠されがちです。※新耐震基準は1981年6月1日に施行されたため、それ以前の建築確認の建物が旧耐震基準に該当します。

この問題は、金融機関の住宅ローン審査に大きく影響します。多くの金融機関は、旧耐震基準の物件への融資に慎重な姿勢をとるため、買主はローンを組めないか、組めても条件が厳しくなるケースがほとんどです。

また、築年数が経過していれば、給排水管の劣化や断熱性の低さなど、目に見えない部分の老朽化も進んでいます。これらの修繕には多額の費用がかかる可能性があり、購入後のリスクを懸念する買主が多いのも事実です。

理由2:お金の問題(管理費・修繕積立金)

マンションである以上、所有しているだけで毎月「管理費」と「修繕積立金」がかかります。これは売れるまで、相続人が支払い続けなければならない費用です。

一般的に、古いマンションほど将来の大規模修繕に備えるため、修繕積立金が高額になる傾向があります。また、中には管理費を滞納している居住者がいたり、そもそも修繕積立金が十分に貯まっていなかったりするマンションも存在します。

買主は物件そのものだけでなく、マンション全体の管理状況や財政状況も厳しくチェックします。これらの維持費の高さや管理組合の健全性に対する不安は、購入意欲を削ぐ大きな要因となるのです。私自身、マンション管理会社での勤務経験があるため、この点がいかに重要かを実感しています。

理由3:買い手の問題(住宅ローン・購入者層)

前述の通り、旧耐震基準の物件は住宅ローンが利用しづらいため、購入できる人が「現金で購入できる層」に限定されてしまいます。これにより、買い手の絶対数が大幅に減ってしまうのです。

住宅ローン審査の書類を前に、銀行員から融資を断られ、がっかりしている夫婦。旧耐震基準の物件はローンが通りにくいことを示しています。

買い手が限られると、売主は価格交渉において不利な立場に立たされやすくなります。特に、相続した団地や狭いワンルームマンションの場合、主な購入者層は不動産投資家や、安価な住居を求める単身者などに絞られます。彼らは利回りやコストをシビアに計算するため、厳しい価格での交渉となることが少なくありません。

参考:住宅・建築物の耐震化について

実はしっかりと価値が評価されることも多い!

ここまで古いマンションや団地は価値がないと思われがちな理由を紹介してきましたが、このコラムではそれを「思い込み」と言ってきました。古いマンションや団地、狭い部屋でも綺麗にリフォームすれば生まれ変わります。そして、このリフォーム作業を自分でお金を出してやる必要はありません。専門業者に買取を打診してみれば良いのです。世の中には世間で知られてなくとも古いマンションなどを買い取ってリフォームし、また一般の方に居住用や賃貸用として販売する会社がたくさんあります。コツコツと仕事を積み重ねるこのような会社に買取を打診してみましょう。プロの会社なのでローンではなく、現金で買い取るケースも珍しくありません。

古い物件の販売ポイント

ここで古いマンション、団地等を販売する時のポイントをご紹介します。司法書士としてもそうですが宅地建物取引士として、安全でなるべく高い価格で売却できるよう、みなさんの参考になれば嬉しいです。

ポイント1:丁寧な仕事が期待できる仲介会社に依頼

不動産会社に直接買い取りをする方法もありますが、できるだけ仲介会社に入ってもらった方が安全な取引になります。

仲介会社会社は契約書も作成するので、第三者的な立場の人が契約書を作る安心感があります。一方、直接買い取りだと購入した不動産会社が契約書を作成することができます。

一方、費用面では仲介手数料がかかるデメリットがあります。ただ同時に仲介会社から多くの買取業者に声をかけてもらい、そこから一番高い金額の会社に売却できることも期待できます。仲介手数料を上回る価値が出ることも珍しくありません。

しかしここで意外な難点があります。私も不動産営業を経験しましたが、会社の体質によってはどうしても大きな物件ばかり重視されがちです。そういう物件を売った方が売り上げから会社も評価するし、営業マン自体の収入にもつながるからです。大手でも例外ではなく、こういう体質の会社の方がむしろ数としては多いでしょう。でも、そういった不動産会社しか無いということではありません。小さな物件でも、また古さからくる面倒さがあっても丁寧に販売活動をしてくれる営業マンや会社もあります。当事務所はそういった会社さんと連携しています。

まずは相続における不動産売却の流れをご理解いただき、安全で高い価格での売却を目指しましょう!

ポイント2:契約不適合責任は負わないこと

不動産を売る場合は、通常は売った後も、売主にも一定の責任が伴います。これを「契約不適合責任(民法562条)」と言います。どのような場合にこの責任が生じるのでしょうか。例えば、建物の設備不良や床の軋みなどがあることが契約内容が合ってないとされ、責任を追及されるリスクがあります。しかし、売却しようとしている物件が古いものであれば、何らかの不具合はあることが強く予想されます。それで責任を追及されるリスクがあっては、売却した後とても不安だと思います。そこで契約により契約不適合責任を免除しておくことが大事なポイントになります。一般の方が買う場合はなかなか難しいため、この意味でも不動産会社に買い取ってもらう方が良いでしょう。良く価格の面で不動産会社は伸びにくと言われますが、古い物件の場合は一般の方もその後のリフォームが必要なことなどを理由にしっかり交渉してきます。宅地建物取引士の経験からは、そんなに大きな差は出ないと思います。

なぜ司法書士への相談が最善の一手なのか

ここまで様々な選択肢をご紹介してきましたが、「結局、誰に相談すればいいの?」と思われたかもしれません。不動産のことだから不動産会社?それとも、相続だから他の専門家?

もしあなたが古い不動産の相続でお悩みなら、私たちは司法書士、特に「不動産実務に精通した司法書士」への相談が最善の一手だと考えています。その理由を3つのポイントでご説明します。

相続手続きから売却まで、完結まで併走する安心感

相続した不動産を売却するには、まず「相続登記」を行い、不動産の名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へ変更しなければなりません。不動産登記の申請代理や登記申請書の作成は、司法書士の専門業務です(ご自身で手続きを行うことも可能です)。

さらに、相続人が複数いる場合は、誰が不動産を相続するのかを「遺産分割協議」で決める必要があります。この協議書の作成や、相続人全員の意思確認など、法律の専門家として間に入ることで、スムーズかつ公正な手続きをサポートできます。

当事務所にご依頼いただければ、これらの煩雑な相続手続きから、提携不動産会社と連携した売却活動、そして売却後の代金分配まで、すべての窓口を一本化できます。あちこちの専門家を探し、何度も同じ説明をする必要はありません。このワンストップサービスが、お客様の心身のご負担を大きく軽減します。

司法書士が依頼者に対し、「相続登記」から「不動産売却」までの流れをタブレットで説明している様子。ワンストップサービスの安心感を表現しています。

宅建士・不動産営業経験者だからできる「最適な売却戦略」

当事務所の代表司法書士は、国家資格である「宅地建物取引士」の資格を保有しているだけでなく、過去には不動産会社の営業として、まさに皆様が相続されたような物件の売買を数多く手がけてきました。

この経験があるからこそ、私たちは単なる法律の専門家ではありません。物件の状況や市場の動向、そして買主様の心理までを理解した上で、実務に基づいた最適な売却戦略をご提案できます。

法律(相続手続き)と実務(不動産売却)の両輪を深く理解していること。これこそが、お客様の利益を最大化するために不可欠な、私たちの最大の強みです。

心理カウンセラーでもある司法書士が、依頼者の話に親身に耳を傾けている様子。法律問題だけでなく心の不安にも寄り添う姿勢を示しています。

まとめ|一人で悩まず、まずは専門家にご相談ください

相続した古いマンションや団地、狭いワンルーム。「価値がない」と思い込み、一人で悩み続けていても、残念ながら問題は解決しません。しかし、視点を変え、適切な手順を踏めば、必ず解決の道筋は見えてきます。

そのための第一歩は、信頼できる専門家に相談することです。あなたの状況を客観的に分析し、法律と不動産の両面から最善の選択肢を一緒に考えるパートナーを見つけることが、何よりも重要です。

当事務所では、初回のご相談は無料で承っております。また、平日はお仕事でお忙しい方のために、ご予約いただければ土日祝日のご相談にも対応しております。1人でで抱え込まずに、お気軽にご連絡ください。

無料相談はこちらから

東京23区の古いマンションだけでなく、横浜市戸塚区や千葉県八千代市などでもご相談実績があります。ぜひ、お気軽にお問合せください!

下北沢司法書士事務所 竹内友章

相続の計算|法定相続分から揉めるケースまで司法書士が解説

2025-11-17

相続は「計算」だけでは終わらない?まず知っておきたい2つの考え方

「法律で決まった割合があるはずなのに、なぜ話し合いがまとまらないのだろう…」
ご相続の問題に直面された多くの方が、このような壁に突き当たります。相続は、財産を数字で分割するだけの単純な「計算」ではありません。そこには、故人様への想い、ご家族それぞれのこれまでの人生、そして将来への願いが複雑に絡み合っています。

私たち下北沢司法書士事務所は、代表司法書士(東京司法書士会所属)が不動産会社での実務経験と心理カウンセラーの資格を有しており、単なる法律手続きの専門家としてだけでなく、ご家族の心に寄り添うパートナーとして、これまで多くの相続問題と向き合ってまいりました。

この記事では、まず相続計算の基本となる2つの「モノサシ」をご説明し、その上で、なぜ計算通りに進まないのか、そしてどうすれば円満な解決に至れるのかを、具体的なケースを交えながら丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、ご自身の状況を客観的に見つめ、次の一歩を踏み出すための道筋が見えているはずです。

電卓と書類を使って相続計算をしている様子

目安となる「法定相続分」

法定相続分とは、故人様が遺言書を遺されなかった場合に、民法で定められた遺産分割の「目安」となる割合のことです。誰が相続人になるか(法定相続人)によって、その割合は変わります。

【法定相続人の順位と法定相続分】

相続人の組み合わせ法定相続分
配偶者と子配偶者:1/2、子:1/2(複数いる場合は全員で1/2を均等に分ける)
配偶者と親(直系尊属)配偶者:2/3、親:1/3(複数いる場合は全員で1/3を均等に分ける)
配偶者と兄弟姉妹配偶者:3/4、兄弟姉妹:1/4(複数いる場合は全員で1/4を均等に分ける)
子のみ子がすべて相続(複数いる場合は均等に分ける)
法定相続人とその相続分

ここで重要なのは、法定相続分はあくまで「目安」であるという点です。相続人全員が納得し、合意すれば、この割合とは異なる内容で遺産を分割することも全く問題ありません。法律は、ご家族の話し合い(遺産分割協議)による円満な解決を最も尊重しているのです。

最低限の権利「遺留分」

遺留分とは、一定の相続人に認められる最低限の取得権であり、被相続人が遺言等で特定の者に偏って遺贈した場合でも、対象相続人は遺留分侵害額請求により金銭で遺留分を回復できます。ただし計算方法や基礎財産の範囲、時効など法的要件があり、請求が自動的に実現するわけではありません。

【遺留分が認められる相続人とその割合】

  • 対象者:配偶者、子(またはその代襲相続人)、親(直系尊属)
  • 対象外:兄弟姉妹には遺留分はありません。
  • 割合:
    • 直系尊属のみが相続人の場合:遺産の合計額に対する遺留分は1/3(父母が2名いる場合は合計1/3を均等に分けます)
    • それ以外の場合(配偶者や子がいる場合):各人の遺留分は、その人の法定相続分の1/2

法定相続分との大きな違いは、遺留分は自動的に受け取れるものではなく、権利を持つ人が「遺留分を侵害している相手方に対して請求する(遺留分侵害額請求)」ことによって初めて効力が生じるという点です。つまり、請求するかどうかは、権利を持つ人の意思に委ねられています。

【ケース別】相続財産の基本的な計算方法

ここでは、具体的な家族構成を例に挙げて、相続財産の計算方法をシミュレーションしてみましょう。ご自身の状況と照らし合わせながら、大まかな金額をイメージしてみてください。計算の対象となる財産には、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれることに注意が必要です。

法定相続分の計算シミュレーション

【例】遺産総額が5,000万円の場合

ケース1:相続人が配偶者と子2人

  • 配偶者の法定相続分:5,000万円 × 1/2 = 2,500万円
  • 子1人あたりの法定相続分:5,000万円 × 1/2 ÷ 2人 = 1,250万円

ケース2:相続人が配偶者と故人の父

  • 配偶者の法定相続分:5,000万円 × 2/3 ≒ 3,333万円
  • 父の法定相続分:5,000万円 × 1/3 ≒ 1,667万円

ケース3:相続人が子3人のみ(配偶者は既に他界)

  • 子1人あたりの法定相続分:5,000万円 ÷ 3人 ≒ 1,667万円

遺留分の計算シミュレーション

【例】遺産総額6,000万円。故人が「全財産を長男に相続させる」という遺言を遺していた。相続人は配偶者、長男、次男の3人。

  1. まず、本来の法定相続分を計算します。
    • 配偶者:6,000万円 × 1/2 = 3,000万円
    • 長男:6,000万円 × 1/4 = 1,500万円
    • 次男:6,000万円 × 1/4 = 1,500万円
  2. 次に、各人の遺留分を計算します(法定相続分の1/2)。
    • 配偶者の遺留分:3,000万円 × 1/2 = 1,500万円
    • 次男の遺留分:1,500万円 × 1/2 = 750万円

この場合、配偶者は1,500万円、次男は750万円を上限として、遺産を多く受け取った長男に対して金銭の支払いを請求する権利(遺留分侵害額請求権)を持ちます。なお、遺留分を計算する際の基礎財産には、相続開始前10年以内に行われた相続人への特別な贈与(生前贈与)なども含まれる場合があり、実際の計算はより複雑になることがあります。

不動産がある場合の評価額はどう計算する?

相続財産に不動産が含まれる場合、その「価値」をいくらと見積もるかで、話し合いが難航することが少なくありません。不動産の評価額には、主に以下の4つの基準があります。

  • 固定資産税評価額:市町村が固定資産税を課税するために定める評価額です。土地・家屋は原則として3年ごとに評価替えが行われますが、新築・増改築や地目変更などがあった場合は、基準年度以外でも評価替えが行われることがあります。
  • 路線価:国税庁が相続税や贈与税を計算するために定める土地の評価額。主に市街地で設定されます。
  • 公示価格:国土交通省が公表する土地取引の目安となる価格。
  • 時価(実勢価格):実際に市場で売買される価格。不動産会社の査定額などがこれにあたります。

どの評価額を用いるかについて法律上の決まりはありません。遺産分割協議においては、相続人全員が合意した金額が、その不動産の評価額となります。

不動産会社での勤務経験から申し上げますと、もし不動産を売却して金銭で分ける(換価分割)のであれば「時価」を、誰かが相続して住み続けるのであれば、比較的低額になりやすい「固定資産税評価額」や「路線価」を基準に話し合うなど、目的によって使い分けるのが現実的な落としどころを探る一つの方法です。どうしても合意できない場合は、不動産鑑定士に鑑定を依頼することもあります。不動産の分け方は、その後の不動産の名義変更(相続登記)手続きにも関わってきますので、慎重な判断が求められます。

家の前で、不動産の分け方について話し合う家族

なぜ?相続が「計算通り」にいかない5つの理由

法律で計算の目安が示されているにもかかわらず、なぜ相続は「争族」とも呼ばれるほど揉めてしまうのでしょうか。その背景には、数字だけでは割り切れない、ご家族ならではの事情や感情が隠されています。心理カウンセラーの資格を持つ司法書士として、その深層にある理由を5つの側面から解説します。

①財産が分けにくい(不動産など)

最も多い原因の一つが、遺産の大部分をご自宅の不動産が占めているケースです。預貯金のように1円単位で分けられないため、「誰が相続するのか」「どうやって公平に分けるのか」という問題が生じます。

  • 「売却して現金で分けたい」相続人
  • 「思い出の家だから住み続けたい」相続人

こうした意見の対立は、容易に解決しません。住み続ける場合は、他の相続人に対して代償金(自分の相続分を超えて不動産を取得する代わりに支払うお金)を支払う必要がありますが、その資金を準備できないことも少なくありません。物理的に分けられない財産は、家族の想いが対立する火種になりやすいのです。

②生前の貢献度(介護など)への不満

「私は長年、親の介護を一身に引き受けてきた。何もしてこなかった兄弟と同じ割合なのは納得できない」というお気持ちは、非常に切実なものです。このような生前の特別な貢献を金銭的に評価し、相続分に上乗せを主張することを「寄与分」と言います。

しかし、この寄与分が法的に認められるためのハードルは、実はかなり高いのが実情です。通常の親子間の扶養の範囲を超える「特別な貢献」であったことを客観的な証拠で示す必要があり、感情的な「大変だった」という想いと、法的な評価との間には大きな隔たりがあります。このギャップが、貢献した側の不満と、他の相続人との溝を深める原因となります。

③生前の援助(特別受益)への不公平感

「兄だけ、大学の学費や結婚資金を親から援助してもらっていた」「妹は家を建てる時に多額の贈与を受けていた」。過去の特定の相続人だけが受けた援助(特別受益)は、他の相続人にとって大きな不公平感につながります。

民法では、この特別受益を遺産の前渡しとみなし、相続財産に持ち戻して計算することで公平を図る仕組みがあります。しかし、過去の贈与の事実を証明することの難しさや、「あれは援助ではなくお小遣いだ」といった認識の違いから、かえって議論が紛糾し、新たな争いの種になることも少なくありません。

④相続人同士のコミュニケーション不足

相続をきっかけに、それまで表面化しなかった家族間の長年の不満や確執が噴出することがあります。特に、相続人同士が疎遠であったり、もともと関係性が良好でなかったりすると、冷静な話し合いは困難を極めます。

お互いの状況や考えを理解しようとせず、自分の権利主張ばかりが先行してしまうと、遺産分割協議はあっという間に行き詰まります。相続は、法律問題であると同時に、家族関係の総決算という側面も持っているのです。コミュニケーションの不足は、合理的な判断を妨げる最も大きな障害の一つと言えるでしょう。

⑤特定の相続人による遺産の囲い込み

故人様と同居していた相続人が、通帳などの財産を管理し、他の相続人にその内容を一切開示しない、というケースも散見されます。ひどい場合には、生前から財産を使い込んでいたのではないか、という疑念が生じることもあります。

情報が不透明な状況では、他の相続人は何を基準に話し合えばよいのか分からず、不信感と無力感に苛まれます。このような一方的な囲い込みは、信頼関係を根本から破壊し、円満な解決を絶望的にしてしまいます。

遺産分割協議で意見が対立し、険悪な雰囲気の家族

計算と感情の狭間で。円満解決の前提となる相続財産の把握

ここまで見てきたように、相続は計算と感情が複雑に絡み合う難しい問題です。しかし、解決への道筋は一つではありません。ここでは、ご自身の状況に合わせて検討できる3つの選択肢をご紹介します。大切なのは、ご家族にとってどの方法が最も幸せな未来に繋がるかを考えることです。

ステップ1:実は一番重要!正確な財産状況の把握

相続で意見がまとまらない時、「とにかく話し合いが大事」と思うかも知れません。あるいは「自分で話し合うのは大変。弁護士さんに調停をお願いしよう」と考える方もいることでしょう。

でもちょっと待ってください。話し合いをするのにもその前提となる事実認識がお互いに違ってしまうと、お互いにすれ違うばかりです。話し合いがうまくいかない時はそもそもどの財産がいくらあるのか棚卸をまずはしてみましょう。

ここでポイントとなるのは「どの時点の数字や財産内容を把握するか」です。亡くなった後も介護費や入院費の支払いがあったり、しばらくの間は数字が落ち着かないものです。

そこでまずは「相続開始の日」つまり、亡くなった日の数字を把握しましょう。そして、把握した預貯金額や株式の数、不動産などを落とし込んだ「財産目録」を作成します。

目録を作って財産内容が一目で分かる状態で可視化するだけでも、ずいぶんとスッキリするものです。自分の気持ちも落ち着くかも知れません。話し合いがうまくいきそうもないときは、まずは財産内容を整理することからはじめるのも良いと思います。

ポイント2:財産調査は他の相続人の協力なしにできる。

銀行・信用金庫などの金融機関は、名義人が亡くなったことを知ると口座を凍結してしまいます。そうすると遺言や遺産分割協議で預貯金の帰属先が決定したことを確認するまで、そのまま凍結したままです(一部例外有)。しかし、銀行が預貯金を凍結するといってもそれは下せないというだけです。財産内容を教えてくれないわけではありません。残高の照会等や過去の取引履歴の取り寄せには、協議書や遺言が無くても手続きを踏めば応じてくれます。

そして、財産調査だけであれば相続人全員の同意が必要なわけではありません。相続人の1人からの求めにも応じます。不動産情報も登記情報などから求めることができますし、いざとなれば他の相続人の協力なしに、大体の財産内容は把握することができます。

もしも他の相続人が遺産の状況を掌握していて教えてくれないことにお悩みの方は、司法書士の協力を得るなどして財産状況を自分で把握するのも一案です。

ポイント3:「遺留分を請求しない」という選択肢

前述の通り、遺留分は「請求して初めて発生する権利」です。法律で保障されているからといって、必ずしも行使しなければならないものではありません。

遺言によって財産を受け取った相続人が、その財産(特に自宅不動産)を失うことなく生活を続けられるように、他の相続人があえて遺留分を請求しない。実はこういうケースは良くあります。みなさん遺留分など全く意識することなく、自宅不動産を同居している親族が相続してそれで終わりというケースなどです。

遺留分の知識があると、とかく権利を行使しなければと思う方もいらっしゃいます。しかし遺留分を行使しない相続など普通のことですし、行使するにも具体的に遺留分に相当する金額はいくらなのか請求する方が計算しないと、「で、分かったけどいくら欲しいの?」と言われるだけです。遺留分は請求権があるといっても実際に使うとなると大変です。必ず行使するようなものでもありません。

相続の計算と手続き、一人で悩まずご相談ください

この記事では、相続における法定相続分や遺留分の計算方法から、不動産の評価、特別受益や寄与分といった論点、そして計算通りにいかない理由と解決策まで、網羅的に解説してまいりました。

お分かりいただけたように、相続は単なる計算問題ではなく、法律、不動産、そして何よりご家族の感情が複雑に絡み合う、非常にデリケートな問題です。一つボタンを掛け違えるだけで、解決が遠のいてしまうことも少なくありません。

もし、あなたが今、相続のことで少しでも不安や悩みを抱えていらっしゃるなら、どうか一人で抱え込まないでください。

下北沢司法書士事務所は、不動産会社での実務経験と宅地建物取引士としての登録もある司法書士が、あなたの状況を丁寧にお伺いします。法律や計算の面から多角的に課題を分析するだけでなく、あなたの不安や辛いお気持ちにもしっかりと寄り添い、ご家族全員が納得できる最適な解決策を「一緒に考えて提案する」パートナーでありたいと願っています。

手続きの煩わしさや精神的なストレスからあなたを解放し、穏やかな未来へ進むためのお手伝いをさせていただけませんか。ぜひお気軽にご相談ください。

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遺産分割協議は全員の合意が必須|ここから起こるかも知れない意外な問題点を解説

2025-11-14

なぜ遺産分割協議は「全員の合意」が絶対に必要なのか?

ご親族が亡くなられ、相続が始まると、多くの方が「遺産分割協議」という言葉を耳にします。これは、亡くなられた方(被相続人)の遺産を、どの相続人が、どのように引き継ぐのかを話し合う手続きです。そして、この協議で最も重要かつ、時に最も困難となるのが「相続人全員の合意」という点です。遺産分割協議書が法務局や金融機関といった第三者に対して効力を持つためには、原則として相続人全員の署名押印が必要となります。

「なぜ一人でも反対すると進まないのか…」と、途方に暮れてしまう方も少なくありません。法律がこのように定めているのには、一応の理由があります。それは、相続人一人ひとりの権利を尊重し、公平性を確保するためです。特定の相続人の意見だけで遺産の分け方が決まってしまえば、他の相続人が不利益を被る可能性があります。そうした事態を防ぎ、すべての相続人が納得した上で財産を承継するために、全員の合意が絶対的な条件とされているのです。

しかしながら現実の遺産分割協議をするとなると、このルールが理不尽に感じたり大きな課題に感じたりする場合もあります。今日はそのようなケースについてご紹介します。

実務の盲点:1人の「お金が欲しい」が協議を振り出しに戻すことも

最初に、当事務所が経験した遺産分割協議に全員の合意が必要なことで実務で経験したケースをお話しさせてください。この時は問題ありませんでしたが、場合によってはまとまりかけていた話し合いが振り出しに戻ってしまうと感じたケースです。

遺産分割協議は、全員の合意が原則です。そのため、たとえ相続人のうちの一人だけが「私は不動産も預金もいらないから、その代わりに少しでいいから現金が欲しい」と希望した場合でも、その内容を遺産分割協議書に明記し、全員が署名・押印しなければなりません。このケースを経験しました。1人が自宅不動産を相続することに相続人全員が口頭で了承していたものの、1人から現金の要望が出たのです。

ここで私がまずいかなと思ったのが、その協議書が他の相続人の目にも触れることです。全員の合意が必要ということは全員が同じ内容の遺産分割協議書に署名することになります。当然そこには「誰誰はいくら取得する」と書かれることになるのです。そうなると、当初「私は何もいらない」と言っていた相続人が、他の相続人が代償金を受け取ることを知った途端、「それなら私も少しはもらいたい」と考えを変えてしまうことがありえると思いました。そうなると、話し合いが振り出しに戻ってしまいます。

幸いこのケースでは問題なく対応できました。私から不動産を取得予定の方にこのコラムでもお話しする「代償分割」の方法を説明。その方が中心となって相続人間の合意が取れました。もしも代償分割が難しいケースの場合、他のやり方を考えなければなりません。例えば相続分の譲渡や放棄という手法を使ったり、相続分を割合で記載して目立たないように工夫したり、家庭裁判所に対する相続放棄を活用する等検討することになったと思います。

全員合意が難しい…よくある合意を難しくさせる財産内容

長年の実務経験から、合意形成が難しくなりやすくパターンがあると感じています。今日は当事務所が合意形成が難しくなりやすいと感じる2つのケースをご紹介します。ここにあてはまってうまく合意形成できなくとも、あなたのご家庭が特別おかしいというわけではありません。よくあることなので申告になりすぎず、できるだけ気楽に構えられると良いと思います。

ケース1:不動産など「分けにくい遺産」が中心の場合

預貯金のように金額で明確に分けられるものと違い、ご自宅や土地といった不動産は物理的に分割することが困難です。遺産の大部分が不動産である場合、話し合いは特に複雑化しがちです。

例えば、以下のような状況が考えられます。

  • 長男は「親との思い出が詰まった実家だから、自分が住み続けたい」と希望する。
  • しかし、他の兄弟は「自分たちは住む予定がないから、公平に現金で分けたい」と主張する。
  • 誰も住む予定はないが、「先祖代々の土地だから売却には反対だ」という意見も出る。

このように、不動産は「分けにくい」という物理的な特性に加え、相続人それぞれの想いや今後のライフプランが絡み合うため、感情的な対立を生みやすいのです。不動産業界での実務経験からも、不動産価値の評価方法一つをとっても意見が分かれ、協議が停滞するケースを数多く見てきました。

ケース2:特定の相続人が親など亡くなった方の援助を多く受けていた場合

「兄は結婚しているが私は独身。結婚費用は親が援助していた。」
「妹は、親から家を買うときに多額の援助を受けていたはずだ」

被相続人の生前に、特定の相続人が財産から利益を得ていたと他の考えているケースも、協議がうまくいかないケースの典型例です。直接このことについてケンカにまではならない場合でも、心にひっかかって素直に話すことができなくなることがあります。

このような時に備えて、民法には「特別受益」という規定があります。婚姻費用や自宅不動産の建築協力など、特定の相続人が亡くなった方から利益を受けていた場合にはそのことを反映させる規定です。この規定を活用することや、「自分だけずるい」「親を独占していた」といった心理的な不公平感に配慮することがポイントです。もしかしたら、ふとしたきっかけで遺産分割協議の場が、過去の不満をぶつけ合う場になってしまうことかも知れません。

被相続人の預金通帳を見ながら、遺産の使い込みがあったのではないかと疑い、険しい表情で話し合う相続人。

話し合いを難しくしないために知っておきたい!解決までの道筋

話し合いを難しくしないためにも、自分の家庭に照らし合わせてどのような解決方法があるのか知っておくのは重要です。ここでは主たる財産が自宅不動産の場合について検証してみたいと思います。

一番スッキリするのは売却してお金で分ける、元々そこに住んでいた方は売却で得た取得分を元手に新居を探すことです。ですが今日はそれ以外の手段で代償分割を紹介します。

解決策1:不動産を相続する人が差額を支払う「代償分割」

ケース1で挙げたように、遺産に不動産が含まれる場合に特に有効な方法が「代償分割」です。これは、特定の相続人(例えば長男)が不動産をすべて相続する代わりに、その不動産の価値と法定相続分との差額を、他の相続人(次男や長女)に対して自己の資金から現金で支払う方法です。

【メリット】

  • 思い出のある不動産を売却せずに維持できる。
  • 他の相続人は現金で受け取れるため、公平性を保ちやすい。

【デメリット】

  • 不動産を相続する人に、代償金を支払うだけの十分な資力(預貯金など)が必要。

ただし、代償分割を進める上で「不動産の評価額をいくらにするか」という点が新たな火種になることもあります。固定資産税評価額、相続税路線価、専門家による鑑定評価(時価)など、どの基準を用いるかで金額が大きく変わるため、ここでも相続人全員の合意が必要不可欠です。

代償分割を決めた後の「相続登記」手続きと注意点

代償分割を行うことで相続人全員が合意に至った場合、その内容を法的に確定させ、不動産の名義を変更するために「相続登記」の手続きが必要です。この手続きには、司法書士としての専門知識が特に重要となる注意点がいくつかあります。

司法書士が遺産分割協議書を指し示し、代償分割に関する重要な条項と贈与税のリスクについて説明している場面。

まず、合意内容を証明する「遺産分割協議書」を作成します。この協議書には、「誰がどの不動産を相続するか」ということに加え、「不動産を相続する代償として、誰が誰にいくら支払うか」という代償分割の事実を明確に記載する必要があります。この記載が曖昧だと、後々のトラブルの原因になりかねません。

そして、注意すべき点の一つに「贈与税」の問題があります。代償分割に伴う代償金は、通常は遺産分割の一環として扱われ贈与税の対象とはなりませんが、遺産分割協議書にその旨が明確に記載されていなかったり、代償金の額が不動産の価額に対して過大であったりするなど、実質的に贈与とみなされる場合には、贈与税が課税される可能性があります。

相続登記の申請は2024年4月1日から義務化されました。原則として「不動産を相続で取得したことを知った日」または「遺産分割が成立した日」から3年以内に申請が必要となります。なお、2024年4月1日より前に開始した相続で未登記のものについても義務化の対象となり、3年間の猶予期間(2027年3月31日まで)が設けられています。過去コラムで複雑な案件に対するコラムも上げております。相続人が多数・不明でも大丈夫!相続登記義務化の解決事例

よろしければこちらもご覧ください。

どうしても合意できない場合は「遺産分割調停・審判」

相続人間での話し合いがどうしてもまとまらない、あるいは感情的な対立から話し合いにすらならない場合の最終的な解決手段として、家庭裁判所の手続きを利用する方法があります。なるべくなら避けたい方法だと思いますが、もしも当事者間だけの話し合いでは解決しない場合、検討するほかありません。この状況に備えて当事務所で相続に強い提携の弁護士事務所があり、状況に応じてご紹介しています。

遺産分割調停
まずは「調停」から始まります。これは、裁判官と民間の有識者からなる調停委員が中立的な立場で間に入り、各相続人から個別に事情を聞きながら、解決案を提示したり、助言をしたりして、話し合いによる合意を目指す手続きです。あくまで話し合いがベースであり、第三者が介入することで当事者も冷静になり、解決に至るケースは少なくありません。

遺産分割審判
調停でも合意に至らなかった場合、「審判」手続きに移行します。審判では、裁判官が各相続人の主張や提出された資料などを基に、法律に従って遺産の分割方法を決定します。これは、当事者の合意ではなく、裁判所の判断によって結論が出されるという点で調停とは大きく異なります。

「裁判

参考:遺産分割調停 | 裁判所

まとめ:遺産分割、相続登記のご相談はぜひ司法書士へ

今日見てきたように、思いのほか相続登記や遺産分割協議には法律的に大変な部分もあります。「遺産分割協議書は全員の合意が必要」はネットを見れば出てきますが、それによってどんな課題が出るのかまでは司法書士や弁護士さんでないと気づけないこともあります。大事なのは、早い段階から専門家に相談することです。司法書士は、弁護士さんより敷居が低く相談したところで相続争いが生じているような雰囲気にもなりません。相続が発生して不動産があったらまずは司法書士に相談し、あなたのご家庭のケースでどのような段取りが適切なのか、一緒に考えていきましょう!

ご相談は初回無料相談はこちらからご利用いただけます。

対応エリアも東京23区だけはありません。東京都下や首都圏(神奈川・千葉・埼玉)でも業務実績があります他にも茨城県笠間市や石岡市、千葉県館山市・神戸・札幌・山形などで実績があり、必要に応じて全国出張します。ズームなどテレビ電話の打ち合わせも対応します。

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