Archive for the ‘不動産’ Category
「かぼちゃの馬車」にみるサブリースの問題点
おはようございます。
東京で大家さん向けに入居者死亡時の対応、家賃滞納などによる建物明け渡し、相続などで発生する不動産共有問題の解消をメイン業務とする司法書士の竹内と申します。
(株)スマートデイズが運営する「かぼちゃの馬車」というシェアハウスでの「大規模家賃滞納」が報道されています。この「かぼちゃの馬車」以外にもサブリース契約付きでどんどん建物を建てた会社が、契約の改定などにより大家さんに支払う家賃を減額している報道も何度か目にしました。
そもそも「サブリース」とは何なのでしょうか?カタカナ言葉なので柔らかく聞こえますが、平たく言えば「また貸し」です。大家さんがA社に物件を貸してA社は部屋に住む人に貸します。A社は月8万で大家さんから借りて月10万で部屋に住む人に借りれば2万の儲けですね。大家さんからしたら部屋に住む人がいなくても月々の家賃が確定できる安定感が魅力です。
しかし、今回の報道でサブリースの大きな問題点が浮き彫りになりました。
それは、
「サブリース会社の経営状態が悪くなれば家賃保証は絵にかいた餅」
というところです。
保証してもらっても、保証した人にお金が無ければ大家さんは損害を被ってしまいます。
約束を守らない方が悪いのでしょうが、大家さんの損害は残念ながら発生してしまいますね。
サブリース会社の経営状態は、自分の物件だけでなくその会社がサブリースしている全ての物件、更には建築部門など空室状況以外の要素も大きく関連します。
そういった大家さんご自身ではコントロールできないリスクが原因で、家賃が払われなくなってしまうことがあり得ることが今回の報道から学べると思います。
先日、梅の花を見て綺麗だなと思っていましたがそろそろ桜ですかね。今日も一日頑張ります❕
司法書士が解説
はじめに|世田谷・杉並の大家さん、一人で悩んでいませんか?
「また今月も家賃の入金がない…」「電話をしても出てくれない…」
世田谷区や杉並区などで賃貸アパートを経営されている大家さんの中には、入居者の家賃滞納に頭を悩ませ、夜も眠れない日々を過ごしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。これまで世田谷、過杉並などの地域で大家さんが抱える家賃滞納問題を一緒に解決してきた下北沢司法書士事務所が解説します。
それは、家賃滞納問題は、単なるお金のトラブルではないということです。督促の電話一本かけるにも心が痛み、入居者との関係が悪化することへの不安、そして法的な手続きへの知識不足からくる混乱…。この問題は、大家さんの時間的・精神的な負担を大きくする可能性があります。
この記事では、法的手続きの流れを整理しながら、家賃滞納でお困りの大家さんが次に取るべき対応を具体的に確認できるよう解説します。
この記事では、解決までの流れを整理し、次に取るべき対応を考えるための参考情報をお伝えします。一人で抱え込まず、必要に応じて専門家への相談も検討してください。
焦りは禁物!まず知るべき「大家さんが絶対にやってはいけないNG行動」
家賃の滞納が続くと、「一刻も早く出ていってもらいたい」と焦るお気持ちは痛いほど分かります。しかし、その焦りから感情的な行動に出てしまうと、事態はさらに悪化し、最悪の場合、大家さん自身が法的な責任を問われることになりかねません。
法律の世界には「自力救済の禁止」という大原則があります。これは、たとえ自分に正当な権利があったとしても、法的な手続きを経ずに実力行使で権利を実現してはならない、というルールです。
具体的には、以下のような行動は絶対に避けてください。
- 無断で部屋の鍵を交換する
- 入居者の許可なく部屋に入り、荷物を運び出す・処分する
- 玄関ドアに「滞納者」などと書いた貼り紙をする
- 早朝深夜を問わず、何度も電話や訪問を繰り返すなど、社会通念上相当性を欠く取り立て行為
これらの行為は、住居侵入罪や器物損壊罪といった刑事罰の対象になる可能性があるほか、入居者から損害賠償請求をされるリスクも伴います。正しい知識を持つことが、最終的に大家さんご自身を守ることに繋がるのです。まずは冷静に、法的なルールに則って対応を進めていきましょう。家賃催促時の注意点
【保存版】家賃滞納対応フローチャート|司法書士が示す解決までの全ステップ

家賃滞納でお困りの大家さんのお手伝いをするときの、対応フローチャートを作ってみました。家賃滞納問題は、闇雲に対応してもうまくいきません。問題の発生から解決まで、段階に応じた適切な対応をとることが重要です。ここでは、私たちが実際に家賃滞納でお困りの大家さんをサポートする際に用いる対応フローチャートを、3つのフェーズに分けて詳しく解説します。ご自身の状況が今どの段階にあるのかを確認しながら、読み進めてみてください。未払い賃料の回収
フェーズ1:初期対応(滞納発生〜1ヶ月)|関係を悪化させない初動
滞納が発生してすぐの段階では、感情的にならず、丁寧な対応を心がけることが何よりも大切です。入居者が単に支払いを忘れているだけ、あるいは口座の残高不足といったケースも少なくありません。
まずは電話や手紙、訪問などで「お家賃のお支払いが確認できておりませんが、いかがなさいましたか?」と穏やかに状況を確認することから始めましょう。この時点では、あくまで「確認」という姿勢を崩さないことが、入居者との信頼関係を維持し、その後の交渉をスムーズに進めるための鍵となります。
【この段階での重要ポイント】
この初期対応で最も重要なのは、「いつ、誰が、どのような内容の連絡をしたか」を客観的な記録として残しておくことです。簡単なメモで構いませんので、連絡した日時、相手の反応、支払い約束の有無などを記録しておきましょう。この記録が、万が一法的な手続きに進んだ際に、大家さんがきちんと督促を行っていたことを証明する重要な証拠となります。
フェーズ2:交渉・催告(滞納2〜3ヶ月)|連帯保証人への連絡と内容証明
穏やかな確認をしても支払いがない、あるいは連絡が取れない状況が続くようであれば、次のステップに進む必要があります。滞納が2ヶ月以上になったら、連帯保証人や保証会社へ連絡を取り、状況を説明して支払いを求めましょう。
そして、このフェーズで非常に強力な手段となるのが「内容証明郵便」の送付です。
内容証明郵便とは、「いつ、どのような内容の文書を、誰から誰宛に差し出されたか」を日本郵便が証明してくれるサービスです。これにより、「支払いの催告をした」「期限までに支払いがなければ契約を解除する」という大家さんの意思表示を、法的に有効な証拠として残すことができます。これは、後の契約解除や裁判手続きにおいて、極めて重要な意味を持ちます。
この中で比較的大家さんご自身でもしやすいのは「内容証明郵便の送付」までです。ただし督促や内容証明郵便を送るときも司法書士が送った方が家賃滞納者にとってプレッシャーになり、効果的な場合もあります。ご自身での対応に限界を感じ始めたら、専門家への相談を検討すべき最初のタイミングと言えるでしょう。未払い賃料の回収
フェーズ3:最終手段(滞納3ヶ月以上)|契約解除と建物明け渡し請求
内容証明郵便を送ってもなお支払いがない、あるいは話し合いに応じない場合、いよいよ最終手段である法的手続きを検討することになります。一般的に、3ヶ月以上の家賃滞納は、大家さんと入居者の間の「信頼関係が破壊された」と判断され、賃貸借契約の解除が法的に認められる可能性が高まります。
契約解除の意思表示をした後も入居者が退去しない場合は、裁判所に「建物明け渡し請求訴訟」を提起することになります。これは、裁判所の判決によって、入居者に部屋を明け渡すよう命じてもらう手続きです。訴訟には数ヶ月の期間と、専門的な知識が必要となるため、この段階では司法書士や弁護士といった専門家のサポートが不可欠です。
もし、訴訟で勝訴判決を得ても入居者が退去しない場合は、最終的に「強制執行」の手続きへと進みます。これは、裁判所の執行官が現地に赴き、法的な強制力をもって入居者を退去させ、部屋の明け渡しを実現する手続きです。ここまでが、家賃滞納問題の法的な解決までの全行程となります。家賃滞納者への明け渡し請求
司法書士に相談する3つのメリット

家賃滞納問題を解決する上で、なぜ司法書士が大家さんの力になれるのか。その具体的なメリットを3つご紹介します。
1. 精神的・時間的負担からの解放
滞納者への督促や交渉は、精神的に大きなストレスがかかるものです。専門家が代理人として交渉の窓口に立つことで、大家さんは滞納者と直接やり取りする負担から解放されます。煩雑な手続きや書類作成も任せられるため、本来の業務やご自身の生活に集中することができます。
2. 法的に正しく、迅速な手続きの実現
自己流の対応は、法的なミスを犯すリスクが常に伴います。私たちは法律の専門家として、フローチャートの各段階で状況に応じた法的な選択肢をご提案します。必要な手順を整理し、適切な対応を進めることで、空室期間や経済的損失の拡大を抑えられるようサポートします。
3. 訴訟まで見据えた一貫サポート
当事務所の司法書士は、法務大臣の認定を受けた「簡裁訴訟代理等関係業務認定司法書士」です。これにより、訴額140万円以下の建物明け渡し請求訴訟であれば、弁護士と同様に大家さんの代理人として法廷に立ち、主張を行うことができます。交渉や訴訟に関する書類作成、認定司法書士として取り扱える範囲での簡易裁判所における代理業務など、法令上認められた範囲で継続的にサポートすることが可能です。
さらに、代表司法書士は元不動産業界出身であることに加え、心理カウンセラーの資格も保有しています。法律の知識だけでなく、不動産ビジネスの実情や、大家さんの複雑な心境を深く理解できるのが強みです。法的な解決はもちろん、お気持ちの面でも、大家さんに心から寄り添うサポートをお約束します。
まとめ|家賃滞納問題の第一歩は、専門家への相談から
家賃滞納問題の解決で最も大切なことは、感情的にならず、法的な手順に沿って冷静かつ着実に対応を進めることです。この記事でご紹介したフローチャートは、対応手順を確認する際の参考になります。
しかし、それぞれのフェーズで適切な判断を下し、手続きを有利に進めるためには、やはり専門的な知識と経験が欠かせません。一人で悩み、貴重な時間を浪費してしまう前に、ぜひ一度、私たち専門家にご相談ください。
当事務所では、初回のご相談は無料でお受けしております。お話を伺うことで、状況整理や今後の対応を考えるきっかけになる場合があります。迅速で円満な解決への第一歩を、ここから踏み出してみませんか。建物明け渡し手続きの費用
入居者死亡ー最初に何をすべきか?
おはようございます❕
東京で賃貸物件での入居者死亡時の対応、
不動産の共有問題の解消をメイン業務としている司法書士の竹内です。
さて入居者が死亡した場合、最初に何を確認すべきでしょうか。
それは「相続人が誰か?」ということです。
賃借権は相続されます。
死亡した入居者から、その相続人に引き継がれていますので全員から解約届を
もらわなければなりません。
法的に、きちんと整理するためしっりと相続人調査をすることをお勧めいたします。
昨日、唐揚げ食べ過ぎました・・・。
もうそろそろ食べ物に気を使わなきゃいけない年代ですが、腹八分目が全くできません・・・。
電話 03-6407-0830
メール info@shimokita-office.com
入居者死亡後の賃貸物件の解約について
こんにちは。
東京の司法書士、竹内と申します。
不動産の共有問題の解消、
入居者死亡後の解約や残置物撤去に向けての法的整理をメイン業務としています。
さて、賃貸物件の明け渡しも家賃滞納の場合と、入居者が死亡した場合では流れが大きく違います。
家賃滞納は入居者ご本人との交渉や裁判ですが、入居者が死亡した場合は相続人との接触が不可欠です。
なぜなら、死亡した入居者のお部屋に残った荷物を片付ける権利は相続人が引き継いでいます。
大家さんが勝手に捨ててしまうと、人のものを勝手に捨てたことになりますので注意が必要です。
相続人を調査し、残置物放棄書と解約届に署名・押印をもらう必要があります。
死亡した入居者と相続人の関係次第では、この相続人とのやりとりがうまく行かないことも・・・。
わたしは、早期に残置物を撤去し、早く賃貸募集がかけれるよう、大家さんのお手伝いをしております。
どうぞお気軽にご相談ください。
TEL03-6407-0830
メール info@shimokita-office.com
下北沢司法書士事務所 竹内友章
土地を買う時に意識していただきたいこと・・
おはようございます。
ブログをご覧いただきありがとうございます。
不動産を買うとき、特に更地を買う時に意識していただきたいことがあります。
それは「購入目的をしっかりと不動産業者に伝えること」
ご自宅用なのかそれ以外の用途なのか、建てる建物は2階建てがいいのか3階建ての予定なのか・・。
できる範囲で建築予定建物の具体的なイメージを不動産業者に伝えてください。
不動産には都市計画法、建築基準法その他の法令で様々な制限がかかります。
大きさ、使用用途などが制限にひっかかると予定した建物が建てられない可能性も。
もしそうなったらとんでもない事態・・許容できる危険ではありません。
もっともきちんとした不動産業者ならその辺もヒアリングしながらすすめることでしょう。
ご希望の方には、下北沢で長年、地域密着で仕事をしている不動産会社をご紹介します。
地域密着でその地域で長くいる・・となるとある意味でどこにも逃げ場はありません。
みなさまの為に一生懸命仕事をします。
今年も今週で最終週ですね。一年過ぎるのは本当に早いです。まだ年内の登記申請が若干残っているので
最後までしっかりやります❕
下北沢司法書士事務所 竹内友章
不動産登記・・抵当権抹消
抵当権抹消でトラブル?状況に応じた対応方法があります
住宅ローンを完済し、安堵したのも束の間。「抵当権抹消」の手続きを進めようとしたら、銀行から受け取ったはずの書類が見当たらない。あるいは、登記簿に記載されている住所が昔のままで、どうしていいか分からない…。
そんな予期せぬトラブルに直面し、「これからどうなるんだろう…」と途方に暮れてはいませんか?
まず、お伝えしたいことがあります。まずは状況を整理することが大切です。そのような状況に陥るのは、決して珍しいことではありません。事情に応じて、利用できる手続きや確認すべき書類があります。
手続きがストップしてしまうと、不安や焦りばかりが募りますよね。実は、当事務所の代表司法書士は、心理カウンセラーの資格も持っています。それは、法律手続きの裏側にある、お客様一人ひとりの心の負担を少しでも軽くしたいという想いからです。
この記事では、抵当権抹消で起こりやすい問題をケースごとに整理し、必要な手続きや確認すべき書類を分かりやすく解説します。
まずは状況整理から。あなたのケースはどれですか?
漠然とした不安を解消する第一歩は、ご自身の状況を客観的に把握することです。抵当権抹消で起こりがちなトラブルは、主に以下の3つのパターンに分類できます。ご自身がどれに当てはまるか、確認してみてください。

ケース1:銀行からの抵当権抹消書類を紛失した
「住宅ローン完済時に銀行から渡された封筒ごと、どこかにいってしまった…」というケースです。ローンを完済してから10年以上経過していると、書類をなくしてしまうのも無理はないかもしれません。
この封筒には通常、以下のような重要な書類が入っています。
- 登記原因証明情報(解除証書など):抵当権が消滅したことを証明する書類です。
- 委任状:手続きを司法書士などに依頼する際に必要となります。
- 抵当権設定契約書:ローン契約時に交わした書類です。
- 登記識別情報通知または登記済証(いわゆる権利証):抵当権を設定した際に法務局から発行された、非常に重要な書類です。
これらのうち、登記原因証明情報や委任状は、金融機関に事情を説明すれば再発行してもらえることがほとんどです。しかし、最も重要な「登記識別情報」や「登記済証」は、いかなる理由があっても再発行されません。
では、どうすればいいのでしょうか?ご安心ください。この場合の切り札として「事前通知制度」という代替手段が用意されています。詳しくは後ほど詳しく解説しますね。
ケース2:登記簿の住所・氏名が現在と違う
「住宅を購入してから何度か引っ越した」「結婚して姓が変わった」など、登記簿に記載されているご自身の住所や氏名が、現在のものと異なっているケースです。
なぜ、この変更が必要なのでしょうか。登記簿上の住所・氏名と現在の住所・氏名が異なる場合は、住民票や戸籍謄本などで変更の経緯を証明し、先に登記名義人の住所・氏名変更登記を行って、登記記録を現在の情報に合わせる必要があります。
この手続きは「所有権登記名義人住所(氏名)変更登記」と呼ばれ、抵当権抹消登記と同時に申請することができます。つまり、一度の手続きで両方を済ませることが可能ですので、ご安心ください。引っ越しや結婚などで住所・氏名が変わった場合は、登記簿上の情報を更新する必要があります。
ケース3:書類を紛失し、住所・氏名も違う【要注意】
「銀行の書類をなくしてしまったうえに、登記簿の住所も古いまま…」という、ケース1とケース2が複合したパターンです。この場合、手続きは少し複雑になります。
複数の手続きを、正しい手順で進める必要があるためです。大まかな流れは以下のようになります。
- まず、住所・氏名の変更登記に必要な書類(住民票など)を集めます。
- 並行して、金融機関に連絡し、再発行可能な書類を発行してもらいます。
- 最終的に、「住所・氏名の変更登記」と「事前通知制度を利用した抵当権抹消登記」を法務局に同時に申請します。
このケースは、ご自身で進めるには時間と手間がかかり、書類の準備にも専門的な知識が求められます。特に、相続した不動産の抵当権抹消が絡むとさらに複雑になるため、専門家のサポートが特に有効なケースと言えるでしょう。このテーマの全体像については、抵当権の抹消で体系的に解説しています。
【解決策①】書類紛失は「事前通知制度」で乗り越える
登記識別情報(または登記済証)を紛失してしまった場合の具体的な解決策が「事前通知制度」です。これは、登記の申請に非常に重要な書類が提出されない代わりに、法務局が登記の真正性を確認するための特別な手続きです。
この制度を利用する場合、銀行(抵当権者)から印鑑証明書を取得してもらう必要があります。これは、後述する法務局からの照会書に押してもらう実印が本物であることを証明するために不可欠です。
手続きの流れは、以下のようになります。
- 登記申請:登記識別情報がない状態で、法務局に抵当権抹消登記を申請します。
- 法務局からの照会:法務局は申請を受け付けると、抵当権者である金融機関などの登記義務者に対し、申請内容が真実であれば一定期間内に申出をするよう求める確認書類(事前通知書)を、法令で定められた方法により送付します。
- 金融機関の返送:金融機関は、届いた書類の内容を確認し、間違いがなければ所定の方法で、事前通知を受け取ってから2週間以内に法務局へ申出をします。
- 登記完了:法務局が返送された書類を確認し、問題がなければ抵当権抹消登記が完了します。
この手続きで最も重要なのは、金融機関の協力です。金融機関の担当者が事前通知の対応をうっかり忘れてしまうと、期限切れで登記申請が却下され、最初からやり直しになってしまいます。そのため、司法書士に依頼した場合、金融機関の担当部署に事前に連絡を取り、「事前通知が届きますので、速やかなご対応をお願いします」と念を押すなど、スムーズに進むよう調整を行います。これは、実務家ならではの重要なポイントです。
より詳しい情報については、法務省のウェブサイトもご参照ください。
参照:登記識別情報や事前通知制度に関する法務省のQ&A
【解決策②】住所・氏名変更は「変更登記」で対応する
登記簿上の住所や氏名が現在と異なっている場合は、「所有権登記名義人住所(氏名)変更登記」を行います。この手続きは、抵当権抹消登記と同時に申請するのが一般的です。
法務局に2つの登記申請を同時に出すことを「連件(れんけん)申請」と呼びます。これにより、一度の申請でまとめて手続きを完了させることができ、何度も法務局へ足を運ぶ手間が省けます。
必要な書類は、状況によって異なります。

- 住所を1回変更した場合:現在の住民票(1つ前の住所が記載されているもの)
- 住所を複数回変更した場合:戸籍の附票(本籍地の役所で取得)など。登記簿上の住所から現在の住所までのつながりを確認できる書類が必要になります。
- 氏名を変更した場合(結婚など):戸籍謄本と、氏名の記載がある住民票
特に、複数回引っ越しをされている方は、登記簿上の住所から現在の住所までのつながりを証明する必要があります。役所で書類を取得する際に「登記簿に載っている〇〇市〇〇町から、現在の住所までのつながりがわかる書類をお願いします」と伝えると、スムーズに発行してもらえるでしょう。場合によっては、住所変更登記が必要かどうか、まずは不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)を確認し、ご案内させていただきます。
こんな時はどうする?さらに複雑なケースの対応法
ここまでは典型的なパターンを見てきましたが、時にはさらに複雑な状況に直面することもあります。いくつか代表的なケースと、その対応法をご紹介します。
抵当権者の金融機関が合併・商号変更している
住宅ローンを組んだ昔の銀行が、今では合併を繰り返して名前が変わっている、というケースは非常に多いです。この場合、登記簿上の抵当権者の名前と、現在の金融機関名が異なりますが、通常は金融機関側で合併や商号変更を証明する書類(会社の登記事項証明書など)を用意してくれます。これを添付すれば、問題なく抹消登記が可能です。
不動産の所有者が亡くなっている(相続が発生している)
住宅ローンを完済した所有者の方が、抵当権抹消登記をしないまま亡くなってしまったケースです。この場合、前提として、まず不動産の名義を相続人に変更する「相続登記」を申請する必要があります。その相続登記が完了した後で、新しい所有者(相続人)が抵当権抹消登記を申請することになります。
特に、不動産を売却する際には抵当権の抹消が必須となるため、これらの手続きは避けて通れません。
手続きは自分でできる?専門家に任せるべき?
さて、ここまで読んで「思ったより大変そうだな…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。では、これらの手続きは自分でできるのでしょうか、それとも専門家に任せるべきなのでしょうか。
ご自身で手続きする場合
- メリット:司法書士への報酬がかからないため、費用を抑えられます。
- デメリット:書類の収集や作成に多くの時間と手間がかかります。法務局や金融機関は平日の日中しか開いていないため、お仕事をされている方には負担が大きいかもしれません。また、書類に不備があると何度もやり直しになり、かえって時間がかかってしまうリスクがあります。
司法書士に依頼する場合
- メリット:必要書類の確認、金融機関との連絡、登記申請書類の作成、法務局への申請などを司法書士に任せられます。書類不備の防止や関係先との連絡を専門家が行うことで、時間的・精神的な負担の軽減が期待できます。特に「ケース3:書類紛失+住所変更」や、相続が絡むような複雑なケースでは、専門家に依頼するメリットが大きいと考えられます。
- デメリット:登録免許税などの実費に加えて、司法書士への報酬が必要になります。
どちらが良いというわけではありませんが、もしあなたが「平日に何度も時間を取るのは難しい」「書類の不備でストレスを感じたくない」「複雑な手続きは専門家に任せて安心したい」と感じるなら、司法書士への依頼が適していると言えるでしょう。特に手続きの煩わしさやストレスを軽減できることは、大きな価値があります。
まとめ:複雑な抵当権抹消は、一人で悩まずご相談を
この記事では、抵当権抹消で書類を紛失したり、住所が変わっていたりした場合の解決策について解説しました。
- 書類を紛失しても「事前通知制度」で対応可能
- 住所・氏名が変わっていても「変更登記」を同時に申請できる
- これらが複合したケースや相続が絡む場合は、手続きが複雑になる
「手続きが複雑で不安だ」「平日に役所や銀行に行く時間がない」と感じたら、一人で抱え込まずに、ぜひ私たち専門家にご相談ください。
当事務所では、金融機関との折衝も含めて抵当権抹消手続きのご依頼を承っております。報酬は、通常のケースで1万5000円(税別)に、登録免許税などの実費が数千円加算されるのが目安です。
私たちは、手続きの代行だけでなく、お客様の状況を丁寧に確認し、必要な手続きや進め方を分かりやすくご提案します。まずはお気軽に、あなたの状況をお聞かせください。
抵当権抹消に関する無料相談フォーム
マンションは管理!?
司法書士試験の受験中、マンションの管理会社に勤めていました。
水が漏れたり、警報機が鳴ったり、廊下の電気が消えてしまったり。
たくさんのマンションがあるので、トラブルもたくさん起こります。
そんな中、きちんと計画的に管理されているマンションとそうじゃない
マンションの差も感じました。
管理費、修繕積立金を管理組合や管理会社が上手に使っているマンションは
最新の設備を導入したり、掃除がちゃんと行き届いていたり、
長期的に考えれば、生活の快適さや資産価値に差が出てきます。
どうしても外観や間取り、築年数や日当たりと比べて管理がちゃんとしてるかは
興味がいきにくいかも知れませんが、他の要素と同じように気を付けた方が
いいかも知れません。
当事務所では、住宅購入をご検討の方には優秀で親切な不動産会社を
ご紹介しています(当然、紹介料なんてかかりません。)
司法書士がすすめる不動産会社で住宅を探してみませんか?
下北沢司法書士事務所 竹内友章
借地権の相続
建物は自分のもの、土地は借りている状態の「借地権付建物」。
割安の土地の賃料で、都心に家が持てる魅力的な選択肢です。
しかし、所有者の方が高齢になると考えなければならないのが相続問題。
借地権者に相続が発生して借地権が数人に相続される・・・。
そうするとその建物を売却などの処分をするときは、数人の相続人の
全員の合意で行います。
何らかの事情で相続人の1人と連絡がとれないと、失踪宣告などの
法的手続きが必要になってしまうことも・・・。
ただちょっとした対策で対応可能です。
遺言で、その建物に実際に住む相続人に権利を集約したり、
日ごろから相続人間の連絡を密にしたり・・・。
できれば、問題発生前に予防しておいて将来の安心に
繋げたいものです。
今日は「文化の日」。軽く調べると憲法が公布された年のようです。
全く文化的ではない私ですが、なにか文化っぽいことしましょうかね。
映画でも見ればいいかな・・・。
下北沢司法書士事務所 竹内友章
不動産と相続放棄
相続放棄は、注意しなければならないこともあります。
見落としがちなのが「相続放棄は自分の分しかできない」
ということ。
何となく、相続放棄すればご兄弟も安心だと思うのが普通かも知れませんが、
他の相続人の方の分の相続放棄はできません。
もしも相続放棄をするときにはご兄弟など他の相続人の方とよく話し合って、
他のご兄弟の相続放棄についても良く考える必要があります。
もう10月終わりですね。なにか秋らしい天候の10月ではなくて少し寂しいです。
11月は秋を楽しめるといいですね。
下北沢司法書士事務所 竹内友章
不動産売買時に意外につまづくこと
不動産取引の際には抵当権などの担保の登記を消してから売却するのが取引上の慣習です。大昔に借り入れ金の返済は終わっていても、抵当権を消す登記をついつい忘れてしまい、それに加えて書類をなくしてしまうことが結構多いです。そうすると事前通知という制度を使って抵当権を消すことになる場合が多いですが、これが結構時間がかかる・・・。場合によっては、抵当権を消す手続きの間に買い手の気が変わらないか不安になることもあるかも知れません。抵当権がついているかは登記簿を見れば確認できます。ご案内しますのでご連絡ください。
下北沢司法書士事務所 竹内友章
