株式会社は当然、株を発行しますが同一の会社において数種類の株式を発行することも可能です。「普通株式と比較して、どのように違う株式を発行できるか?」について会社法108条において、9種類定められています。その中の1つ「残余財産分配請求権の優先株式」。いつか会社を清算するときに、普通株式の株主より優先して残余財産の分配を受けられます。ちょっとややこしいですが、①創業して②会社が成長し出資者が登場③他の会社に、自社を売却する(吸収合併される)という展開を想定してみましょう。1人で出資して資本金100万円の会社を創業したとしても、出資者が現れる時は企業価値が10倍の1000万円になっているかもしれません。新たな出資者は創業者の10倍のお金を出して株式を買うことになります。じゃあこの会社を「1500万で買います」という方が現れたらどうでしょうか?創業者と出資者で半分づつ株式をもっていたらそれぞれ750万円づつお金を手にします。創業者は「750万円ー100万円」で600万円得します。しかし、出資者は「750万円ー1000万円」で250万円損します。これでは出資者は売却に同意しません。しかし出資者の手にする株式が「会社を清算するときはまずは、1000万円優先して配当を受ける。残りの財産を普通株式の株主と1対1で分ける」との内容だったらどうでしょうか?まずは出資者が投資額の1000万円を手にし、残った500万円を2人で分けます。創業者は500万の半分の250万円から創業時に投資した100万円をひいて150万円のプラス、出資者は250万円のプラスなので創業者も出資者も得をすることになりますね.これなら話がまとまるかも知れません。仮定に仮定を重ねてしまってますが、こんなことも起こりえます。出資者と投資契約を結ぶときは契約内容を良く擦り合わせる必要があると思います。
仕事上、よくいく法務局世田谷出張所の写真です。この建物の2階に法務局がありますが、新しくとても綺麗な建物です。
下北沢司法書士事務所 竹内友章