「配偶者に迷惑をかけたくない」その優しい想いを形にしませんか?
この記事にたどり着かれたあなたは、きっと、大切でかけがえのないパートナーのことを、誰よりも深く想っている方なのでしょう。
「もし自分に何かあったら、残された妻(夫)は困らないだろうか…」
お子さんがいらっしゃらないご夫婦にとって、その想いは切実なものだと思います。
遺言書を作ろう、と考え始めること。それは、ご自身の人生の終い方を考える少し寂しい作業かもしれません。ですが、見方を変えれば、これは残されるパートナーへの、最後の、そして心強い「手紙」を書く作業とも言えるのではないでしょうか。
「遺言」という言葉には、どこか冷たく、事務的な響きがあるかもしれません。しかし、その根底にあるのは、「自分のいなくなった後も、愛する人には穏やかに、安心して暮らしてほしい」という、温かく深い愛情に他なりません。あなたが今、この記事を読んでくださっていること自体が、その優しさの何よりの証です。
私たち下北沢司法書士事務所は、そんなあなたの尊い想いを、法的な要件を踏まえた「安心」という形に近づけるお手伝いをさせていただきたいと考えています。この記事は、単なる法律の解説書ではありません。あなたのその優しい想いを、未来へと確実につなぐための、心強いパートナーでありたいと願っています。
なぜ兄弟相続を防ぐだけでは不十分なのか?見落としがちな2つの未来
お子さんのいないご夫婦が遺言書を考えるとき、多くの方がまず思い浮かべるのは「自分の兄弟姉妹と、配偶者が遺産で揉めないようにしたい」ということでしょう。そして、「全財産を妻(夫)に相続させる」という一文を遺言書に記せば、それで安心だと考えてしまいがちです。
もちろん、それは非常に重要な第一歩です。この一文があるおかげで、本来であれば法定相続人となる兄弟姉妹との間で、遺産分割協議を行う必要がなくなり、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
しかし、本当にそれだけで、あなたの「パートナーを守りたい」という想いは完璧に果たされるのでしょうか。実は、そこには見落とされがちな「2つの未来」のリスクが潜んでいるのです。このテーマの全体像については、遺言書を作成すべき代表的なケースでも体系的に解説しています。
ケース1:もし、配偶者が先に亡くなっていたら…
「妻に全財産を相続させる」と遺言書に書いたとします。しかし、万が一、その妻があなたよりも一日でも先に亡くなってしまったら、どうなるでしょうか。
実は、財産を受け取るはずだった人が遺言者より先に亡くなると、原則として、その人に渡すと定めた部分は効力を生じません。つまり、「配偶者に相続させる」という肝心の部分が実現できなくなる可能性があります。
遺言が無効になれば、法律で定められた相続、つまり「法定相続」が行われます。お子さんがいない場合、もし直系尊属(父母・祖父母など)もすでに亡くなっていれば、法定相続人はご自身の兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっていれば、その子である甥・姪)になります。結局、あなたの財産は、あなたが渡したいと願った配偶者ではなく、兄弟姉妹へと渡ります。それを承知の上ならば良いのですが、他追えば「自分の長年住んだ地域に寄付もしたい」だとか、兄弟姉妹以外に相続財産を譲り渡したい相手がいる場合、実現されなくなってしまいます。このような相続人が先に亡くなってしまった場合の備えは、非常に重要になります。

ケース2:残された配偶者を待つ、煩雑な手続きの負担
無事に遺言書どおり、配偶者が全財産を相続できることになったとしましょう。しかし、それで全てが終わりではありません。不動産の名義を書き換えたり、銀行預金を解約して名義を変えたりといった手続きは、自動的には行われないのです。これら全ての手続きは、残された配偶者ご自身が行わなければなりません。
想像してみてください。大切なパートナーを失った深い悲しみの中で、慣れない役所や金融機関をいくつも回り、大量の書類と格闘する日々を…。もし、その時パートナーが高齢になっていたり、心身に不安を抱えていたりしたら、その負担は計り知れません。戸籍謄本を何通も集め、金融機関ごとに異なる書式に記入し、何度も窓口に足を運ぶ…こうした煩雑な相続手続きは、心身ともに大きなストレスとなります。相続なされた方が高齢である場合はなおさらです。
「財産さえ渡ればいい」のではなく、「パートナーに心労をかけたくない」。あなたの本当の優しさは、そこにあるのではないでしょうか。
【司法書士の解決事例】Aさんご夫婦が選んだ「究極の安心策」とは
先日、当事務所にご相談に来られたAさんご夫婦のお話をご紹介させてください。渋谷区にお住まいの60代のご夫婦で、お子さんはいらっしゃいません。たまたまインターネットの記事で、子どものいない夫婦の相続では兄弟姉妹にも相続権があると知り、「遺言書があった方がいいのかもしれない」と、少し不安な面持ちで事務所のドアを叩かれました。
お二人ともご兄弟がいらっしゃるため、お察しのとおり、もし遺言がなければご自身の兄弟姉妹を交えた遺産分割協議が必要になります。そこで私は、まずお二人それぞれが「配偶者に全財産を相続させる」という内容の遺言書を作成することをおすすめしました。同年代のご夫婦ですから、どちらが先に旅立つかは誰にも分からないからです。
「やっぱり、そうですよね。そうだと思いました。」とAさん。法律の専門家ではないお二人が、そこまでご自身で調べていらっしゃったことに、私は心から敬意を表しました。そして、その上で、お二人がまだ気づかれていなかった「究極の安心策」について、お話をさせていただいたのです。
それは、先ほどご説明した2つの未来のリスク、つまり「もし配偶者が先に亡くなっていたら」「もし残された配偶者が手続きで苦労したら」という問題点に、できる限り備えるための方法でした。
万が一に備える「予備的遺言」という知恵
一つ目のご提案は、「予備的遺言」を加えることでした。
これは、「もし、財産を渡すはずだった妻(夫)が、自分より先に亡くなっていた場合には、代わりに〇〇に財産を遺贈する」というように、第二の相続先を決めておくものです。
この一文を加えておくことで、少なくとも「受け取るはずだった方が先に亡くなる」場合に、その部分が効力を生じないリスクを減らすことができます。ご夫婦の財産が、意図せず兄弟姉妹に渡ってしまう事態を防ぐことができます。遺言を残す相手も高齢である場合、この備えは非常に大切になります。
予備的な相続先は、お世話になった甥や姪、あるいはご夫婦が支援したいと考えている慈善団体など、自由に指定できます。これにより、万が一お二人が相次いで亡くなったとしても、ご夫婦の築き上げた大切な財産を、その想いと共に未来へつなぐことができるのです。
配偶者の負担を大きく減らす「遺言執行者」という選択肢
そして、もう一つのご提案が「遺言執行者」をあらかじめ指定しておくことでした。
遺言執行者とは、その名の通り、遺言の内容を実現するために必要な全ての手続き(不動産の名義変更、預貯金の解約・分配など)を行う権限を持つ人のことです。
「遺言書は、あるだけでは“絵に描いた餅”なんですよ」と私はAさんにお伝えしました。それを実現する人がいて初めて、その価値が生まれます。もちろん、残された配偶者が遺言執行者になることもできます。しかし、Aさんご夫婦が実際に相続を迎えるのは、70代、80代、あるいは90代になっているかもしれません。その時に、本当に煩雑な手続きをすべて一人でこなせるでしょうか。
そこで、私たち司法書士のような専門家を遺言執行者に指定しておくのです。そうすれば、万が一の時、残されたパートナーの手続負担を軽くし、故人を偲ぶ時間を確保しやすくなります。遺言執行者の指定は、ケースによっては非常に重要なプロセスです。
私の説明を静かに聞いていらっしゃったAさんご夫婦は、最後に「そこまでは考えていませんでした。ぜその内容でお願いします」と、晴れやかな笑顔で仰ってくださいました。司法書士のやりがいの1つは、不安な人の表情が少し安心した表情に変わるのをみたときです。私も高卒なのもあってか、なかなか就職先がなくて不安だったので、不安がある時の心の重さは分かっているつもりです。少しでも安心して頂けたならこれ以上に嬉しいことはありません。
【文例付】私たちのための遺言書を作成する
それでは、これまでの内容を踏まえた遺言書の文例をご紹介します。これはあくまで一例ですが、あなたとパートナーの想いを形にするための参考にしてください。
遺言書
遺言者 〇〇 〇〇(昭和〇年〇月〇日生)は、以下のとおり遺言する。
第1条(全財産を相続させる旨の遺言)
遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、妻 〇〇 〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
第2条(予備的遺言)
前条の定めにかかわらず、妻 〇〇 〇〇が遺言者と同時にもしくは遺言者より先に死亡した場合には、遺言者の有する一切の財産を、遺言者の甥である 〇〇 〇〇(平成〇年〇月〇日生)に相続させる。
第3条(遺言執行者の指定)
遺言者は、この遺言の執行者として、下記のとおり指定する。
(1)妻 〇〇 〇〇が遺言者より後に死亡した場合
妻 〇〇 〇〇
(2)妻 〇〇 〇〇が遺言者と同時にもしくは遺言者より先に死亡した場合
東京都世田谷区北沢三丁目21番5号ユーワハイツ北沢201
司法書士 竹内 友章
第4条(遺言執行者の権限)
遺言執行者は、本遺言を執行するため、遺言者の財産目録を作成し、不動産の登記、預貯金の解約払戻し、その他遺言の執行に必要な一切の権限を有するものとする。
令和〇年〇月〇日
(住所)
(氏名) ㊞
いかがでしょうか。この文例には、「全財産を配偶者に」「万が一の予備的遺言」「手続きを代行する遺言執行者」という、パートナーを守るための3つの重要な要素がすべて盛り込まれています。
なお、遺言書にはご自身で作成する「自筆証書遺言」と、公証役場で作成する「公正証書遺言」があります。自筆証書遺言は手軽ですが、形式の不備で無効になったり、紛失や改ざんのリスクがあったりします。パートナーへの想いを確実に実現するためには、法的な証明力が高く、原本が公証役場に保管される公正証書遺言で作成することを強くお勧めします。
まとめ:あなたのその優しさを、司法書士が「安心」という形にします

遺言書を作成しようと決意されたあなたの行動は、紛れもなく、パートナーへの深い愛情と責任感の表れです。将来、みんなが困らないようにと先々のことまで考える、その優しい心遣いを、私たちは心から尊敬します。
そして、その大切な想いを、法的な要件を踏まえた形で「安心」につなげるのが、私たち司法書士の仕事です。
「予備的遺言」や「遺言執行者」といった専門的な知識は、あなたの愛情をより確かなものにするための強力なツールです。私たちは、単に法律手続きを代行するだけではありません。メンタル心理カウンセラーの資格も取得した司法書士として、あなたの不安な気持ちに寄り添い、お話をじっくりと伺いながら、ご夫婦にとって最善のオーダーメイドの遺言書を一緒に作り上げていきたいと考えています。
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下北沢司法書士事務所 竹内友章

東京都世田谷区北沢にある下北沢司法書士事務所は、相続手続き、遺言作成、相続放棄、会社設立、不動産売却など、幅広い法務サービスを提供しています。代表の竹内友章は、不動産業界での経験を持ち、宅地建物取引士や管理業務主任者の資格を活かし、丁寧で分かりやすいサポートを心掛けています。下北沢駅から徒歩3分の便利な立地で、土日も対応可能です。お気軽にご相談ください。

