こんにちは!下北沢司法書士事務所の竹内と申します。相続遺言、遺産分割、認知症対策(成年後見、信託)、賃貸トラブル対応(孤独死、家賃滞納)、不動産売却支援(共有不動産、借金による任意売却)、会社設立や事業承継に取り組む司法書士です。
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相続。大前提にして欲しい考え方
今日は相続のはなし。しかし、相続の「知識」の話はしません。いつもは法定相続分だとか遺産分割のルールだとか民法、あとは税法の基礎知識をお伝えしてますがこういう知識を活かしていくためには「どう知識を使っていくか」が大事です。そして知識を使うには使い方の方針、つまり相続に向き合う姿勢や考え方もとても重要です。こういう姿勢や考え方を間違うとせっかくの知識が役にたたないどころか、知識に振り回されてかえって混乱してしまうこともあります。では相続においてどんな方針、考え方が大事なのでしょうか。みていきましょう!
完璧を目指さない
大事な考え方は「完璧を目指さない」です。相続には主に大きな2つのテーマがあります。1つは財産の分配。もう1つは相続税です。財産の分配について基本的には相続人全員の意思を統一し、全員一致で合意しなければなりません。これだけでも、けっこう大変な場合があります。特に不動産。よく弁護士さんや司法書士は「共有は良くない」というのですが、実際には共有になることも多いですし共有でも問題ないご家庭もたくさんあります。財産の分配方法は自由度が大きく、相続人が不動産を引き継ぐ代わりにお金を他の相続人に払う(代償分割)も可能です。さまざまな方法の中から、ご家庭の状況・事情にあった分配を選んでいきましょう。そして、もう1つのテーマである相続税。遺産分割だけでもけっこう大変なのに相続税も踏まえて考えると余計話がこんがらがります。
こんがらがるとはどういうことなのか
ではなぜ相続税も含めて考えるとこんがらがるのでしょうか。それは「相続人が納得する財産の分配の仕方」と「相続税が一番安くなる分配の仕方」が違う場合があるからです。「小規模宅地の特例」をはじめ、納税額を抑える特例を使おうとするとき相続人の立場や状況次第で「要件」にあてはまるかどうか、つまり使えるかどうかが変わってきたりします。こういうときに、とにかく全体の相続税を抑えることに目がいくと遺産分割の中身そのものがガラッと変わってきてしまい、分配方法の納得感と相続税を抑える。この2つのテーマの整合性をとろうとして迷走してしまうことがあります。
基本は「財産の分配」を優先
それではこのテーマ。どう考えていくべきなのでしょうか。やはり明確な優先順位をつけてしまうのが一番分かりやすいです。ではどちらを優先するか?それはもちろん「納得感のある財産の分配」です。いくら相続税をおさえようとも、遺産分割の中身が決まらなければ、財産を承継することができません。また相続税の全体額を抑えることを理由に財産分配の納得感をないがしろにすると、必ず後から「騙された」とか「うまくやられた」と感じる人が出てきて後味が悪いものとなります。財産分配の納得感を優先して、相続税に関してはできる範囲で特例を利用するなどして抑えていくのが良いでしょう。
7割でも達成出来たらすごい
完璧を目指してしまうとどうしてもどこかで「納得がいかない」部分が出てきてしまいます。しかし生前の遺言や信託、若しくは遺産分割などである程度相続対策が出来たら実はそれだけでも十分プラスになってると考えることもできます。なにもしないでそのまま時間だけ流れた場合と比較したらどうでしょうか。預貯金の払い戻しなどの手続きもとれず、相続税の納付期限もせまり、とりあえずは法定相続を前提に申告してまた後から修正申告・・なんてことになりかねません。しかし遺言や信託を作成したり、遺産分割をしっかりすることでこうした事態は防げるのです。それだけでも相続人のみなさんの頑張りのおかげで大分前に進んだと言えます。
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下北沢司法書士事務所 竹内友章