再婚後の相続、ご不安ではありませんか?司法書士が悩みに寄り添います
「再婚して幸せな毎日を送っているけれど、もし自分に万が一のことがあったら、残された家族はどうなるのだろう…」
「前の配偶者との間の子どもと、今のパートナー。どちらも大切だからこそ、財産のことで揉めてほしくない」
再婚後の相続は、登場人物が多く、関係も複雑になりがちです。誰に、何を、どれくらい遺すのか。考えれば考えるほど、頭が混乱し、不安な気持ちになるのは当然のこと。多くの方が同じように悩んでいらっしゃいますから、決してご自身を責めないでくださいね。
この記事では、そんなあなたの不安な心に寄り添いながら、再婚家庭における相続の課題を一つひとつ、丁寧に解きほぐしていきます。読み終える頃には、「何から手をつければ良いのか」「誰に相談すれば安心か」が明確になり、漠然とした不安が具体的な安心へと変わっているはずです。
当事務所の代表は、司法書士であると同時に心理カウンセラーの資格も持っています。私たちは、法律的な手続きを事務的に進めるだけではありません。あなたの複雑な想いやご家族への愛情、そして言葉にならない不安までしっかりと受け止め、心から納得できる解決策を一緒に探していくことをお約束します。どうぞ、安心してお読みください。
遺言書がないと…?再婚家庭で起こりがちな3つの相続トラブル
「家族なんだから、話し合えばきっと分かってくれるはず」。そう信じたいお気持ちは、とてもよく分かります。しかし、残念ながら、相続が始まるとそれまで良好だった関係が一変してしまうことは少なくありません。特に再婚家庭では、遺言書がないことで、より深刻なトラブルに発展しやすくなります。ここでは、実際に起こりがちな3つのケースを見ていきましょう。
ケース1:相続人同士の面識がなく、遺産分割協議が進まない
あなたが亡くなると、相続人全員で「遺産分割協議」という話し合いを行い、誰がどの財産を相続するかを決めなければなりません。再婚されている場合、現在の配偶者はもちろん、前妻(前夫)との間のお子さんも法律上の「相続人」となります。
もし、現在の配偶者と前妻のお子さんとの間に面識がなかったり、関係が良好でなかったりしたらどうなるでしょうか。戸籍をたどって初めて住所や連絡先を知る、というケースも珍しくありません。遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ進められません。さらに実務上は、預貯金の解約や不動産の名義変更などの手続きで、遺産分割協議書への実印押印や印鑑証明書の提出を求められることが多く、手続きが止まってしまう原因になります。預貯金の解約も、不動産の名義変更も、すべてがストップしてしまうのです。
たった一人でも話し合いに応じてくれなければ、手続きは暗礁に乗り上げてしまいます。このように、疎遠な相続人とのやりとりは、想像以上に精神的な負担が大きいものとなる可能性があります。

ケース2:自宅不動産の分け方で対立し、現在の配偶者が住まいを失う危機
財産のほとんどが、今お住まいの自宅不動産だというケースは非常に多く見られます。遺言書がない場合、この自宅も法定相続分に従って分割の対象となります。
例えば、現在の配偶者が「この家に住み続けたい」と願っても、前妻のお子さんには「自分の法定相続分に相当するお金を支払ってほしい」と要求する権利があります。もし、その要求に応えられるだけの預貯金がなければ、どうなるでしょうか。最悪の場合、愛着のある自宅を売却して代金を分けなければならず、長年連れ添ったパートナーが住む場所を失ってしまうという、あまりにも悲しい事態を招きかねません。
たとえ遺言書で「自宅は妻に」と書いても、他の相続人には最低限の取り分を主張できる「遺留分」という権利があり、問題はさらに複雑になることもあります。
ケース3:感情的なしこりが表面化し「争族」へ発展する
相続は、単にお金を分けるだけの作業ではありません。そこには、長年にわたる家族の歴史や、それぞれの想い、時には言えなかった不満といった感情が複雑に絡み合っています。
「なぜ、私たちを置いて出ていった父の財産を、後から来た配偶者が多くもらうのか」
「父(母)は本当に、そんなことを望んでいたのだろうか」
遺言書がなければ、こうした疑念や不満が噴出し、話し合いは法律論から感情論へと発展しがちです。一度こじれてしまった感情の糸をほぐすのは、非常に困難です。家族が財産を巡って争う「争族」は、お金の問題以上に、心に深い傷を残します。あなたの明確な意思を示す遺言書は、こうした感情的な対立を未然に防ぎ、家族を守るための、何よりの道しるべとなるのです。
再婚家庭における遺言書の重要性については、遺言書を作成すべき典型例でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
【司法書士の実例】将来の生活設計と遺言、どうバランスを取るべきか
以前にホームページをご覧になった東京都北区在住の方から、こんなご相談を受けました。ご本人の許可を得て、少しだけご紹介します。
「別れた妻との間に子どもが3人います。今の妻とは、離婚から20年以上経ってから再婚しました。子どもたちとは、今でも交流がある子もいれば、ほとんど話してくれない子もいます。私に恨みを持つ子がいても仕方がない。でも、愛情は3人ともに同じです。前妻が亡くなったことをきっかけに、終活を考え始めました」
お話をじっくり伺うと、ご依頼者様は現在の奥様とお子さん3人に、公平に財産を分配したいという強い想いをお持ちでした。そこで私は、「全ての財産を4分の1ずつ相続してもらうことを基本に、奥様がお住まいのご自宅の価値を評価し、預貯金で調整してはいかがでしょう」と提案しました。
すると、ご依頼者様はこうおっしゃいました。
「なるほど。ただ、私も妻もそう遠くないうちに施設に入ろうと考えています。だから、妻の住まいはそれほど心配しなくても大丈夫です」
「とにかく平等に」というお気持ちが非常に強いご様子でした。そのご希望を叶えるなら、ご自宅を売却してお金で分ける「換価分割」が最もシンプルです。しかし、私は少しだけ、胸に引っかかるものがありました。そして、こうお伝えしたのです。
「お気持ちはよく分かります。ですが、もし遺言書に『自宅を売却して分ける』と書いてしまった後で、思うような介護施設がすぐに見つからなかったら、奥様は急いで次の住まいを探さなければならなくなります。まだ実現していない将来の計画を、今、遺言書で確定させてしまうのは少しリスクがあるかもしれません。まずは奥様の住まいを確保する内容で遺言を作成し、もし実際に施設へ入居されるタイミングが来たら、その時にまた書き直すという方法はいかがでしょうか」
少し踏み込みすぎたかとも思いましたが、ご依頼者様は私の提案を受け入れてくださり、その内容で公正証書遺言を作成されました。今もご夫婦はお元気に自宅で暮らしており、当時は少しナーバスになっていた部分もあったようです。
この事例が教えてくれるのは、まだ実現していない未来の計画に基づいて遺言内容を固めてしまうことの危うさです。ご家族への想いが強い方ほど、「完璧な遺言」を目指してしまいがちですが、状況は常に変化します。その変化に柔軟に対応していく視点が、実はとても大切なのです。

状況変化は当然!遺言書は「やり直し」ていいんです
「一度書いた遺言書を、そう簡単に変えてもいいのだろうか…」
このように、遺言書の作成や見直しに、ある種の「重み」を感じてしまう方は少なくありません。しかし、その心配はまったく不要です。
遺言書は、いつでも、何度でも、あなたの意思で自由に書き直すことができます。これは法律で認められた正当な権利です。唯一の例外は認知症が進んでしまった時。もちろんこのリスクも念頭におかなければなりませんが、それでも遺言は何度でも作り直せることが基本であることは抑えておかなければなりません。
ご自身の財産状況、家族構成、あるいは家族との関係性の変化に合わせて遺言書を見直すことは、残されるご家族への深い愛情の表れと言えるでしょう。まずは難しく考えすぎず、「現時点でのベスト」を形にすることから始めてみませんか。その一歩が、将来の家族の安心につながります。
新しい遺言書が優先される「抵触」のルール
では、遺言書を書き直した場合、法律上はどのように扱われるのでしょうか。ルールはとてもシンプルです。
- 原則:日付が最も新しい遺言書が有効になる
もし内容が矛盾(法律用語で「抵触」といいます)する複数の遺言書が見つかった場合、常に日付の新しいものが優先されます。例えば、古い遺言書に「自宅不動産は長男に相続させる」と書き、その後で作成した新しい遺言書に「自宅不動産は現在の妻に相続させる」と書いたとします。この場合、不動産に関する部分は新しい遺言の内容が有効となり、古い遺言のその部分は自動的に撤回されたものとみなされるのです。
やり直しの注意点:自筆証書と公正証書の違い
遺言書をやり直す際には、その種類によって注意すべき点が異なります。ここを間違えると、あなたの本当の想いが伝わらなくなってしまう可能性もあるため、しっかり押さえておきましょう。
- 自筆証書遺言の場合
ご自身で手書きする遺言書の場合、古いものを破り捨てて、法律で定められた形式(全文、日付、氏名を自書し、押印する)を守って新しいものを書き直すのが一般的です。 - 公正証書遺言の場合
公証役場で作成した遺言書は、手元にある写し(正本・謄本)を破棄しても、原本が公証役場に保管されているため、法的な効力は失われません。内容を変更・撤回したい場合は、新しい遺言書を作成して変更するのが基本で、確実性を重視するなら公証役場で新しい公正証書遺言(撤回の公正証書を含む)を作成する方法が一般的です。
どちらの遺言書の種類(自筆証書遺言・公正証書遺言など)を選ぶかによって、やり直しの手続きも変わってきます。ご自身の状況に合わせた最適な方法を選ぶためにも、専門家のアドバイスが有効です。
(参考:法務省「遺言に関する見直し」)
不動産は「換価分割」で公平に分ける選択肢も
「財産は自宅不動産がほとんど。でも、相続人全員に公平に遺したい」。そんなジレンマを抱えている方に知っていただきたいのが、「換価分割(かんかぶんかつ)」という方法です。
これは、相続した不動産を売却し、その売却代金を相続人間で分け合う方法です。現物で分けにくい不動産も、現金に換えることで1円単位で公平に分割できるのが最大のメリットです。また、相続税の納税資金を確保しやすいという利点もあります。
もちろん、売却には時間がかかりますし、希望する価格で売れるとは限らないといったデメリットも存在します。しかし、遺言書でこの換価分割を明確に指定しておくことで、残された家族が分け方で揉めるリスクを大きく減らすことができます。多数の相続人がいる不動産の売却において、非常に有効な選択肢の一つです。

遺言に盛り込む「換価分割」の指定方法と文例
遺言書で換価分割を指定する場合、誰が読んでも誤解が生じないよう、明確な言葉で記載することが重要です。例えば、以下のような文例が考えられます。
【文例】
「遺言者は、その所有する下記不動産を売却換価し、その売却代金から諸費用を控除した残額を、妻Aに2分の1、長男Bに4分の1、長女Cに4分の1の割合で相続させる。」
このように具体的に書いておくことで、あなたの意思が明確に伝わります。そして、この手続きをよりスムーズに進めるために、次に説明する「遺言執行者」の存在が極めて重要になります。
手続きの要「遺言執行者」を司法書士に託すメリット
「遺言執行者」とは、その名の通り、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う権限を与えられた人のことです。遺言書で指定しておくことで、あなたの死後、相続手続きのキーパーソンとして動いてくれます。
例えば換価分割(遺言で不動産を売却して代金を分配する内容など)の場合、遺言の内容に基づいて遺言執行者が中心となって売却手続や分配を進められるため、相続人間の協力が得にくい場面でも手続きを前に進めやすくなります。
特に、前妻の子と現在の配偶者など、関係性が複雑になりがちな再婚家庭の相続において、公平中立な第三者である専門家、例えば司法書士を遺言執行者に指定しておくことは、感情的な対立を避け、手続きを円滑に進めるための、いわば「賢い保険」と言えるでしょう。
一人で悩まず、まずは司法書士にご相談ください
この記事では、再婚後の遺言書作成に関する様々なポイントを解説してきましたが、これらはあくまで一般的な知識にすぎません。あなたのご家族にとっての最適な解決策は、ご家族の状況や財産の内容、そして何よりもあなたの「想い」によって、全く異なるものになります。
遺言書は、何度でも作り直せるものです。だからこそ、まずは現時点での状況をベースにお考えいただくのが基本です。しかし、お一人で考えを進めてしまうと、思わぬ法律上の落とし穴に気づきにくいのも事実です。
大切なご家族のために、そしてあなたご自身の安心のために、ぜひ一度、法律と実務に精通した私たち司法書士にご相談ください。相続専門の司法書士が、あなたの想いを法的に有効な形にするため、全力でサポートいたします。
当事務所では、初回のご相談は無料でお受けしており、土日のご相談にも対応しております。また今回のご相談者は東京都北区でしたが、東京23区全般や東京都下、首都圏のご相談に対応しております。ぜひお気軽にご相談ください。
下北沢司法書士事務所 竹内友章

東京都世田谷区北沢にある下北沢司法書士事務所は、相続手続き、遺言作成、相続放棄、会社設立、不動産売却など、幅広い法務サービスを提供しています。代表の竹内友章は、不動産業界での経験を持ち、宅地建物取引士や管理業務主任者の資格を活かし、丁寧で分かりやすいサポートを心掛けています。下北沢駅から徒歩3分の便利な立地で、土日も対応可能です。お気軽にご相談ください。

