会社設立で後悔?司法書士が教える登記の注意点

その登記簿、10年後も自信を持って提出できますか?

会社設立という大きな一歩、おめでとうございます。希望に満ち溢れ、事業計画や資金調達に奔走する毎日かと思います。しかし、その情熱のあまり、後回しにされがちな手続きがあります。それが「会社設立の登記」です。

「手続きは簡単で、安く済めばいい」
「とりあえず会社さえ作れれば、中身は後から考えよう」

もし、そうお考えなら、少しだけ立ち止まってみてください。会社設立はゴールではなく、長い航海の始まりに過ぎません。そして、その航海で会社の「顔」として、あらゆる場面で提示を求められるのが「登記簿(登記事項証明書)」です。

金融機関からの融資、大切な取引先との契約、許認可の申請…そのたびに、あなたの会社の登記簿は隅々までチェックされます。登記簿は、いわば会社の公的な履歴書。そこに記された一つひとつの情報が、あなたの会社の第一印象を形作り、信用を左右することさえあるのです。

安易に作成された登記簿は、数年後に思わぬ手間やコストを生んだり、取引先に「この会社、大丈夫かな?」という些細な疑問を抱かせたりするかもしれません。この記事では、私たち司法書士が普段どのような視点で登記簿を見ているのか、そして10年後も自信を持って提出できる「きれいな登記簿」を作るための注意点について、具体的にお話しします。

司法書士から会社設立登記についてアドバイスを受ける起業家の男性。登記簿の重要性を真剣に聞いている様子。

司法書士が見る「惜しい登記簿」の4つの共通点

近年、会計ソフトの会社が提供するシステムなどを利用して、ご自身で会社設立をされる方が増えています。私たち司法書士が登記情報を見ると、「ああ、この会社はシステムを使って設立されたのだな」とすぐに分かることがあります。もちろん、それ自体が問題なわけではありません。しかし、登記記録は一度作成されると、会社の歴史として永続的に残るものです。だからこそ、細部まで整った形にしておくことに越したことはありません。

ここでは、私たちがプロの視点から見て「少しもったいないな」と感じてしまう「惜しい登記簿」の共通点を4つご紹介します。会社設立の全体像については、株式会社と合同会社どっちがいい?設立費用・選び方を専門家が比較解説で体系的に解説しています。

1. 本店所在地の表記が少し不自然

会社の所在地は、個人の住所とは異なり、発起人が作成する「発起人決定書」に基づいて登記されます。つまり、ある程度は自己申告に近い形で決まるため、表記の仕方に個性が出やすい部分です。例えば、「1-2-3」のようにハイフン(-)を使った表記は略式と見なされることがあり、公的な書類としては少しラフな印象を与えかねません。私たち司法書士は、慣例的に「一丁目2番3号」のように、最初の漢数字とアラビア数字を組み合わせ、格調高い表記を心がけています。たったこれだけの違いですが、登記簿の「見た目」の印象は大きく変わります。

2. 設立時から「電子公告」になっている

公告方法として、設立当初から「電子公告」を選択しているケースもよく見られます。これはおそらく、設立支援システムなどが「決算公告の義務を安価に果たせます」と推奨しているためでしょう。確かに電子公告は官報に比べて費用を抑えられるメリットがあります。しかし、会社法上の義務である決算公告を、設立当初から完璧に実施できているスタートアップ企業は、実態としてそれほど多くありません。管理コストをかけてまで、設立時から電子公告を選択する必要性は低いと私たちは考えています。まずは「官報」でスタートし、会社の成長フェーズに合わせて見直すのが現実的でしょう。

3. 事業目的のバランスが悪い

事業目的は、将来的に展開する可能性のある事業も記載しておくのがセオリーです。特に、許認可が必要な事業(例えば宅地建物取引業など)は、あらかじめ事業目的に記載がないと認可が下りません。後から追加するには登記変更の手間と費用がかかります。一方で、あまりに多くの事業目的を羅列してしまうと、「結局、この会社は何をしたいのだろう?」と焦点がぼやけ、取引先に不信感を与えてしまう可能性もあります。すぐに始める事業と将来の展望を考慮しつつ、6〜7個程度にまとめるのがバランスの良い書き方と言えるでしょう。

4. 発行可能株式総数に余裕がない

時折、発行済株式数と発行可能株式総数にほとんど差がない登記簿を見かけます。非上場会社で株式の譲渡制限を設けている場合、法律上はこの両者にどれだけ差があっても問題ありません。むしろ、将来の資金調達(増資)で新たな株式を発行する可能性を考えれば、十分な余裕を持たせておくべきです。例えば、最初に発行する株式が100株だとしても、発行可能株式総数は10,000株のように、思い切って大きな枠を設定しておくことが、将来の機動性を高めるコツです。

このように、私たちは会社の未来を見据え、細かなポイントにまで配慮しながら会社設立業務に取り組んでいます。ご自身に最適な形で会社を設立したい方、本業に集中するために手続きに時間を割きたくない方は、ぜひ一度ご相談ください。

将来のコストと手間を左右する2大ポイント

登記簿の「見た目」だけでなく、将来の運営コストや手続きの手間に直接影響する重要な選択が2つあります。それが「本店所在地の記載方法」と「公告方法の選択」です。設立時の安易な判断が、数年後に煩雑な手続きにつながってしまうことがあります。

本店所在地の記載:「最小行政区画」が鉄則の理由

会社のルールブックである「定款」には、本店所在地を記載する必要があります。このとき、どこまでの住所を記載するかが重要なポイントになります。

【悪い例】 東京都世田谷区北沢三丁目21番5号

【良い例】 東京都世田谷区

なぜ、市区町村まで(これを「最小行政区画」と言います)で止めておくのが良いのでしょうか。その理由は、将来の「本店移転」にあります。

もし、同じ世田谷区内でオフィスを移転する場合、「良い例」のように定款に記載していれば、定款を変更する必要はありません。取締役会(あるいは取締役の過半数の一致)の決議だけで移転手続きができ、作成する書類の枚数も少なくてすみます

しかし、「悪い例」のように番地まで記載してしまうと、同じ世田谷区内での移転であっても、まず株主総会を開いて定款を変更し、その上で移転の登記を申請しなければなりません。株主総会の手間が増えるだけでなく、本店移転登記の登録免許税も、移転先が管轄外の場合は6万円(旧管轄3万円+新管轄3万円)かかってしまうのです。

事業の成長に合わせてオフィス移転は十分に考えられます。長期的な視点に立てば、定款の本店所在地は「最小行政区画」までとしておくのが鉄則です。

公告方法の選択:なぜ最初は「官報」で十分なのか

会社の公告方法は、法律で定められた重要な情報を株主や債権者などに知らせるための手段です。主に以下の3つの方法があります。

  • 官報に掲載する
  • 日刊新聞紙に掲載する
  • 電子公告

最近はコストの安さから電子公告を検討する方も多いですが、私たちはスタートアップ企業にはまず「官報」をおすすめしています。株式会社と合同会社の違い(設立費用・選び方)といった会社の形態に関わらず、この選択は重要です。

電子公告は、決算公告(貸借対照表の開示)の掲載費用が官報より安いというメリットがあります。しかし、その一方でデメリットも存在します。

  • 決算公告の全文開示義務:官報であれば貸借対照表の「要旨」の掲載で足りますが、電子公告(公告方法を電子公告とする場合)は全文を公告する必要があります。
  • URLの登記:公告を掲載するウェブサイトのURLを登記する必要があり、URLが変更になれば変更登記(登録免許税3万円)が必要です。
  • 債権者保護手続き時の調査費用:将来、会社の組織再編などで債権者保護手続きが必要になった際、電子公告では「官報での公告」も併せて行う必要があり、二度手間になるケースがあります。

前述の通り、設立当初から決算公告を毎年きちんと行える会社は稀です。まずは最もシンプルで管理が容易な「官報」を選択し、事業が軌道に乗ってから電子公告への変更を検討するのが、最も合理的で無駄のない選択と言えるでしょう。

より詳しい制度については、法務省のウェブサイトも参考になります。

参照:法務省:電子公告制度について

なぜ会社設立を司法書士に任せるべきなのか

今日記載した以外にも「取締役の任期」や「事業年度」、「代表取締役の選び方を取締役の互選にするか」など整理して決定した方が良いテーマがあります。「思ったより考えることが多いな」と感じられたかもしれません。それこそが、私たち専門家に会社設立を依頼する価値です。それは単なる手続きの代行ではありません。あなたの会社の未来を守り、あなたが本業に集中できる環境を作るための戦略的な投資です。

司法書士に会社設立を依頼し、本業の準備に集中する女性起業家。専門家に任せることで得られる安心感を表現している。

手続きの正確性とスピードで本業に集中できる

会社設立には、定款の作成・認証、登記申請書類の準備、法務局への申請など、専門的で煩雑な手続きが数多くあります。もし書類に不備があれば、何度も法務局に足を運ぶことになり、貴重な時間を浪費してしまいます。創業期の起業家にとって、時間は最も重要な経営資源です。私たち司法書士にご依頼いただければ、これらの手続きを正確かつスムーズに進められるようサポートします。あなたが事業の立ち上げという最も重要な業務に集中している間に、会社設立の手続きを着実に進めていきます。

将来の変更・トラブルを見越した最適な会社設計

司法書士の仕事は、ただ書類を右から左へ流すことではありません。あなたの事業計画や将来のビジョンをヒアリングし、将来起こりうる増資、役員変更、事業目的の追加、さらには将来の相続までも見越した最適な定款を設計します。先ほど挙げた「惜しい登記簿」のような失敗を未然に防ぎ、将来の事業展開をスムーズにするための土台作りをお手伝いします。必要であれば、提携する税理士と連携し、税務面からも最適な会社設計をサポートします。

電子定款の利用で印紙代4万円を確実に節約

司法書士に依頼する大きな金銭的メリットの一つが、「電子定款」の利用です。紙の定款を作成する場合、収入印紙代として4万円が必要になりますが、私たちが作成する電子定款であれば、この印紙代が不要になります。この節約分を考えれば、専門家への報酬は決して高いものではないと感じていただけるはずです。会社設立にかかる費用は、単なる支出ではなく、将来のリスクを回避し、ビジネスを加速させるための投資なのです。

下北沢司法書士事務所の会社設立サポート

会社設立は、起業家にとって人生の大きな決断です。だからこそ、私たちは単なる手続き代行者ではなく、あなたの事業の最初の伴走者でありたいと考えています。丁寧なヒアリングを通じて、あなたの想いを法的な形にし、未来につながる最適な会社設立を実現します。

全国対応!テレビ電話で初回無料相談

当事務所では沖縄は名古屋、静岡県岡山市や千葉県印西市など東京都以外の会社の設立実績もあります。テレビ電話なども駆使して、遠方でも当事務所にご依頼いただく方もたくさんいらっしゃいます。ホームページの情報量や、起業家に寄り添う姿勢、提供される知識量の多さなどを評価いただいており、まことにありがたく思っております。「事務所が遠いから相談できない」ということはありません。当事務所では、Zoomなどのテレビ電話システムを活用し、全国どこにお住まいの起業家からでもご相談をお受けしています。もちろん、初回の相談は無料です。

「何から話せばいいか分からない」「まだ事業計画が固まっていない」という方でも全く問題ありません。私たち司法書士が一つひとつ丁寧にご質問し、あなたの頭の中にあるアイデアや課題を整理するところからお手伝いします。まずはお気軽にご連絡ください。

ご依頼から登記完了までの流れ

ご依頼後のプロセスは非常にシンプルです。あなたの貴重な時間を最大限、本業に充てていただけるよう、手続きの大部分を当事務所が主導します。

  1. 無料相談(ヒアリング):テレビ電話やお電話で、事業内容や将来のビジョンを詳しくお伺いします。
  2. お見積もり・ご契約:ご提案内容にご納得いただけましたら、ご契約となります。当事務所では、料金一覧を明確にご提示し、必ずお見積もりにご納得いただいてから業務に着手します。
  3. 必要書類の準備・作成:定款や登記申請書など、必要な書類はすべて当事務所で作成します。お客様には、印鑑証明書や会社実印のご準備をお願いするだけです。
  4. 定款認証・登記申請:公証役場での定款認証から法務局への登記申請まで、すべて当事務所が代行します。
  5. 登記完了・書類のお渡し:登記が完了しましたら、登記簿謄本や印鑑カードなど、会社運営に必要な書類一式をお渡しして完了です。

起業家としてのあなたの正しい選択は、専門家をうまく活用し、ご自身のエネルギーを事業の成長に集中させることです。未来への第一歩を、私たちと一緒に踏み出しませんか。ご連絡を心よりお待ちしております。

会社設立の初回無料相談(お問い合わせフォーム)

下北沢司法書士事務所 竹内友章

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