自宅を売るには!?信託VS法定後見

おはようございます!下北沢司法書士事務所の竹内です。信託、成年後見(法定後見、任意後見)、相続、遺産分割、大家さん向けに家賃滞納や孤独死対応、不動産売却支援(相続した共有不動産の売却や借金や債務整理による任意売却)、会社設立や事業承継などをしている司法書士です!

 

不動産を売るには?信託と後見どっちがいい!?

今日は不動産を売るには信託と後見のどちらがいいか、比較をしていきます!このテーマは質問されることも多いし、お客さんの話を聞いてると情報が錯綜しているようです。みなさんご自身で色んな情報を集められて、その情報がネット上で噂のように広まって・・・という状態なのかも知れません。今回は、当事務所なりの整理をしてみなさんにお伝えしたいと思います。

 

まず前提として・・・

まずは話の前提です。基本的に、認知症の方が不動産を売っても無効です。無効ということは、売却を主導したお子さんだったり関係者の方が責任を問われてしまうリスクがあるということです。私自身は,ひとんちのおうちの中のことに口を出すこのルールがいいとは思わないのですが、お国が決めたルールでございます。これは、認知症ということは物事を判断することができないというところからきています。これは本人が物事を判断することができないのだから家族などまわりの人が判断しており、本人は本当は売りたくなかったり売ると損をするかも知れないのに不正な形で売却されるリスクがあることからきています。この「認知症になったら不動産は売れない」を前提にそれを回避する2つの手段、法定後見と信託を比較したいと思います。

 

まず、不動産売却だけ考えるなら信託の方が断然いい!

信託は色んなことに使える融通がきく制度。この場合は不動産を売る権限をお子さんをはじめとした親族に移しておくことを念頭に置いています。これをやっておけば後見より断然いい。もう100対0で信託の勝ちです。不動産が自宅以外でもそうですが、自宅で後見を使うと売却に家庭裁判所の許可が必要なことも民法859条の3に書かれておりなおのこと面倒です。後見を使うと実質一生やめることができず、裁判所への年に1回の報告が必要で親のお金なのにず~~っと裁判所に監視される。また後見業務を行う成年後見人や後見人を監督する監督人に司法書士、弁護士などの専門家が選ばれると月に数万円の報酬が発生するなどデメリットが大きいです。

 

認知症になる確率は20%。ここに数十万の費用をかけるか?

不動産を「売ることになるなら」後見より信託の方が断然いいです。しかし、信託には大きな欠点もある。それは、認知症になる前でないと信託することができないことです。信託も契約なので、認知症になってから契約しても結局無効という理屈です。ということで認知症になる前に将来に備えることになりますが、やはり信託にも費用がかかります。金額は信託契約の内容や不動産の価値に左右されますが、少なくとも数10万円程度はかかってきます。厚生労働省の新オレンジプランによると認知症になるのは65歳以上の人のうちの5人に1人。確率は5分の1。さて、5分の1の確率のためにこれだけの費用をかけて「保険」をかけるか。ここです。ここがみなさんの大きな判断のポイントです。

お金だけではない、成年後見制度のストレス

費用と認知症になってしまう確率を考えると、万が一認知症になってしまった時は後見制度を割り切ろうと考えるのも1つの考え方です。後見制度もちゃんと段取りを踏めば自宅でも賃貸マンションでも売却できるのでその点ではそんなに心配する必要はありません。しかし!不動産が売れればそれでいいというわけではありません。費用面と精神的ストレスのデメリットは本人がご存命の限り消えません。こんなことがありました。後見人に親族がなる時に必要な、裁判所での面接に同行しました。そしてその息子さんに裁判所の面接官が一言。「今、説明を受けたという資料に押印しましたね。説明聞いたからにはちゃんとやってねということですよ」。私は、実の息子さんに初めて会った赤の他人がいうことじゃないなと思いました。もちろん、裁判所の人がみんながみんなこうではないですが、後見制度に関わる裁判所側の人間(裁判所、後見人、後見監督人)にこういう姿勢の人がいたら、親族の方は非常にストレスなんじゃないかと感じました。

結局はそれぞれの価値観の違い。しかし、不動産売却の可能性が強いなら利用した方がいいと思います。

ここまで成年後見と信託を比較してきましたが結局どっちがいいのでしょうか。ここは人それぞれの価値観ですが、私は不動産売却の可能性が強いなら信託を使ったほうがいいと思います。以前は、もし認知症になったら割り切って成年後見を使えばよいと思っていました。ところが自分自身、後見人として複雑な不動産売却をしたり親族の方にストレスがかかる実情を目の当たりにして、「売却が分かってるなら信託」と考えるようになりました。認知症以外にも、体調が悪かったり加齢から行動力がなくなってしまったときにも、信託によって売却権限を近しい親族に移しておけばその方が代わりに売却できます。「5分の1」の事例に当てはまらなかったとしても意味はあると思うのです。

 

信託や成年後見の相談は下北沢司法書士事務所へ!エリアも幅広く対応!!

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下北沢司法書士事務所 竹内友章

 

 

 

 

 

 

 

 

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