後見制度のニュースを解説!

お~。

やんごとなきヤフー様が司法書士に関係するどころか、司法書士ど真ん中のニュースを

トピックスに載せてくだすった。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6317525

ということで鬼の首とったようにニュース解説したいのでここに書いてみます。

どーせ誰も見てないと思うし、一人カラオケよろしく自由極まりなくいきます。

 

このニュース一言で言うと、

「成年後見制度を使う時は親族が後見人になる方が原則」

と最高裁判所が言い出したとのことです。

後見制度とは認知症などで自分で財産管理ができない人の代わりに、財産を管理する人を

裁判所が選ぶ制度。

今まで裁判所は「後見人になる人は、できれば弁護士とか司法書士とかの専門家がよろしい」

と言っていましたが、なにゆえに方針転換したのでしょうか?

 

今までは「横領リスク」に着目してた。

これまで裁判所は、横領される可能性が低いことから司法書士などの職業的な後見人を

原則としてました。

そもそも本当に司法書士が横領する可能性が低いのか疑問が残ると思いますが、他人様の

お金だからおいそれと手をつけたりしません。

これは司法書士だ弁護士だと言わなくても普通の日本人ならそうですね。

人のお金はとりません。

普通は人のお金をとりませんが、さすがに全国民からランダムに後見人を選ぶわけにいきませんので

それらしい職業である弁護士、司法書士などが選ばれます。

でも親族、特に親や兄弟など近い親族だと心理的に自分のお金のような気分になりやすい。

介護などしてると「こんなに苦労してるんだからオレの生活費は親の貯金から出してもいいじゃないか」

となるのも気持ちとしては理解できます。

同居の親の後見をしてて自分の生活費と多少混ざってしまっても問題にはなりにくいでしょうが、あまり混ざると

後見人以外の相続権がある親族が問題視するかも知れないし、そもそも後見されてる人の生活費が足りなくな

ったら大変です。

それならば、一円でも人のお金を使ったら問題になる他人(司法書士など)を選んだ方が安心だと考えて

いたのですね。

何故、方針転換したのか

この方針を変えたのは「成年後見制度をもっと使って欲しいから」です。

第三者を抵抗なく後見人にできる家庭がどれくらいあるでしょうか?

親の通帳を第三者に抵抗なく渡せる子供がどれくらいいるでしょうか?

 

現実を見るとやはり、他人が財産管理をするのは不自然ですよね。

もちろん後見される方に近しい親族がいない等の事情があれば別なのでしょうが

大半の家庭にとって不自然です。

「不自然な状態を原則」と考えてしまうと、「そんな不自然な状態になるならこんな制度使わない」

となって後見制度をなかなか使ってもらえないと考え、方針を改めたようです。

 

この方針転換で何が変わるのか?

では具体的にはどう変わるのでしょうか。

そんなに目に見えて変わることはないと思います。

今までだって手順をちゃんと踏めば親族の方が後見人になれたし、これから先にプロが後見人になれな

なるわけではありません。

実務上は特に変わらないと思います。

 

ただ、徐々に後見する人にとって優しい世の中になっていく可能性があります。

プロが原則と考えると、裁判所に電話しても塩対応です。

仕事なんだから自分で調べて自分で何とかしてください」

って感じになるし、また体制としてもそんなに懇切丁寧に対応できなかったと思います。

ところが素人である親族を原則とすると、裁判所も「一般国民」からクレームが来ては大変ですから

丁寧に対応したり体制を整えたりするかも知れません。

また、後見されてる方の手続きで行政に行った時も一般市民がバンバンくれば行政も丁寧に対応する

かも知れません。

色んな手続きが後見人にとって利用しやすいよう充実したり簡単になったりする可能性はあると思います。

ということで後見制度を利用される方にとっては、悪くない方針転換だと思います。

 

思ったより長い文章になったのでひ~ひ~言ってしまいました。どうやら小説家の才能はないようです。

 

下北沢司法書士事務所 竹内友章

 

 

 

 

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